9話5ページ
色々と気づきがあったので書き出しと反省会。
原稿
下描き
5ページ目の下描きに関しては比較的サクサクと進んだ印象。月曜日に作業を始めて、毎日3時間作業し、金曜日には描き終わり、いつもより早いなぁと感じた。しかし、ペン入れの時に感じたのだが、単純に下描きを諦めただけっぽい。
なんで諦めたかというと、描いたことがないアングルが多くて何が正解かわからなくなったから。俯瞰・煽りのアングルに、うんこ座りなど描いたことがない構図が多かったんだよね。で、修正すればするほど何が正解かわからなくなって「もう、いいや」ってなった。
だから、ややこしい構図が多かったにもかかわらず下描きは比較的早く終った。その代わりにペン入れが大変になった。
ペン入れ
ペン入れは土曜日(5時間ほど作業)から始めて、日曜日休みの月曜日~木曜日まで毎日3時間作業をしたら終った。が、下描きで修正すべき作業がペン入れに雪崩れ込んで来たのもあって「下描き+ペン入れ」という感じの作業で大変だった。
パースが大変だった
最も大変だったのは、パースの作業。というのも、下描きの段階でざっくりと消失点を決めてざっくりとパース線を引いて人物や物や建物のアタリを取ったんだけど、初めての経験で色々と問題が出てきた。
まず、2コマ目。学校の玄関外から玄関内部の下駄箱や人物を映すコマなんだけど、下描きが甘く、下描きに沿ってパース線を引き、ペン入れをしていたら頭がぶつかりそうな高さが低い玄関が出来てしまった。というのも、玄関扉の高さが下駄箱の高さと同じパース線上に来ていて、下駄箱と人物の高さが大体同じだから「あれ、この玄関扉低くね?」って気づいて、人間が余裕で通れるくらいのサイズまで玄関内のレイヤーを縮小修正した。
次に、5コマ目。このコマはマジで駄目だったわ。玄関内から玄関外の校門までの道を映すコマだったんだけど、最初1点透視で描いたら「縦にもパース必要じゃね?」って感じで縦にも消失点追加して2点透視にしたんだけど、奥の男の子とか校門にも縦のパースを効かせると違和感で、どうすればいいのかわからなくなった。2点透視とか3点透視をちゃんと勉強しないとだって思った。
最後に、最後のコマ。前面に男の子がうんこ座りをして、奥には学校の玄関から出てきた人が立っているコマなんだけど、これも下描きが中途半端なせいで、男の子が巨大化する現象が起きてしまった。これも、ちゃんと消失点とパース線を意識してなかったのと、人物のサイズ感とかを考えていなかったから男の子を奥にいる人物の位置までパースに乗せて縮小したらうんこ座りをしているはずなのに奥の人物より大きくなるという巨人化現象が起きた。なので、男の子を縮小してそれっぽくなるように調整した。
と言う具合に、下描きの段階でちゃんと消失点やパース線やサイズ感とかを決めておかないと、ペン入れ時に凄い大変な思いをするんだなぁって思った。
キャラクターのアングルが大変だった
今回のページは全体的にキャラのアングルがきつかった。
まず、3コマ目。横を向いて下駄箱を閉めているアングルなんだけど、横向きの顔と体の構造がいまいち理解できてない(描いた経験が少ない)からか思った以上に苦戦した。
4コマ目は、煽りのアングル。煽りの構図をあまり描いたことがないのもあって、いまいち描き方分からなかった。一応、円のアタリを取ったりして、顔のバランスを取ろうとするんだけど、顔のパーツが上に偏って顎が凄い長くなったりして大変だった。
5コマ目に関しては、キャラが玄関から出て行く構図で俯瞰のアングルにしてみたんだけど、ペン入れをし終えた今もよくわからない(しっくりこない)。上にも書いた通りパースの理解度が低いのも影響しているのだと思うが「俯瞰のアングルのキャラの描き方の理解度が低い」「奥行きのある構図の長さの取り方がよくわからん」「パースの理解度が低い」といった具合に複数の問題が重なっていることで問題が複雑化しているんだと思う。1つずつ解決する必要性があるんだと思った。
6コマ目(最後のコマ)は、うんこ座りをしている男の子が前面にいるんだけど、「うんこ座り」「斜めのアングル」「子供」という問題が重なって大変だった。特に、うんこ座りをしている時の重心の位置をどうすればいいのかがわからなかった。
という具合に、人体の理解度が低いことによって、角度がついた時のアングルに対応しきれないってのを目の当たりにして、人体についてもっと勉強をしないと駄目だなぁって思った。
その他
その他の細かい部分で言うと、1コマ目の手とローファーが気になった。明らかに手が雑いんだけど、僕の中で「手」に関しては優先順位が低いから直す気が起きない。ただ、ローファー(靴)に関しては形として捉えておきたいと感じた。これは恐らく、シルエットだけきちんと捉えて細部などのクオリティに関しては後で調整(勉強)をするという方針を無意識に取っているからなのかなぁって思う。
そういう意味だと、髪の毛のハイライトも同じかもしれない。ハイライトに関してもしっくり来ないんだけど、僕の中でそこまで優先順位が高くないから後回しにしている面がある。というか、髪の毛そのものに関してもしっくり来ていない。なんか違和感があって、ハイライト以前の問題って感じる。なので、とりあえずは全体のシルエットを優先しているって感じなんだと思う。
背景を描いていて、水彩画などのカラー絵の必要性を感じた。特に、桜の木を描いていてそう感じた。というのも、モノクロの桜の描き方ってググっても見つからないんだよね。大体、水彩画とかのカラーでの描き方しかない。で、考え方的には参考になるんだけど漫画(モノクロ)でやろうとすると少し難しくて、その辺を吸収しようと思うとカラーやった方が良いのかなぁて感じた。後は、デッサンも大事なのかなぁって思う。現実世界(カラー)をモノクロに落とし込む技術はデッサンから得られるのかなぁって思った。
後は、物の大きさとかはしっかりと意識していないと駄目だって思った。人物が160㎝だとしたら、玄関の扉や下駄箱の高さや天井までの高さ。そういったサイズをしっかり考えて描かないと、画面内の説得力が下がるし、後で困るって感じた。また、描いてて思ったんだけど「下駄箱の数たりなくね?」。今回、正面玄関から人物が出てくる絵を描いたわけだけど、1~3学年全てが同じ玄関を使うとすると、下駄箱の数的に足りなくね?って感じた。もし、1年生だけ正面玄関使えて、2,3年生は別に玄関があるとすると、建物の構造的にどこに配置する?って感じで、設定の重要性について考えさせられた。そういう所もしっかりと考えないとだなぁって思った。
最後に、レイヤー周りの整理は重要だなぁって思った。というのも、レイヤーが増えると拡大縮小が重くなる。最後のコマはベクターレイヤーとか使ったのもあるからなのか、拡大縮小で1分くらいフリーズして、保存してなかったからマジで焦った。なので、レイヤー周りの管理もしっかりとしないとだなぁって反省。
という感じで、反省点を書き出したわけだけど、共通している点としては「事前準備(下描き)が大事」って事なのかなぁって思う。けど、これらの反省点って下描きしている時に気づけなかったんだよね。ペン入れしてみて初めて気づくって感じだったから、漫画を仕上げるというのが最も重要なことなのかなぁって思った。
良かった点
全体的に反省点しかなかったんだけど、なんやかんやでそれっぽくはなるなぁって点は良かったかもしれない。後は、窓ガラスに半透明のレイヤーを置いたのはしっくり来た。というのも、この半透明のレイヤーが窓の反射で映る背景を描くためのキャンパスとして機能をしていて合理的だったからだと思う。まぁ、反射まで考えて描いてなかったから半透明のレイヤーを置いてお終いだったんだけど、こういう合理的な行動をすると腑に落ちるというのは、いい気づきだったかなぁって思う。
また、髪の毛のハイライトは3ページ以外のページでしっくり来ていないのも、3ページ目は光源が窓からと限られていたからで、合理的にハイライトを設置できたことがしっくり来る理由だったんだと思う。他のページは光源がどこからかが僕自身わかっていない。そういう理解度が低いことで腑に落としきれないのかなぁって思うと、もっと勉強をする必要性があるのかなぁって思う。これは、反省点だわ…
終わりに
間違いなく少しずつ良くはなっているんだけど、進めば進むほどわからないことが出てきて「キリがねぇ…」って感じてしんどいわ。ただ、僕自身に漫画を描かせる方が難しかったから、そういう意味だと凄い楽なんだよなぁ。やれば前に進むわけだし。
そういえば、描いたことがあるような構図とかをプロの漫画とかで見ると「プロの人はどうやって描いているんだろう?」って意識をする僕がいる事に気づいた。絵を描く人はそういう見方で漫画を読むのかね?気になった。