日記

10話ネーム

10話ネームがマジで進まなかったので書き出し。

進まなかった原因

進まなかった原因としては、ネームと向き合ったのが初めてだから。
9話辺りから勉強しながらやっているが、9話時点ではネームは書き終えていた。
9.5話ではネームと向き合い、色々と考えながらやっているが3ページ構成と短い。なので、(長い)ネームと向き合うのは初めて。だから躓いたのかなぁって思う。

原因:心理描写

特に頭を悩ませたのが心理描写。
今までは、ドタバタ劇などの状況の変化を使って漫画を描いてた。けど、今回の話は心理描写がメインで、それはやったことが無い。しかも、心理描写を認識しておらず、今までと同じように描こうとしたため「何がわからないかがわからない」という状態に陥り上手く進めることができなくなり躓いた。

原因:何を表現したいかわからない

心理描写に気を取られ「何を表現したいのかがわからない」問題も起きた。これは、作品において視覚的に何を伝えたいかという部分。なので、一度書き出した。

【視覚的に伝えたい要素】
・何かを焦っている主人公
・主人公と男の子が彼氏彼女という関係性
・二人の間に誤解があるということ
・誤解のせいで主人公が悩んでいること
・別れを告げる(誤解を解く)
・落ち込んだ状況を壊すオチ

書き出したことで、心理描写と視覚的に伝えたい要素を分けて考える事ができるようになった。

原因:プロット

躓いた原因で、プロットが粗い事も原因だった。
プロットは文章でストーリー展開をざっくり書く作業。
いつもは状況変化(ドタバタ劇)で進めるので、ある程度ざっくり書けばよかったが今回は心理描写というやったことが無い描写をする必要があった。その描写をする上で、今までのプロットの描き方だと粗く、心境変化に齟齬が生まれ、その違和感が気になって先に進みづらかった。

更に、心理描写は作品の中盤にありページやコマが増減すると後ろに影響を与え、影響範囲が広範囲だったため放置できなかった。なので、その部分を言語化し問題解決する必要があったため時間がかかった。

原因:プロット:影響範囲が大きい

また、プロットの方で心理描写をしっかりしておかないと次話以降に影響を与える点も悩ませた。というのも、10話で主人公を凹ませ、11話で解決、12話でオチをつけることを想定しているため、10話での心理描写は文章として言語化しておく必要があった。なので、「何が原因で凹んで、何が解決したから元気になる?」と自問自答を繰り返したため時間がかかった。

詰まった:認識違い

少し関係がないかもしれないが、ネーム書き始める前と後では認識が違った。というのも、10話ネームを描き始める前は背景を描く機会が多いいと思ったが、実際は人物のアップ(フォーカス)するコマが多く、背景は思ったより少なかった。

何故そのような現象が起きたか?それは、心理描写は人物の内面を描写する都合、人物にフォーカスする必要があったからなんだと思う。(背景を描いてしまうと、視線が背景と人物に分散する)

という認識の違いがあったわけだけど、これは心理描写という描き方があることを知らなかっただけなんだと思う。少年漫画で心理描写あんまり見ないしね。大体が新しい敵を出して状況変化させてストーリー展開する感じで、僕もそういう描き方をしていたから今回の認識の違いが発生したんだと思う。

詰まった:人物へのズーム(フォーカス)

心理描写は内面を描く都合、人物にズームする構図が多くなる。そのため、人物全体をコマに収めたり、背景を映すような引きの構図が描きずらい。それで思ったが、「背景を描かないコマ=人物(個)へのフォーカス(心理描写)」「人物全体・背景を描くコマ=コマ(全体)にフォーカス(状況変化)」といった図式が存在するのかなぁと思った。

なんというか、読者も無意識にそれを認識しているのであれば、上手く活用すれば表現の幅が広がると思った(言語化が難しい…)。

詰まった:二度手間

二度手間になるのも上手く進まなかった原因。というのも、上に書いた複数の問題が複雑に絡みあっていて、それを紐解くには実際に手を動かして紐解かないといけなかった。けど、それ自体が二度手間になるので、やりたくないと感じていた。だから、進みが悪かった。

詰まった:まとめ

という感じで、複数の問題が絡まっていたことでマジで進まなかった。そして、それらを1つずつ紐解き、5度の修正をし、最終的に20ページ近くになってしまった。が、とりあえず形にはなったので一度ネームは切り上げた。

(以降は、実際にネームを描いていて気になった点の書き出しや、改善の流れのメモ。)

ネーム1回目

1回目のネームを書き出して気になった点。
1回目のネームは12ページ構成。

ネーム1回目:展開

主人公の勘違いで男の子と付き合っていて、その誤解を解くことがこの話(10話)の目的だった。
なので、1回目のネームでは主人公が彼女のフリをしているが、男の子がそれを疑うというネームを作った。

しかし、男の子は主人公(彼女)に会えてハッピー状態なわけで、その状態で「本当に付き合っているのか?」と疑うかと気になったので、主人公から「誤解なんです」と切り出した方が良いと思った。

また、男の子から切り出す場合は第三者としてラブラブカップルを出し、それと比較し「付き合っている?」と疑うことを考えたが、9.5話でも書いたように第三者を絡ませるとページ数が嵩むというのもあり、ページ数の観点からも主人公から切り出す展開にした方が良いと思った。

ネーム1回目:表現

1回目のネームを書き出したことで、上にも書いた「視覚的に何を表現したいのかがわからない」問題が起きた。以下、それに対する視覚的な対応方法。

・焦っている主人公:汗をかかせるなど焦っている描写。
・彼氏彼女という関係性:9.5話の女生徒×2(モブキャラ)と男の子(彼氏)の会話で説明。
・誤解があること:気まずい主人公と笑顔の男の子などの対比表現で説明。
・主人公の悩み:テキストで強調したり、表情、イメージを使って説明。
・誤解を解く:男の子が落ち込むなどで表現。
・オチ:次の話への引きがオチ。

2回目以降は、これらを視覚的に表現するようにして描くようにした。

ネーム1回目:意識

1回目のネームでは、早い段階(1~2ページ目)で状況を伝えることを意識した。
これは、話の状況を説明することで読者が困らないようにすること。例えば、「舞台(学校)」「設定(学生)」「主人公と男の子の関係性(彼氏彼女)」「どういう状況か(年の差カップル、主人公が焦っている、何か問題があるカップル)」といった状況説明を早い段階で伝えることを意識した。

ネーム2回目

2回目のネームを書き出して気になった点。
2回目のネームは14ページ構成(⁺2ページ)。

ネーム2回目:視覚的表現

2回目のネームを描いていて、手をつなぐ描写が気になった。というのも、手を繋いでいる間は「付き合っている」手を離したら「別れた」という情報を視覚的に伝えられると思ったから。なので、それらはもう少し大きくコマで表現した方が良いのかなぁって思った。

ネーム2回目:心理描写

ネームを描いていて、会話パートがしっくりこないのが気になった。なんというか、テンポが悪い。何故かを考えたら、主人公と男の子のやりとりに面白みが欠けるから。今までがドタバタ劇という状況変化で話を進める描き方をしていたのもあり、会話パート(同じ状態)がダラダラ続くのが耐えられなかった。

ただ、それらは心理描写や心境変化を描く上では必要な工程だと気づき、ここで初めて「心理描写」と「状況変化(ドタバタ劇)」の2つのストーリー展開の存在に気づいた。

また、1回目でプロットが甘かったので、2回目描くにあたりプロットを調整したことで多少描きやすくなった。しかし、心理描写部分が粗いため違和感を感じた。

ネーム2回目:全体

全体的には、結構良い感じで描けた。
1回目と比べると、整合性が取れ合理的だと感じる。
ただ、ちょこちょこ急展開だと感じたり、ページが若干足りないと感じたりした。

ネーム3回目

3回目のネームを書き出して気になった点。
3回目のネームは18ページ構成(⁺4ページ)。

ネーム3回目:ページ数

3回目の修正で4ページ足して18ページになった。
主に心理描写部分でページ数を足した。
未だに、心理描写部分が不服だが、ページ数としてはこれ以上増えない、このページ数内で収まるんじゃないかって感じた。

ネーム3回目:全体

ストーリー展開としては、細かい部分を除いたら全体的にスムーズにはなったと思う。ただ、コマ割り(表現)とかコマの流れが気になった。急展開過ぎたり、表現として弱く感じたり、流れとして辻褄が合わないと感じる。

しかし、心理描写が始まるまで(~8p)の流れや、終わった後(誤解を解き別れた後)の流れは良いと思う。なぜなら、状況変化という今までやってきた(慣れた)展開だからなんだと思う。なので、心理描写部分だけが未だに違和感。

ネーム3回目:前から詰めたい

また、3回目を描いてて前から順々に固めたいと感じた。
理由としては、前から確定させていかないと、コマやページが増えた時にそれ以降が全部ズレるし、ページごとにも役割がありその役割もズレるから。なので、中盤の心理描写のコマはマジで重要だと感じた。

ネーム3回目:役割

3回目である程度ページ数が落ち着いたので、ページごとの役割などを書き出したりしたが、あまり意味がないというか「見ればわかるなぁ」と感じたので途中で書き出すの辞めた。これは、ある程度視覚的に表現できているということなのかもしれない。

ネーム4回目

4回目のネームを書き出して気になった点。
4回目のネームは19ページ構成(⁺1ページ)。

ネーム4回目:重要

4回目でようやく形にはなった。けど、誤解を解く場面は急展開に感じ、ページを足さないといけないと感じた。また、別れを切り出す部分のはページを足さないと駄目だと感じた。なんというか、3ページくらいかけて展開しないと心境変化を描けないと感じた。

なんでそう感じるか?を考えると、他と差をつけたいからなんだと思う。他のページと比べて少し大きくコマを使って差別化したい(可読性も上げたい)。また、男の子が別れを受け止めるコマは、桜吹雪を雪のように表現して心情を描写し印象づけたいと感じた。そして、その桜吹雪を雪に見立てるコマを一番印象強く残したいので、そこに至るまではじっくりと時間をかけて変化させたいというのもあった。

なので、1ページ追加して19ページになった。

ネーム4回目:イメージ

心境の変化の表現はネームだと難しいと感じた。理由としては、ネームのアタリ(丸描いて十字)だと表情がいまいち掴めなかったりしてイメージがし辛いから。なので、ネームのアタリの解像度を上げる、例えば準下描きレベルで表情や輪郭や髪型などキャラクターがわかるように描かないとダメかもしれない。

その反面、前後半にあるドタバタ劇(状況変化)であれば、現状のネーム(アタリ)でも十分だと感じる。なので、心理描写のような抽象的なモノを扱う時は一定以上の解像度の絵が必須なんだと思う。

ネーム5回目

5回目のネームを書き出して気になった点。
5回目のネームは19ページ構成。

ネーム5回目:男の子の反応

最後まで、男の子が主人公から別れを切り出されて、どのような反応をするのが正しいかで悩んだ。「(本当のことを言ってくれて)ありがとう」や「(今まで)ありがとう」などを考えたのだが、子供がそんな大人びた行動を起こせるか?長い間付き合ったわけではないから「ありがとう」と言うのはおかしくね?という感じでどうにも腑に落ちない。

ネーム5回目:まとめ

とりあえず、5回目の修正をしてネームが完成した。細かい流れやコマ割りで気になる点はあるんだけど、上にも書いた通り現状のアタリだと心理描写部分はイメージができないので、準下描き作業の方で調整しようと思う。

全体的なストーリー展開としては、問題が無いんじゃないか?と感じるので、とりあえず、ネームは終わり。

終わりに

心理描写部分がマジで悩んだ。その反面、心理描写以外はサクサクと進んだ。なので、今回の問題は心理描写部分だったんだと思う。

また、この心理描写部分は10話で終わらずに、11話と12話にも影響を与えるため、かなり注意して描く必要があった。なので、主人公の心理状態を言語化して論理的におかしくないようにしたんだけど、描いてて「これ伝わらなくね?」って思った。というのも、セリフで説明するには限界があるし、視覚的に表現しようにも抽象的なので限界がある。だから、どうあがいても伝わらず齟齬が発生し違和感を感じてしまう気がした。この辺は次(準下描きの日記)で考えてみようと思う。

で、ネーム描いてて思ったことがある。この漫画は一応少女漫画のつもりで描いているんだけど、それは「少女漫画が少年漫画と比べて背景が少なくて描きやすい」という話を聞いたことがあるから。僕は絵を描くのが苦手なのもあり、極力絵を描かなく済む少女漫画を描いた。けど、今回この話を描いてて心理描写が多いいから背景が少なく済むんだってわかった。逆に、少年漫画はそういう心理描写が少なく状況の変化で話を展開するから引きの(背景が入った)構図を描く必要があるのかなぁって思う。

そうなると、僕の漫画は少女漫画というジャンルではないんじゃないか?って感じた。僕のやっていることって状況変化で進める少年漫画の手法なんだよね。背景も結構しっかり描くし、心理描写も今回が初めてだし、絵に関しても少女漫画のものではない。LGBTみたいに性別は男だけど女ですって感じで、自認でいいんすかね?悩む…

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