9話8ページ
9話8ページ目が描き終わったので思ったことの書き出し。
原稿
ネーム
ネーム周りで思ったこと。
ネーム:全体的にコマが小さい
コマをもう少し大きくしたいって思った。というのも、1~3コマ目で女生徒が小さく、顔の表情が上手く読み取りづらい感じを受けたから。これは、下描きの描き方やペン入れのやり方が悪いという話だけど、そもそものコマ割でもう少し大きなコマにできれば起きなかった面があるので一応書き出し。
ネーム:最後のコマのアングル修正
8ページ目は最初に書いたネーム通りなんだけど、最後のコマだけカメラアングルを修正した。修正前は男の子を正面から映し、道が横に真っ直ぐ伸びる構図だったんだけど、前のページでその構図使っていたから、カメラアングルを校門からにして、校舎に向かって道が真っ直ぐ伸び、男の子は横を向いている構図に修正した。
たぶん、ストーリーの雰囲気を変えたい思惑があったから、今まで使っていないカメラアングルにしようと思ったんだと思う。
下描き
下描きで思ったこと。
下描き:ペン入れ前に気づけるといいなぁ
ペン入れをしてみて、下描きが駄目だったと感じることが多いい。今回で言えば、2コマ目と3コマ目はペン入れをしてみると頭部が横に広いと感じた。少し前から人物のアタリの取り方が間違っているんじゃないかって考えていて、そういう違和感はペン入れ前に気づけるようになると良いなぁって思う。
ペン入れ
ペン入れで思ったこと。
ペン入れ:表情が良く見えない
1コマ目~3コマ目の女子生徒が小さく、顔の表情が良く見えないと感じた。これは、ネームの方でコマを大きくするか、下描きで顔をデフォルメして顔のパーツを誇張して描いたりする必要があるのかなぁって感じた。とは言え、線を綺麗に描いて各パーツの境界線をハッキリさせたり、線を太くするなど、対処はできるはずなので次からはその辺を気を付けたい。
ペン入れ:やる気が起きん
最後のコマは、ペン入れしていてやる気が起きんかった。というのも、校舎の設計ミスがあったから。前にも描いたんだけど、1~3学年が利用すると考えると玄関が小さいんだよね。じゃあ、1年生だけ正面玄関使えるとすると、2,3年生の玄関どこ?正面玄関は来訪者専用みたいな方がいいんじゃないか?もしくは、玄関拡張した方が良い?って感じで、初期設定の甘さと対峙するのが嫌で「学校描きたくねぇ!」ってやる気が起きんかった。初期設定って重要。
ペン入れ:木を見て森を見ず
下描きでざっくりと木の領域描いておいて、ペン入れで細かい部分描いたりしたんだけど、前回学んだディティール細かく描けばそれっぽくなるってやつやったらそれっぽくなった。ただ、気づくと細かく描き過ぎるって現象が起きた。というのも、最後のコマで右の木を描いて、左の木を描いてたら左の木の方が細かく(線が多く)なった。まさに、木を見て森を見ずって感じで、周りが見えなくなる僕がいて(木だけに)気になった。
ペン入れ:雑さは伝わる
最後のコマで、レンガ調の道が雑に見えるのが気になった。縦のラインが入れづらいってのがあって、横の線だけを引いたんだけど、雑に見えるわ。また、その横の線も適当な感覚で引いたから、そういう部分も現れている気がする。この辺も木と同じでディティールに気を付けた方が良いのかなぁって思った。
その他ペン入れ
抽象的で、上手くまとめられないので別枠で書き出し。
その他:線の太さ
ペン入れをしていて線の太さが気になった。1コマ目の前面に大きく男の子、後ろで女生徒が見下ろしているというコマがあるんだけど、最初同じペンサイズで描いたら違和感を感じた。というのも、前面にいる男の子じゃなくて、後面にいる女生徒の方に視線が持っていかれる感じがあった。これは、現実世界でいうところのピントが合っていないということなのかなぁって思い、男の子を加筆して太くしたら違和感が無くなった。
で、そもそもなんで違和感を感じるのか?それは、前面にある男の子がそのコマで一番目立つべきだと考えていたからなんだと思う。そして、加筆をする必要があったのは、文章中で目立たせたい文字を太字にするようなモノなのかなぁって思う。なので、目立たせたい部分を目立たせる方法は文章での強調表現と似ているんだと思った。
その他:強調表現の不一致
1コマ目の男の子の加筆修正を行っている時、輪郭部分だけ加筆(太く)したら違和感を感じた。なんというか、コマから浮いているような印象を受けた。これは、文字でいうところの縁取りして、輪郭部分を2重にするみたいな表現だったんだと思う。確かに目立つようにはなるんだけど、「自然じゃない」という部分で違和感を感じたみたい。文章中にテレビのテロップみたいな縁取りの2重の文字が出てきたらやっぱり違和感なわけでそういう不自然な強調表現に対する違和感があった。なので、男の子の内側の線も太くしたりして、可能な限り自然になるように調整した。
その他:線の強弱
線を加筆(太く)していると線の強弱が気になった。というのも、太陽光の向きによって線の強弱が変わってくるという話で、太陽光が当たる部分は線が細くなって、反対に太陽光が当たらない部分は影の分線が太くなる。そういうのも大事なのかなぁって思った。これに関しては、文字にはない強調表現なのかなぁって思う。けど、バナーとかメインビジュアルとかを作る時って文字間を調整したりする。画数が多いい漢字は大きくなったり、ひらがなは左右がスカスカになったりするので字詰めしたり間隔を空けたりする。なので、それに近い行為なのかもしれない。
その他:余白管理
線の加筆をしていて、「そもそも現実世界にこの線なくね?」って感じた。それは現実世界には色があったりするけど、漫画には色がない。白色と黒色はあるけど、それを使って描写しようと思うと境界線を作って、モノの形を描写する必要があるよねって納得できたんだけど、そうだとすると線を描くというよりかは余白を確保する方が重要なのかなぁって感じた。
というのも、白い原稿用紙上に丸を描けば、円の外側の余白と内側の余白に分かれて初めて「円じゃん」って理解できるわけで、キャラクターに関しても輪郭の線があって、内側の余白があることで「キャラクターじゃん」って認識する。じゃあ、黒い色で塗りつぶしてしまうとする。円みたいな単純な形であれば「黒い色の円じゃん」って認識できるけど、キャラクターみたいなモノになってしまうとシルエットだけしかわからないわけで、なんのキャラクターかを認識するのは難しい。なので、如何に余白を上手く管理するかが白黒しか使えない漫画では重要なのかなぁって思った。
反省点
反省点とかの書き出し。
反省点:漫画的表現
前回に引き続き、漫画的な表現がちょっと足りないなぁって感じた。特にデフォルメ表現は意識した方が良いのかなぁって思った。特に2コマ目と3コマ目で思ったんだけど、こういう小さいコマで普通に顔を描いてしまうと、顔のパーツが小さくなり過ぎて認識がしづらくなる。なので、デフォルメ表現を使って顔のパーツを誇張して描いたりした方が良いのかなぁって思った。また、1コマ目も女生徒が怒っていて、男の子が残念がっているという対比関係なども男の子をもっとデフォルメできると際立つのかなぁって感じた。そういう意味で漫画的な表現がもっと上手くなると良いなぁって思った。
反省点:髪の毛
男の子の髪の毛が明らかにデフォルメの髪の描き方で気になった。女性の髪に関しては、ある程度どこから生えているかを意識して描くようにしているんだけど、男性キャラは意識が薄く「どこから生えてんだろう?」って気になった。顔はデフォルメじゃないのに髪は常時デフォルメってなるとおかしいので、その辺も意識したい。
反省点:焦り
前回に引き続き今回も焦りがあった。作業テンポが遅くて、もう少し早く描けないかなぁという感じの焦り。これに関しては焦ってもしょうがないのはあるんだけど、ちょうど8月が終わり、1年の3分の2が終わったというキリが良いタイミングもあってか、残りの3分の1はスピードを意識して漫画を描けるといいなぁって思った。
とは言え、ただ作業スピードをあげたとしても、描くモノのクオリティが下がっては意味がないんだよなぁ。それに、色々と考えながらやる今のスタイルは結構しっくりくる。なんというか、足場をしっかり整えながらやった方が結果的に目の前に集中しやすかったりする…という経験もあるので、今年いっぱいまではこのスタイルでやってもいいのかなぁって思う。
終わりに
漫画の作業をすればするほど、色々と気づきが出てきてまとめるのが大変だわ。これは、日々の気づきも同じだったかもしれん。言語化すればするほど、解ける問題が増えて行くって感じ。日常生活で感じる気づきをある程度言語化しきったと感じたのもここ最近だったから、漫画に関しても同じくらいかかるのかなぁって感じる。なっがいなっがいなっがいわ。