9.5話2ページ目
9.5話の2ページ目が描き終わったので気づいた事の書き出し。
原稿
全体
ページ全体を通して気づいたこと。
全体:下描き:時間がかかった
今回の2ページ目は下描きに時間がかかった。というのも、「漫画的な表現」「背景」「人体(ポーズ・重心)」「パース」など気を付けることが多かったからなんだと思う。そして、やったことがないことが多かった。なので、どうすれば正解なのか?って感じで考えながら作業してたので時間がかかった。
全体:下描き:固さ
で、時間がかかった分それっぽい絵を描けたんだけど、同時に絵に対して「固さ」を感じるのが気になった。これは、絵の勉強を始めた9話以降でよく感じる。ただ、この違和感は読者目線だと気づかないし、どうでもいい部分だと思う。僕だけが感じていること。
じゃあ、その「固さ」とはなんなのか?って考えると、「頭の中のイメージを現実という型枠に当てはめてしまった固さ」なんじゃないかって思う。というのも、漫画を描く時に頭の中にはざっくりとしたイメージがある。そして、そのイメージを原稿に落とし込むんだけど、最近は絵の勉強をしていることもあって「違和感がなく現実っぽく合理的な絵」という型に当てはめて絵を描いているんだよね。で、この型枠に当てはめてしまうと、頭の中のイメージとはズレが生じ、それが「固さ」を感じさせているんじゃないかって思う。
そう考えると、9話以前って「固さ」が無いんだよね。なぜなら、絵の勉強をしておらず適当に描いているから。むしろ、フリーハンドのふにゃふにゃなので、それは頭の中のイメージそのものだったんだと思う。けど、ここ最近はしっかりと絵の勉強をしてしまったことで、常に頭の中のイメージを「現実的で違和感がなく合理的な型枠」に流し込んで絵を描いている。
だから、「固さ」を感じているとすると納得。そして、これは型枠の完成度が低いという話で、数描いて型枠を調整し続ければ改善できる問題なんだと思う。なので、時間の経過で無くなるんだと思う
コマ
コマごとに気になったことの書き出し。
1コマ目
1コマ目に関しては、パースと人体の描き方が大変だった印象。
1コマ目:構図決め
このコマは、手前の生徒をどういうアングルでどう見切れさせるか?また、キャラクターのポーズや位置などのポーズ・構図決めがちょっと手間だった。ただ、構図自体は前回の1ページ2コマ目と同じで、手前にボール(今回のページで言うと1on1している生徒)と奥に主人公という構図だからその時の経験を使い、手前の生徒の高さを基準にパース線を引いて背景と主人公を描いたから前回と比べるとそこまで苦労はしていない。けど、手前の1on1をしている生徒のポーズや重心などを意識して下描きをするのは大変だった(単純にポーズ描き慣れてないのもあるんだと思う)。
1コマ目:キャラクターデザイン
このコマは下描きがやたらと時間がかかった。上に描いた構図の問題ももちろんあったんだけど、キャラクターデザインが決まっていないことも影響していたみたい。というのも、手前の男子生徒のデザイン何も決めて無かった。1ページ目ではほぼ背景のような存在だったし、9.5話的にも白髪(べたなし)の男子生徒の髪の毛を見て主人公が彼氏(男の子)の存在を思い出すという具合に、男の子を思い出すためのきっかけを作るためのモブキャラだったので「適当に描けばいっか」って感じで軽視してた。けど、2ページ目で思ったより登場回数が多く、適当に描いてしまうと他のコマに影響が出てしまうということで「どうやったら他のコマで違和感がないだろうか?」ってキャラデザを考えながら描いたため時間がかかった。
で、それらを考慮しながら適当に描いた結果、なんかそれっぽい良い感じのキャラが出来た気がする。黒髪の方はもうちょい修正が必要だけど白髪の方は本編でも使えそうないい感じのキャラになった気がする。
ただ、気になった点としては、1ページ目では白髪の男子生徒の襟足部分は短髪黒色にしてたんだよね。だから、それに倣って襟足部分は黒色にしようと思ったんだけど、適当に描いたら単色白髪でも良い感じになっちゃった。それで思った「キャラクターデザインをガッツリしちゃったらこのキャラが生まれなかったなぁー」…と。こういう予想外のキャラが生まれたりするから、キャラデザする気にならないんだよね。まぁ、おかげで時間食うんだけどさ…。
1コマ目:ペン入れ
ペン入れはちょっと線が細い気がした。背景と主人公が3pxで、手前にいるキャラが5~6px。これで描いてそう感じたから、人物の最低は5~6pxくらいの太さの方が良いのかなぁって思う。
2コマ目
ポーズが大変だった印象。
2コマ目:ポーズと構図
このコマの役割的には主人公が男子生徒とぶつかりそうになるという描写をすることだったので、ぶつかりそうという描写に力を入れた。具体的には、主人公の体の反りと重心。男子生徒に関しても1on1中の流れの中でぶつかりそうになるというのをポーズに込めて描いた。なので、前傾姿勢ながら仰け反るみたいなよくわからんポーズで大変だった。
あと、構図で1on1の対戦相手の黒髪の男子生徒を入れて「後ろ!」って叫ばせることも考えた。けど、画面がごちゃごちゃしそうなのと、このコマの役割的には「後ろ!」って叫んで「男子生徒が主人公にぶつかりそうになる」ことを描写するのではなく「主人公が男子生徒にぶつかりそうになって驚く」という主人公の驚く姿を描写することだったので、黒髪の男子生徒の存在は必要な情報ではないかなぁということで入れるの辞めた。
2コマ目:ペン入れ
1コマ目で感じた通り、線の太さを5~6pxに調整して描いた。けど、依然としてキャラが薄い気がする。特に、キャラが重なっている所は線が細いからメリハリがなく「男子生徒と主人公の境界線」が分かり辛く感じ、「ぶつかりそう」って状況説明が伝わり辛いと感じた。
あと、服の描き方も影響しているのかなぁって感じる。なんか、「どれが人体のパーツで、どれが服なのか?」って感じで線の太さ・強弱の変化がないから分かり辛い気がする。そして、その辺を感じ取ったからか、服のシワに影つけてみたんだよね。そしたら服にリアリティが出て「服っぽい」って感じた。だから、このコマは線が細いことでメリハリがなくキャラがぶつかりそうになっている状況説明が伝わり辛いのと、人体と服にメリハリがないという2重のメリハリの無さが状況を伝わり辛くしているんじゃないかって思った。
なので、線の太さだけではなくメリハリや服の描き方とかも重要なのかなぁって思う。
3コマ目~4コマ目
3コマ目~4コマ目のコマはテキスト無しにしている。最初は、「ごめんなさい」「いえいえ」みたいなやり取りをするテキストを置こうとしたんだけど、それをすると3コマ目~4コマ目の繋がりに違和感があった。というのも、テキストを置いてしまうとそのテキストを読むために視線がそこで止まってしまう。けど、3コマ目~4コマ目ってそこまで重要じゃないのと、状況(話)を加速させることが目的のコマなので、僕としては止まらずに駆け抜けて欲しいコマ。だから、視線を止めないためにテキストを置かないことにした。
ただ、吹き出しを用意してその中にテキストを置くのではなく、描き文字ならそこまで気にならないって感じた。それは、描き文字は背景的な扱いだからなんだと思う。描き文字は読んでも読まなくてもどっちでもいいから気にならないんだと思う。逆に、吹き出しの中のテキストは読まないと話の展開がわからなくなる。それは、漫画における人物と同じような存在。だから、吹き出しテキストがあると視線が止まるけど、描き文字なら止まらないから気にならないのかなぁって思った。この辺も上手く利用できると良いなぁって思った。
3コマ目
このコマは上にも書いた通り、話を加速させるためのコマなのでセリフなし。けど、余白の使い方とかが気になった。
3コマ目:人物の完成度
まず、ペン入れのイメージが掴めなかったのが気になった。あまり絵を描き慣れていないのもあるからペン入れどうするかって良く悩むんだけど、このコマは特に「どうすっか」って悩んだ。原因としては、比較対象が無いからなんだと思う。例えば、2コマ目みたいに主人公と男子生徒が重なっているなら「奥の男子生徒を細く、手前の主人公を少し太く描こう」ってペン入れのイメージができる。また、背景があれば背景を細く描いて、人物を太く描くみたいに比較対象があるとイメージがしやすい。けど、3コマ目はキャラクターが全員横に並んでるのと背景無しなので、比較対象が無い。だから、イメージが湧かなかったのかもしれない。
また、キャラクターの描き方が定まっていないのも影響をしていると思う。というのも、今はどう描けばイメージ通りに描けるか?という試行錯誤をしている状態で、キャラクターそのものの描き方が定まっていない。それが背景が無い真っ白なコマで露呈したって話なんだと思う。ただ、これも数こなしていれば改善する問題な気がする。
3コマ目:ミス
あとは、白背景の比率の問題もあるのかなぁって思う。というのも、3コマ目って白背景部分が多いいんだよね。人物より白背景の方が多く、白背景の方が目立っているのがペン入れをし辛くさせているんじゃないかって思う。というのも、「白背景の方が目立ってしまっているから、どうすれば人物を目立たせることができるのか?」って感じでペン入れで調整をしようとしたから迷ったんじゃないかって思う。
そして、これは単純なミス。なぜなら、元々は吹き出しテキストを配置しようとしていたから白背景にした。背景を描いたとしても吹き出しテキストで潰れるから敢えて背景を描かなかった。けど、上にも書いた通りこのコマは話を加速させるためのコマで、吹き出しテキストを置いて視線がそこで止まるのは良くない。なので、テキストは無くした。本来であれば、「テキストが無くなったから、じゃあ背景を描くか」ってなるべきだったのに、それを無視し白背景を放置したことで今回の現象が起きた。という、単純なミスで起きた現象なんだろうね。
なので、次からは最初考えてたことが変わったのであれば、それによる影響を確認して対象するようにしようと思う。
3コマ目:白背景(余白)の意味
また、白背景の取り扱い方も背景や人物や人物のパーツの余白と同じように、気を遣って扱うべきなんだと思った。というのも、どんなプロの作品でも白背景の中にポツンとキャラクターが存在するのは違和感を感じるわけで、白背景の比率が多く目立つ時、その白背景は「何か意味があるんじゃないか?」と疑ってしまう。そして、その疑問に答えられないからモヤモヤして気になってしまうんだと思う。
逆に、人物の方がコマ内における比率が大きい時、白背景(余白)はそこまで気にならない。それは、そのコマは人物が最も目立ち、人物を目立たせる目的のコマだと説明できるから。なので、白背景が目立つ時。人物のコマのようにしっかりと説明できないと駄目なんだと思う。
そして、今回の3コマ目において白背景は意味がない。だから、目立ってはいけない。けど、背景を今更描くのは面倒くさい。なので、その対策として白背景部分の上半分をトーンで埋めるという事を考えた。そうすることで白背景部分の比率を下げこのコマでの一番目立つ要素を人物にすることができる。これは正解なんだと思う。ただ、この失敗を後に活かすために敢えて白背景のまま残すことにした。
このコマでは、白背景の扱いについて考えさせられたね。また、プロの作品で見かけるトーンでコマの上半分埋めている理由がわかった気がした。
あと、もし白背景部分に背景を描いてたらそんなに違和感が無いと感じる理由が気になったが、白背景が「意味ない」というのが問題で、背景を描けば「ここは体育館ですよ」って意味があるから違和感が無いのかなって思った。なんというか、理由付けは大事ですな。
3コマ目:ペン入れ
色々と描いたけど、そんなイメージが掴みづらかったペン入れ。主人公を6pxで描いて、強弱をつけて描いたから少し陰影が強く表れているかもしれない。おかげでメリハリがあるからのっぺりとした感じは無くなった。ただ、描いている時に「陰影が強すぎるかも」って感じた。他の作品を見ていても強弱はそこまでつけていないから、強弱をつけるにしても緩やかに付けた方が良いのかなぁって思う。なんというか、わかりやすく陰影をつけるとメリハリがついて変化があるのはわかるがうるさいって感じた。
そして、この問題は白背景の比率だったから、分かりやすくメリハリをつける必要はないんだと思う。
4コマ目:ペン入れ
4コマ目は、手前の主人公を8px?(覚えていない)サイズで描いて、奥の男子生徒を5~6px、背景を3pxで描いたけど、上のコマと比べて良い感じになった気がする。とはいえ、背景や人物が良い感じで配置されている、かつ小さめのコマということで収まりが良いからそう感じる面もあるのかなぁって思った。(3コマ目で言うなら全てに意味がある状態)
とはいえ、2コマ目とかと比べると明確に線の太さがしっくりくるから2コマ目は明らかに線が細いんだろうね。コマごとにベストな線のサイズがあるということなんだと思う。
また、白髪の男子生徒の描き方がちょっと気になった。というのも、一本線を頭の中心からたくさん生やす描き方で描いたから所々隙間があったり、根元の方は線が重なって毛先に比べて太く濃くなっているんだわ。そういう感じでガッツリ陰影に差があるから「大丈夫かなぁー」って思ったんだけど、そんなに気にならない気がした。それで思った。結構適当に描いてもそれっぽくなるというか「(パースや人体からの位置的に)これは(頭部の)髪の毛ですよ」ってのが伝われば髪の毛をウニフラに変えたりしても問題無いのかもしれない(しないけど)。
ちょうど、放送大学の数学の授業やってて、考え方的に「a×2=a+a=2a」みたいな当たり前なんだけど、当たり前過ぎて気づかないみたいな気づきで良い気づきだなぁって思った。
5コマ目
このコマは個人的に最難関のコマだった。
5コマ目:下描き
このコマは、主人公が「何かに気づく」事が目的のコマだったので、顔にフォーカスするのと、画面的に変化を入れたかったから今まで使って来なかったドアップの描写で分かりやすく変化を付けることを意識した。これは、9話9ページ目のアリさん的な流れを変える役割があるコマなんだと思う。
また、元々は1ページから3ページまでいっぺんにやろうとしていて、このコマは描きやすそうだったから1ページ目の下描きを本格的に始める前に描いていて、お目目パッチリの感じがしっくりきて「それっぽい」って自己満足してた。
5コマ目:ペン入れ
けど、ペン入れがマジで悩んだ。理由としては、こういうドアップのコマ描いたことがない。そもそもキャラクターデザイン後回しにしていて、今まで誤魔化し誤魔化し描いてた。そのため、ドアップのコマでどうやって主人公を描いたら良いのかわからなかった。
5コマ目:ペン入れ:困惑
ドアップのコマの描き方がわからなかったわけだけど、「よくわからんがとりあえず描いてみるか」って描いたらなんかそれっぽくなったんだよね。それが余計に僕を悩ませた。本当に適当に描いたから線がガビガビで左右のバランスが悪いのにそれっぽく見えた。なんというか「何が正解なんだ?」ってわからなくなった。
で、なんでそう感じたかを考えると、「目」のドアップのコマだからどんなに適当に描いたとしても「目」であることはブレないことが影響しているんだと思う。というのも、絵を描くのは何かを伝えるのが目的で、このコマは「目」をでかでかと描いているわけで、どんなに適当に描いたとしても「目」であることは伝わってしまう。
もし、これが引きのコマ。顔全体が映っているコマだとすると、顔のバランスが悪かったりすることで「これは顔なのか?」と違和感を感じる。特に、目のラインが上下にずれていたり、輪郭が左右のバランスが悪かったりすると疑いがち。
けど、このコマは「目」のドアップのコマ。「これは目なのか?」と悩むことが無く「これは明らかに目だよね」ってわかるコマ。「目」であることに疑いようが無いから適当に描いてガビガビだろうと、左右反転するとバランスがおかしくても違和感を感じにくかったんだと思う。
そう考えると、納得。そして、絵というのは「それが何かを伝えるモノ」で、それが何かと伝わるのであればどう描いていもいいって考えは良い気づきだったと思う。
5コマ目:目リハリ
という感じで、違和感の正体がわかったので何度か修正してみた。ちょい太目(8~10px)の線で描いてたら、当然のように「目」であることはわかった。けど、強弱が無いからか「どこまでが目なんだろうか?」って感じがあった。なので、目のアイライン(上瞼部分)を太くして「ここからここまでが目ですよ」って明示する必要性があった。「目」であることが伝わっても、どこまでが「目」であるかを伝えるためには線の太さに強弱をつけてメリハリをつける必要性はあるんだなぁって思った。
6コマ目
他のコマの印象が強すぎてこのコマでは特筆すべきことはないって印象。
6コマ目:下描き
このコマはネームから少し修正した。というのも、ネームのアイレベルがちょっとおかしかった。主人公の視点で見ているのに男子生徒より少し高い位置(200㎝あたり)くらいから見下ろす感じになってて、アイレベルが違うと感じたので修正した…つもりだったんだけど、あんま変わってないかもしれない。あれ?小窓があるから「小窓の主人公のアイレベル」という形で調整したんかなぁ?ちょっと、どうでもいいコマなので詳しく覚えていないわ。多少修正した気がする。
6コマ目:ペン入れ
このコマの前のコマ(5コマ目)の違和感によって混乱状態になったのと、小窓のコマを先に描いてて「どう描けばいいのか?」わからなくなった。というのも、小窓のコマが5~6pxの線で描いたら薄くて、太い線で書き直したり、色々やっていたことで、前半のコマの描き方忘れた。だから、よくわからん。また、小窓のコマ2つがガッツリ重なるコマなのもあって、初体験過ぎてどうしたらいいのかわからなくなった。
ただ、このコマも最初は真っ白な背景だった。3コマ目で描いた通り、白背景だとその白い部分に「何か意味があるのか?」と視線が向いてしまうのと、次の7コマ目でグラデーションを使う予定があったから、このコマはグラデーションを使い「次のコマへの自然な流れ」「意味のない白背景を潰す(比率を下げる)」「キャラクターに視線が向かいやすくする」という意味を持たせてみた。なので、白背景の時よりは良い感じになったと思う。
7コマ目
7コマ目は一番の鬼門だった。5コマ目は下描きは決まってたから最難関だったけど、7コマ目は下描きも決まって無いし、どうやって表現するかも未定だったから鬼門だった。
7コマ目:下描き
このコマは、次のページで主人公が彼氏(男の子)の存在を思い出すコマに繋げることが役割。だから、男子生徒を見て男の子が被って見えるってのを表現する必要性があったんだけど、どうやって表現すればいいのかマジでわからんかった。なので、下描きせずにペン入れに入った。
7コマ目:ペン入れ
ペン入れでは試行錯誤をした。男の子と男子生徒を重ねて半透明にしたり、線の周りにホワイト入れて星座みたいにしたり色々と試して最終的に今の状態になった。で、思った。「漫画を描いている気がしねぇ」と…。どっちかというとデザインだわ。会社でwebデザイナーをやらされた頃を思い出したね(悪夢)。
ただ、漫画だからといって漫画の枠内で考えなくてもいいという意味では良い気づきだったと思う。
コマ:小窓
今回、「漫画的な表現を試してみよう」ということで小窓のコマを使ってみた。というのも、ジャンル的にこの漫画って少女漫画のジャンルのつもりで、少女漫画って自由にコマを使っているイメージだったから小窓を使ってみた。ただ、描いてて思ったんだけど、こんなにガッツリコマに被るような使い方はしてなかったかもしれない。
小窓:1.5コマ目(1コマと2コマの間)
このコマは主人公が目の前に男子生徒の背中が迫っていることを気づかせるためのコマ。小窓なので表示領域が狭く、デフォルメで描く必要があったんだけど、目の部分で少し悩んだ。というのも、最初はべた塗りじゃなくて2重丸のような目を描こうとしていた。けど、小窓で表示領域が狭いのと、「目」を明示するために十分な余白を確保できず、2重丸のような目だと「目」であることが分かり辛く感じた。なので、べた塗りの目にした。そしたら目を目として認識し易くなった。これは、「髪の毛の下に黒い固まりがあるぞ、ということは目か!」って感じで連想しやすくなったからなのかなぁって思う。こういう、表示領域が狭い所だとべた塗りは便利なのかもしれない。
小窓:5.5コマ目(5コマと6コマの間)
このコマは下描きが適当だったからペン入れで苦労した。というのも、デフォルメ表現の正解がわからん。なので、適当にデフォルメ描いて「ペン入れで修正すればいっか」って感じでペン入れ入ったから大変だった。で、下描きのデフォルメ表現はちょこちょこ修正しながら描いてたんだけど、このコマでも5~6pxの線で最初描いたら凄い違和感を感じた。なんというか「薄い(弱い)」って感じ。
なんで、そう感じたのかを考えると、「流れ」的に悪いからなんじゃないかって思う。というのも、前半のコマは線が若干細くなったけど、下に行くにつれて線を調整して太くした。なのに、このコマで急に線が細くなったことで「何か意味があるのではないか?」って勘繰ったんじゃないかって思う。つまり、9話最後のアリさんやこのページの5コマ目のように「流れ」を変えるコマのような役割を意図せず作ってしまったという話。そして、このコマは5コマ目で作った流れに乗っかるコマなので変に目立っては駄目。だから、線を太く調整して違和感を感じないように調整した。
線の太さを変えることでも、変化を付けられる可能性があるのは良い気づきだった。とはいえ、読者目線では伝わらない変化だから、やるなら極端な変化をつける必要があるんだと思う(プロの作品での過去表現や妄想の表現の時の淡い感じがそれなのかなぁって思う)。
小窓:6.5コマ目(6コマと7コマの間)
このコマは役割としてわかりやすかった。なぜなら、7コマ目と連動しているから。このコマで目を細めることで、7コマ目で男子生徒を見て彼氏(男の子)を思い出すという描写を補足することができている気がする。なので、あまり悩まなかった。
また、デフォルメ表現の描き方と、白背景(余白)部分に不穏な感じの空気みたいなのを入れたり工夫した。ただ、髪の毛と眉毛が重なると「滲み」の効果を発揮している気がして、そこは気になった。この辺はキャラクターデザイン周り固めながら考えるかなぁ
その他・反省点
その他気づいたことや反省点とかの書き出し。
反省点:進みが悪いと感じた
今回の2ページ目は全体的に進みが遅かった。原因としては、キャラクターデザインが定まっていないことが原因。主人公はもちろんのこと、周りのモブキャラもデザインが定まってないため、キャラを描く度に立ち止まり考え出すから時間がかかった。とはいえ、試行錯誤をしている段階なのでしょうがない面もある。
あとは、全体的なバランスを見てたのも影響していると思う。というのも、今回のページの目的で「全体的な漫画らしさ」を表現するって目的があった。なので、全体的なバランスとかを見て慎重に作業をしてた。また、体の流れとか色々と気を使っていたのも影響しているんだと思う。それこそ試行錯誤だもんなぁ。しょうがない。
その他:シワ
2コマ目でも書いたけど服の描き方は学んだほうが良いのかなぁって思った。服は袖口がなぜかダボダボになることが多いい気がする。なんでかって考えると、デフォルメよりの描き方をしているからなんじゃないかな?というのも、デフォルメすると顔が大きくなって体が細くなりがち。その状態でぴっちりの服を着せると全体のバランスが悪くなる。なので、服でバランスを取るために袖口をダボダボにさせているのかなぁって思う。とはいえ、もう絵の勉強をしてバランスが良くなっているから、ダボダボにさせる必要も無いと思う。なので、服に関しても勉強をしようと思う。
その他:背景
個人的に一番気になっている点。今回はおまけの話ということもあって、フリーハンドでの背景の描き方を試しているんだけど、なんか背景のクオリティが気になった。フリーハンドで描いたからそれが原因なのかなぁって思ったんだけど、陰影が少ないことが原因何じゃないかって思う。というのも、僕の描く背景って間違いなく陰影が少ないんだよね。縦線や横線を敷き詰めたトーンモドキはあるんだけど、べた塗りの陰影はほとんどない。この辺がクオリティが低くのっぺりとした印象を感じさせているのかなぁって思う。
そして、これによって何が問題かと言うと、背景情報が上手く伝わらないって問題が起きる。例えば、今回は体育館が舞台なんだけど、陰影が少ないため体育館という情報がいまいち伝わり辛い感じがある。辛うじて、バスケットゴールの枠にべた塗りなどの陰影があったりするけど、それ以外に陰影がないのでぱっと見分かり辛い。
また、最も問題視しているのが「学校」。前話の校門前での学校描写が分かり辛い気がしている。なぜなら、のっぺりしているから。そして、次の話はその続きだから学校を描く必要があって、陰影をつけないと情報が上手く伝わらないんじゃないかって思った。
なので、人物やコマの役割の情報を伝える以外に背景情報の伝達周りも意識した方が良いのかなぁって思った。
その他:背景:陰影
そもそもなんで陰影があるだけで、それっぽさが出るんだろうか?一番は、陰影があることで立体感が出るからなんだと思う。のっぺりとした2次元の絵に3次元が追加されるのだから、そりゃそうなんだと思う。そして、プロの絵とは立体感がある絵。人物においても立体感があるわけで、3次元無しにプロではないのかもしれない。
あとは、情報の処理的にべた塗りは楽なのかなぁって思う。漫画内の要素は黒色で構成されている。漫画を読む時には黒色を追って読むわけで、黒い線がたくさんあるよりかは、ある程度黒色がまとまってくれているべた塗りがある方が処理が楽な面はあるんじゃないかって思う(テキストで言う太字的な役割なのかな)。
今回のページも、バスケットゴールのべた塗りがあるのとないのとでは大きく変わる。バスケットゴールのべた塗りがあることで、「バスケットゴールだ」と視覚的に伝え、「ということは、ここは体育館だ」と体育館を連想する手助けをしているような気がする。なので、べた塗りは情報処理を手助けするツールなんだと思う。べた塗りをすることで、情報の伝達を手助けするのだから、意識した方がいいのかもしれない。
その他:背景:懸念
そして、今一番懸念しているのが、次の10話での背景描写。9話の続きなので、当然校門前からスタートをする。そうなると、学校の描写をしないといけないわけで、陰影をつけないと「学校」であることが伝わり辛い。
とはいえ、桜の木も陰影が弱いからごみごみしていて伝わり辛いと感じる。なので、10話のテーマは陰影を使って背景情報を上手く伝えるとかかなぁ。
その他:目標
9.5話3ページ目と10話では「髪の毛」「手」「服」など細かい部分と「伝わる背景」を意識して描こうと思う。ただ、既に3ページ目描き始めているんだけど、「パース」の問題が露骨に出ていて、そっちの方が大変かもしれん。
んー、10話辺りで作画スピード周りを改善する方法を考えようと思ってたんだけど、もう少し先になりそうだわ。来年の目標かなぁ。
その他:気になった点まとめ
- イメージを流し込む型枠がある。
- 白背景も比率が増えると意味を持ちたがる。
- 絵は何かを伝えるのが目的で言語のようなモノ。「目」であることが伝わるのであれば、どう描いても伝わる。
- 漫画だからと漫画の枠内で考えなくてもいい。デザイン的な視点を入れても良い。
- 線の太さで変化をつけられる。
- 髪の毛と眉毛の重なりによる滲みが気になる。
- 服の勉強した方が良い。
- 背景に陰影がない、陰影は情報お伝達を手助けする。
その他:伝えたいこと
絵は何かを伝えるモノって上で書いてふと思ったんだけど、線を綺麗に描くと「綺麗」「美しい」って部分が読者に伝わったりするが、僕はそれとは真逆のことをやっているような気がしたんだよね。で、なんでそれをしようとしないんだろう?ってのが気になった。
ふと思いつく理由としては、絵じゃなくて漫画を描いているからなのかなぁって思う。綺麗な線で絵を描く時って一枚絵を描くみたいな時のイメージがある。漫画でそれをやってしまうと時間がかかるしなぁ。あとは、振れ幅が欲しいからかなぁ。全てを綺麗に描いてしまうと、それが当たり前で変化をつけ辛い。けど、全てを汚く描いて要所で綺麗に描くことで、変化が目立つ。だから、綺麗な線で描こうとしないって考えると腑に落ちるかなぁ。
で、まだキャラクターデザインも固まっていない状態だから、その辺の描き方も後回しにしているって状態だから、別に綺麗に描こうとしていないわけではないし「綺麗」「美しい」ということを伝え宅無いわけでもないのかなぁって思う。
終わりに
長い長い長い長い長い長い長い長い長い長い長い長い!
上に書いたこと全部2ページ目描いている時に感じたわけなんだけど、多すぎるわ!だから凄い時間がかかった。1ページ目を描き終わった時に「2ページ目はやべぇ」って書いたけど、マジでヤバかった。明らかにこのページを作業している時にヤバすぎて体調が悪化したもん。ストレスがえぐかった。この日記の文量がその証拠だわ。日記だったら4,5本くらい書ける気がする。それくらいやばかった。だから、まとめるのも本当に大変だった。頑張った。
流石に今回結構書き出したこともあって、しばらくはこれを越えるような量の振り返りは無いと思う。それくらい今回のページは色々なことをやった。