9.5話1ページ目
9.5話の1ページ目が描き終わったので気づいた事の書き出し。
原稿
全体
ページ全体を通して気づいたこと。
全体:コマ割り
コマ割りでちょっと悩んだ。というのも、3コマ目は主人公が横向きに手を伸ばしている構図なんだけど、最初は正面向けようとしてた。ただ、正面向けちゃうと視線誘導的に流れが悪くなるような違和感を感じた。特に、3コマ目は横に長いコマなので余計に流れが悪い気がした。だから、2コマ目と3コマ目を入れ替えることを考えたんだけど、それをすると2コマ目の体育館で練習しているという「状況説明」の役割が薄れる気がしたので、最終的に今の状態になったという悩みがあった。
全体:構図
また、構図も結構気になった。特に、4コマ目と5コマ目は「これでいいのか?」って感じの違和感を感じた。たぶん、4コマ目はぎちぎちで5コマ目はスカスカみたいな余白が気になったんだと思う。描き終わった今も「これでよかったのか?」という違和感が若干残ってる。
全体:フリーハンド
今回の話はおまけ的な側面があるのでフリーハンドのテストしてみたんだけど、全体を通してそこまで違和感は無いのかなぁって思った。粗くなるかなぁって思ったが、固さが減って理想のイメージに近づいた気がする。
コマ
コマごとに気になったことの書き出し。
コマ:1コマ目
ネームの段階だと山なりのシュートが外れる描写だったんだけど、素人がそんな綺麗にシュートを打てるか?って考えて今の弾道になった。あと、描き文字(擬音)とかも優先順位を付けたり、効果線と一緒に使うなど工夫をしてみた。ただ、もうちょいやりようがあるかなぁという印象。
コマ:2コマ目
コマ:2コマ目:パース
2コマ目はネームの段階ではそうでもなかったんだけど、下描きのパースで凄い苦戦をした。というのも、手前に弾むボールを入れて奥に主人公、その奥に別クラスの生徒という並びなんだけど、どうやってパースを取ればいいのかわからなかった。最初は手前のボールを無視して人物でパースを取ったらボールが上手く配置できなくなった。じゃあ、体育館を先に描いて後で人物やボールをそこに載せようとしたら上手くいかずという感じで、凄い苦戦した。最終的には、手前のボールの弾む高さを推測し、ブロックを作り主人公とパース線を結び、それに準じて周りを描いたら上手くいった。って感じで、マジでパースはしんどかった。けど、過去一それっぽいパースが取れたと思う。
コマ:2コマ目:人体
人体は思ったよりそれっぽく描けて驚いた。パース線を引いて背景をある程度決めたことでそのパース上に合わせて人体を描いたからそれっぽいのかなぁって思う。あとは、重心の位置とかを意識してたのも良かったんだと思う。
コマ:2コマ目:役割
2コマ目を描いてて、コマのページにおける役割について意識をさせられた気がする。というのも、このコマでは「体育館にいる状況説明」「他のクラスも練習中(8話での「体育館使用許可」の伏線回収)」「1コマ目でのシュートが誰が打ったか説明」って感じの役割があって、その辺を上手くコマに落とし込む必要があった。そういう役割があったから、パースで凄い悩んだし、2コマ目と3コマ目を変えようとしたけど変えられなかったのかなぁって思う(3コマ目に移動したら高さ無くて体育館にいるという状況説明し辛そうだし)。
コマ:2コマ目:構図
構図でも1つ気になったことがある。ネームの段階ではボールが弾んでいる描写できればよかったから、「ダン」ってボールが弾む擬音を入れて、ボールの落下地点(床)の描写をする予定はなかった。けど、落下して弾む描写が無いのに「ダン」という擬音を入れるのが違和感で、今の落下地点含めた構図になった。この辺もパースを取るのを難しくした原因。
コマ:3コマ目
コマ:3コマ目:役割
このコマでは、主人公を紹介する目的があった。けど、今回の話はおまけの側面が強かったので、全身や大ゴマで紹介する必要がないということで、このコマサイズに落ち着いた。あと、主人公を紹介する目的があったら多分顔は正面向けて視線が一度そこで止まるようにしていたかもしれない。役割次第で構図も変わるのかなぁって思った。
コマ:3コマ目:構図
上にも書いたけど、正面を向かせるか2コマ目の流れを汲んでシュートポーズでいさせるか悩んだ。最終的には横向きのシュートポーズになったんだけど、この構図も結構悩んだ。理由としては、主人公の視線の先にある手。手の練習って後回しにしていて単純に下手くそなんだよね。視線誘導的に主人公が見ている方向に視線が流れるわけで、その流れ着いた先の手が下手くそだと「誘導する意味とは?」って感じで違和感があったので迷った。なので、手に関しては変に目立たないように何回も手直した(手だけに…)。
コマ:3コマ目:手
手を描いてて思ったんだけど、僕が想定していた手と実際の手が大きく異なるのが驚いた。というのも、最初は想像で手を描いてたんだけど上手く行かないから自分で実際にポーズを撮って描いた。そしたら、手前の手が思ったより正面向いてたんだよね。現実と想像だとここまでズレがあるんだなぁってことで驚いた。
あと、女性っぽく滑らかな手を描いたのと、ペン入れではそこまで太く描かなかったからか視線誘導的にもそこまで邪魔にはなっていないのかなぁって思う。
コマ:3コマ目:描き方
このコマは、主人公の大ゴマなのでリアルよりに描いたんだけど、そのリアリティが凄い違和感で何度も書き直した。特に、目。リアリティを出した結果、目が小さくなって僕のイメージから大きく外れた。なので、目を大きくしたり改良したんだけど、そもそも半目(ジト目)のコマというのもあって、どうしても目が小さくなってしまい違和感が拭えなかった。で、最初は他のページも平行して進めていたので、他のページでしっくりくる描き方を研究した結果。目の余白をしっかり確保すれば上手く行くということがわかった。なので、上瞼を横一直線で下瞼を半円って形で目の余白をしっかり確保したら多少しっくりくるモノができた。
って感じで、目に関しては凄い苦戦した。他の作品なんかを見ていても、目の部分は太くしたり、瞼と瞳の間に余白を取ったりという感じで色々と工夫をしていたりするので、そういう余白管理は大事なんだなぁって思った。
コマ:3コマ目:ペン入れ
唯一の大ゴマ?大キャラ?のコマなので、ペン入れは気を付けた。僕の理想が、抽象的かつ平べったい印象の漫画なので、所々で線に余白(空気)を混ぜるように描いて線をぼかし抽象的な印象が出るようにした。特に、目の部分をぼかすことが一番抽象的な印象を与えられそうだったので、目の部分は頑張ってぼかした。という感じで意識して描いたからイメージに近い感じで描けたけど、まだ理想とはほど遠いいかなぁという印象。というか、この辺はキャラクターデザインが関わってきそうだなぁって思った。
コマ:3コマ目:表現
このコマでは、モヤモヤした感情を表すために「モヤモヤ」を描いたんだけどさ、太い線で描いているのが凄く良いと思った。なんというか、キャラクターとモヤモヤを上手く切り分けられているって感じがある。読む上でそこまで邪魔になっていないという感じがしっくりきた。
コマ:4コマ目
コマ:4コマ目:役割と構図
4コマ目はボールを掴み上げるコマなんだけど、なんかしっくり来ない。多分、消去法で決まった構図だからなんだと思う。というのも、このコマは「主人公が移動し、ボールを取りに行く」ことを伝える役割があるコマなんだけど、主人公の全身または半身を出して「主人公が拾っているよ」ってニュアンスを出そうとすると2~5コマ目まで主人公が登場するって感じでうるさい気がするし、引きの構図にすると3コマ目からの流れ的に悪いし、2コマ目と5コマ目、更に次のページの1コマ目が引きの構図なので構図的に多いいって感じで、「じゃあ、アップで主人公映さない構図にするしかないじゃん!」って消去法で決まった構図だからしっくり来ない。
コマ:4コマ目:下描き~ペン入れ
上にも書いた通り、消去法で今の構図になったから不安があった。というのもちゃんと「主人公が拾っている」という描写をする必要があり、下描きとペン入れでそれが表現できるか不安だった。最終的にはそれっぽくなったから良かったんだけど、手しか映らないのに下描きで全身とかを描いて手や足、ボールの位置を考えて描いたりと頑張った。
コマ:5コマ目
コマ:5コマ目:役割と構図
このコマも消去法。というのも、4コマ目でボールを拾った流れを汲んで次のページの1コマ目に繋げるためにこうなった。あと、主人公が一人で練習しているというニュアンスも出したかった。そうなるとこういう風なコマになっちゃうよねって感じの消去法だから腑に落ちねぇ。
あと、全身を映して立たせるにはちょっと高さが低いコマというのも若干気になっている。なので、座らせることも考えたんだけどさ、座ってボールを拾うか?って考えると微妙なんだよね。手足が短い子供ならわかるけど、一応高校生だし、次のページの1コマ目でボールを持って移動するのもあるから、立たせた方が良いよねって感じで今の構図になった。
キャラクターデザイン
キャラクターデザインは別で日記を書こうと思っているんだけど、3コマ目描いてて気になったことがあるので書き出し。
キャラクターデザイン:デフォルメ
僕の考える理想に近づけようと思うと、キャラクターそのものを先にデフォルメしておく必要性があるような気がした。今回で言うと3コマ目の主人公の大ゴマ。下描きの段階でリアリティのある描き方をしてしまっているので、そこからいくらペン入れで抽象的な印象を与える描き方をしたとしても元がリアルよりなので、リアルな絵を抽象的に描いたという印象にしかならない。そういう意味で、キャラクターデザインの段階である程度デフォルメが効いた絵にしておかないと駄目だと思った。なので、キャラクターデザインが大事。つか、そうなると黒目とかで描いたりする必要性もあるのかなぁ。んー、悩む。
総評
今回の話では、漫画的な表現やデフォルメ表現、キャラクターデザインという課題を片付けようとしているから想像以上に大変だわ。けど、フリーハンドは良かったかもしれない。1コマ目と2コマ目は背景がメインのコマだったけど、フリーハンドで描いたことで、柔らかさが出た気がする。あと、下描きの段階で定規を使って線を引いたのもあって、ペン入れでフリーハンドで描いたとしても大きく線がぶれず、可読性も滝ように思う。他にも、全体的に人物やモノの余白をしっかり確保できているから読みづらさはそこまででは無いんじゃないかと思う。
という感じで、及第点ではあるのかなぁって思う。惜しむらくは、1コマ目をもう少し漫画的な表現で可読性を上げるのと、3コマ目の主人公はもう少し上手く描けると良かった。なんか、チカチカする。
終わりに
今回の9.5話は3ページ構成なので、ネーム~下描き~ペン入れを3ページいっぺんにやろうと思ってたんだけど、それぞれのページで問題が発生した。そして、それら問題をいっぺんに解決しようと思うと耐えきれずメンタルブレイクしそうだったので、結果的に1ページずつやることで落ち着いた。
最初は「おまけの話だし、気楽にやろー」って気持ちで始めたのに、やり始めたらこれだよ。9話では絵の練習に重きを置いてたけど、絵に関しては「パースや人体の描き方教えます」って動画がたくさんあったから楽だった。でも、今回の9.5話ってキャラクターデザインや漫画的な表現って感じの個々に答えが違うから答えを自分で探さないといけないという点で9話よりヤバいわ。気楽にやろうと思ってたのもあって落差でメンタルがやられそうになった。更に、パース周りも「パースの描き方(基礎編)」じゃなくて「パースの描き方(応用)」って感じで上手く取れず吐きそうだったわ。お腹の左側もズキズキするわで、9.5話は魔境だわ。
しかも、次のページが一番やべぇんだわ。漫画的な表現のテストで色々とやってるから吐きそう。9話が終わって少し楽できるかなぁって思ってたんだけど、9.5話の方がヤバいとか予想できんて。あと、なげぇわ!毎回、長々と書くのしんどい。お腹痛い。