10話ラフ
10話のラフを描いていて気になった事の書き出し。
最初に
本来ネームを描いたら下描きに入っちゃうんだけど、今回の10話は「心理描写」があり、それを描く上でネームの状態だとイメージがしづらいからネームと下描きの間の作業であるラフを描くことにした。
ラフのイメージとしては、丸十字のアタリではなく表情とか人物の形がある程度わかるようなラフ。
手が止まった
で、実際にラフを描き始めたんだけど、手が止まったわ。なんでかを考えると絵を描くからっぽい。というのも、僕は絵を描くのが嫌い。ネームであれば問題無かったんだけど、ラフは絵を描く行為と認識したから手が止まったんだと思う。
また、理想が高くなっているのも原因なんだと思う。僕は描けば描くほど絵が上手くなっていると感じている。今回の10話はネームで時間がかかったのもあり、絵を描かない期間が発生した。その期間中に理想が高くなり自分に期待をし「その期待に応えられるのだろうか?いや応えられない」って自信が無くなったことも手が止まった原因だと思う。なので、youtube動画をバックグラウンド再生して、期待に応えようとする意識(理性)には退場してもらい「とりあえず手を動かす」ことで対応した。
以下は、実際に手を動かしてみて気づいたこと。
心理描写
今回、ラフを描いていて中盤に心理描写、それを挟むように前後にいつも通りのストーリー展開があった。特に、心理描写周りで色々と気づきがあったので書き出し。
ラフを描いたことでの変化
ストーリー展開部分はネームの段階で納得していたが、ラフを描いたことでより腑に落ちた。また、心理描写部分はネームの段階でイメージができなかったが、ラフを描き表情などがわかるようになると少しづつ腑に落ちた。なので、心理描写部分は表情を含めたより解像度が高い情報(ラフ)が必要だった。
心理描写の範囲
心理描写を描いていて、「どこまで説明すればいのか?」って部分で悩んだ。というのも、主人公の心境を全部テキストで説明するのも野暮だし、かと言って心理描写を視覚的に表現するにも限界がある。また、全てを表現しようと思うとページ数が嵩むので現実的ではない。とはいえ、端折ると主人公が唐突に心境変化が起きたように感じ違和感。なので、「どうしたらええねん!」って思った。
妥協
これに関しては妥協するしかないのかなぁって思う。まず、僕は漫画を勉強をしている身でアマチュア。プロではないので現状そこまで対応するのは不可能。また、そこまで気にして読む人は現状いないと思う。多くの読者はサラッと読み進める。僕も同じで心理描写部分はサラッと流して読み進める。そういう部分を気にするのは、編集者とか単行本を買う層だと思う。なので、今の僕としては「心理描写部分が結構大変」という事実を知り、それを気にして作った。これだけで十分なんだと思う。
あと、重要なのは視覚的に情報を伝えること。「主人公の葛藤」「主人公と男の子が別れる」これが心理描写部分で伝えたいことだから、それが伝わっていればとりあえずはokなんだと思う。
無駄なこだわり
また、この悩みは無駄なこだわりなのかもしれない。この悩みは「僕が納得できるかどうか」というのが重要で、それは読者からすると伝わらない。だから無駄。例えば、8~9pの展開が唐突に感じていたが、僕の中でこの唐突な心境変化を次の話(11話)辺りで回収する、と決めたら違和感が無くなった。それは、唐突に感じる心境変化を「僕の中」で腑に落とせたから。けど、読者からするとそれはわからない。
そういう、読者目線では見えない無駄なこだわりが僕は多いいと思う。とはいえ、足元を固めながら進んだ方が良いのは間違いないし、こうやって言語化しておけばクライアントや読者に説明も可能。お金を快く払いやすい作品を作れる可能性があるのだから将来的には無駄ではないんだと思う。ただ、今は無駄。(だって伝わらないし)
わかんねぇ
心理描写部分がとにかく大変なんだけど、14p目の主人公と男の子が別れるシーンは最後まで決まらなかった。というのも、何がベストなのかがわからない。男の子は子供だし、「別れる」って言われて泣きながらダッシュで帰るとか考えたんだけど、なんか違和感。なので、視覚的に男の子が立ち去る描写をせずに、空などの背景にテキストで「さようなら」がベターなんじゃないかって考えるんだけど、そうすると「絵」で魅せることが重要になって、それに応えられる自信がない。なので、14pだけは放置。
視覚的表現は難しい
心理描写における、視覚的表現ってどうするのが大事なんだろう?今回で言うなら、男の子の心境変化に関しては桜吹雪を雪に見立てるなどして「その心、冷めてるね」って感じで、視覚的に表現をすることを意識してみた。また、すれ違いを視覚的に対比させてみたり、文字を強調することで情報が伝わりやすくなるよう工夫をしているが、限界がある。
書いてて思ったが、僕は日々の気づきについて考えることが多いい。それらは抽象的なことが多く日本語(言語)に当てはめるのが難しいと感じる。それと同じで、心理描写も抽象的なため絵という視覚的な言語に落とし込みづらいのかなぁって感じる。日本語のような言語なんかであれば、「例え」を用いることでわかりやすく表現できる。今回の桜吹雪を雪に見立てるのは正にそれで、日記と絵は似ているのかなぁって思った。
なんというか、結論「デザイン」なのかなぁって思う。ページごとにデザインして、それを見てユーザーにどう伝わるのかを考えて作る必要がある。漫画を描いていると一度挫折したWebデザインが出来そうな気がしてくるわ。
そもそも論
ラフを描いてて、そもそも「別れを切り出すのが正解なのか?」ってストーリー展開をひっくり返す元もこうもないことを考え出した。これは、10話の心理描写がピンと来ないのと、オチである12話の展開が腑に落ちないからなんだと思う。けど、10話としては「主人公が凹む」というのが重要なので、それを表現する上で「別れる」はわかりやすい。だから、展開としては正しい。(自信喪失してたのかな)
心理描写:終わりに
マジで心理描写難しいわ。これ、プロで出来ている人っているんかなぁ?全部説明するわけにもいかないし、全てを視覚的に説明するって無理だと思うんだよね。それに、漫画家って絵を描くのが大変なわけで、時間が無いからそこまで考えて作れないと思う。仮に原作があるとしても、テキストだけで心理描写って無理だと思う。だって、人間で何が楽しいのか?なんで悲しいのか?って感情を言語できる人って見たことがないしする必要もないから。更に、そういう心理状態は抽象的過ぎて適した言葉が見当たらなかったりする。なので、無理じゃね?って思う。
実際、少女漫画ってそういう心理描写が多いいイメージだけど、少年漫画ほど売れてないんだよね。それも心理描写が滅茶苦茶難しくて、違和感を感じさせずに描くことが不可能だからって考えると納得。なんというか、踏み込んではいけない分野なんじゃないかって感じた。
その他
心理描写以外で気になったことの書き出し。
気になった:軸が分かりづらい
今描いている漫画ってコメントがあまりないんだけどさ、最初は4コマでやっていてその時は今と比べてコメントがあったんだよね。それがなんでかって考えると、シンプルなラブコメだったからなんだと思う。最初は、高校生の主人公と小学生の男の子が付き合うって話で「可愛い彼氏とそれに振り回される主人公」という話だった。単純にわかりやすいってのが重要だったんかなって思う。
ただ、単純に描いてて面白くなかった。なんでかって言うと日常を描く都合オチというオチが無いから。なので、オチがあるストーリー展開の漫画を描き始めたんだけど、そしたらコメントが無くなったし、お気に入り登録も解除された。それで思った。「あ、僕が描きたいモノと読者が望んでいるモノには乖離があるんだなぁ」と。まぁ、当たり前なんだけどね。
同時に、今の作品って状況変化が目まぐるしくて読み応えはあるように思うんだけど、柱がないなぁって感じる。4コマであれば「可愛い彼氏とそれに振り回される主人公」と軸がわかりやすかったんだけど、今のストーリー漫画って「田舎から出てきた主人公」を軸にするには田舎感ないし、「可愛い彼氏とそれに振り回される主人公」を軸にするには2人の接点が少ない。また、「主人公」を軸にするには主人公がストーリー展開に振り回されていてブレちゃっている。辛うじて「ドタバタラブコメディ」が軸になっている気がするけど、それでも弱い気がする。という具合に、ストーリー展開に重きを置いた結果、軸という軸が無く(薄く)なってしまった気がする。
この辺は、絵の方がある程度描けるようになって、絵の問題が解決してから考えるかなぁ。
問題点:男の子が去るシーン(14p)
男の子が去るシーンは上にも書いたけどマジで悩んだ。色々考えたけど、無言で去るはないのかなぁって思う。なぜなら、キャラ設定上そういうキャラではないから。だとすると、「ありがとう」や「さよなら」なんだよなぁ。で、「さようなら」が一番適当だとは思う。「別れた」という状況を視覚的に説明する上でもわかりやすいし。
ただ、10話まで”連載”をしている身としては、伏線張れてないけど「ありがとう」なんだよね。とりあえず、今の段階だと「さようなら」にしておこうと思う。
そして、唐突に「さようなら」だと違和感があるから、一度男の子にカメラを向ける必要がある。なので、「さようなら」の前には男の子が映るコマを用意する必要がある。つまり、「男の子→さようなら」という状況説明が必要なので2コマはそれ。あとは、主人公が「ごめん」と再度謝るシーンかな。
この辺は、視覚的な表現とかが絡んでくるから1ページごとに下描きとペン入れしながら様子を見ようと思う。なので、14pはそれまで未確定。
終わりに
ネームやラフを描いていて、あとは絵の問題なのかなぁって感じる。心理描写部分でも解像度が高いラフじゃないとイメージができなかったし、視覚的に落とし込むのが重要だった。なので、絵の部分の問題は大きい気がする。
とりあえずネーム周りでは諸々言語化できたので、10話では絵を普通に描けるレベルに持っていきたい(19ページあるし…)。何が普通かって言うと、「暇だわー絵描くかー」って感じで手軽に絵を描けるようにしたい。とはいえ、日記周りも「暇だわー日記描くかー」とはならないので、コワーキングスペースに行ったら集中できる程度の絵に対する苦手意識を克服したいって感じかな。たぶん、「とりあえず手を動かす」って行動を容易に取れるようにしたいのが目的って感じ。
あと、こういう作業する(ラフ描く)たびに気づいたことを書き出すやり方は流れに一貫性が無いからまとめるのが難しいわ。書いていて話が急に変わったと感じたりする。心理描写部分も同じように急に話が変わったように感じるわけで、それは一貫性の無さが影響しているのかもしれない。というか、人間の心情は結構色々なことが絡んでいて一貫性が無い気がするから、この日記のように一貫性が無いが故に視覚的に落とし込みづらい(まとめづらい)のかなぁって思った。そう考えるとやっぱ心理描写は無理なんじゃね?って思う。
疲れたー
とりあえず、下描き入る。