日記

10話1ページ目

気になったことの書き出し。

原稿

書き始め

作業を開始時に感じたことの書き出し。

作業をしたくない

今回も作業をしたくないって感じた。ただ、いつもの絵を描くのが嫌いだから描きたくないではなく、色々な問題が絡み合ってたことによる描きたくないだった。具体的には「アイレベル」「コマ内の余白の使い方」「ページ全体のバランス」「人体の構造」といった問題点が複数あり「どこから手を付けたらいいんだ」って感じのやりたくないだった。

絵という言語

動画をバックグラウンド再生しながら上の問題について考えてて「絵を描くというのは言語に似ているな」って思った。というのも、日本語や英語という言語があるけど、それらを使う時は「他人に何かを伝える」目的で使われる。絵に関しても「誰かに何かを伝える」ために使われていて、同じコミュニケーションツールなのかなぁって点で似ていると思った。

実際、僕が描いている漫画は僕自身「面白い」と思っているんだけど、それが十分伝わっているとは言えない。感覚的には英語が近いのかなぁって思う。言いたいことはあるんだけど単語や文法表現が出てこないから上手く伝えられないってやつ。そうなると「英語を話したくない」と思うわけで、絵に関しても同じように「面白さ」を伝えたいけど上手く表現できないってもどかしさがあって、それが「作業をしたくない(漫画を描きたくない)」って思わせているのかなぁって思った。

とは言え、日本語でも上手く伝わらない時ってのはあるわけで、そういう時には「どうすれば伝わるのか?」って考え、「日本語を話したくない」とはならない気がする。なので、絵や英語にしろやることは「やりたくない」ではなく「どうすれば伝わるのか」を考える事なのかなぁって思う。

不自由さ

作業を本格的に開始し出して、コマ枠内に絵を収める不自由さを感じた。ただ、描き進めると消えた。なんでなのかを考えると、コマ枠の有無が影響している気がする。と言うのも、今回のページにはコマ枠があるコマと無いコマが混在している。右下の主人公の大ゴマにはコマ枠が無いし、他のコマにはコマ枠がある。「主人公の大コマにはコマ枠がないじゃん!」という対比から「コマ枠内に収める不自由さ」を感じたのかもしれない。

また、このような表現は初めてなのと、全体的にイメージが固まっていないことも影響がある気がする。今、2ページ目の下描きを始めているんだけど特に不自由さを感じないからコマ枠の有無の影響の方が大きそうだけど。

コマ

コマごとに気になったことの書き出し。

1コマ目

1コマ目で気になったことの書き出し。

役割・目的

このコマは舞台が「学校」であることを表す役割を持っている。であれば、学校単体を映した方が良いとも考えたが、2コマ目で登場キャラ(3人)を描こうと思うと学校単体の描写より「手前に登場キャラ+奥に舞台が学校」の方が自然だと思いこの構図にした。

下描き

人物は重心や体の構造などを意識して描き、背景に関してはざっくりと描いた。描いてて思ったが、手前の人物より奥の「学校」の方が重要なのだから、奥の学校をもう少ししっかり描いた方がいいのではないか?と感じた。また、前回(9話)で学校の構造周りで色々と思うことがあったんだけど、あまり改善されてい無いように感じた。

ペン入れ

このコマでは見せたいのは学校なので、学校が目立つように陰影をつけた。また、手前の人物に視線が流れないようにトーン処理をかけるなど工夫をしたからイメージに近いモノができた。けど、トーン処理をしなくても手前の人物ではなく学校に視線が流れると感じた。それは、意図していないのでトーン処理を外したら人物に視線が流れるように輪郭を濃くするなどの加筆などを行った。(それでも微妙)

描いていて陰影が濃い方に自然と視線が流れると思った。このコマの場合は学校が最も陰影が濃い。だから、手前のキャラや桜並木には視線が流れ辛いのかなぁと思った。陰影の濃さで視線を誘導できるという気づきがあったのでメモ。

あとは、空の雲についてはもう少しクオリティ上げた方が良いと思った。今までと同じように描いたのだが、アップロード後に雑さが目立った。これは、全体的なクオリティが上がったせいで悪目立ちしたのかなぁって思う。

反比例

なんで全体のクオリティが上がると、低クオリティの雲が目立つのか?いや、クオリティの問題以前に単調なシルエットの問題な気がする。と言うのも、桜並木も結構適当。だけど、単調な線ではなく細かく不規則な輪郭線のためシルエットがそれっぽく見える。雲に関してもシルエットが単調でなければ、そこまで違和感を感じなかったんだと思う。

また、雲が「無形」であることも影響しているんだと思う。現実の雲の形は形容し難い、にもかかわらず僕の描いた雲は形をきちんと捉えられている。そういう、現実の雲のシルエットとはかけ離れているから悪目立ちしているのかなぁって思う。なので、次から雲はぼかす。

構図的なわかりやすさ

このコマは構図的に分かりやすさがあると思った。というのも、「人物、道、桜並木、校舎、空、」がそれぞれ独立しているように見えるし、フリーハンドと定規が交互に来ているからか境界がハッキリしている(気がする)。だから構図的に分かりやすいと思った。けど、時間が経つとそうでもないって感じた。

学校

このコマで最も重要な要素が「学校」だったんだけど、適当に描いてもきちんと学校であるというのが認識できるのが気になった。というのも、「何を基準にこれが”学校”であると判断しているのか?」が気になった。なんなんだろうか?窓の多さ、3~4階建ての建物、シルエット、時計、桜並木や全体的な雰囲気。どれを基準にして学校であると認識してるんだろう?また、海外の人が見ても「これは学校だな」って理解できんかな?って気になった。

たぶん、建物(学校)単体だと認識できない気がする。そうなると、如何に「これは学校である」ということを示唆するような情報を入れるかなんじゃないかって思う。そういう意味では今の1コマ目には「学校」であることを指す情報が多いい。その辺も考えてこの構図にしたとすると流石に考えすぎな気がする。でも、重要な気づきだと思った。

2コマ目

2コマ目で気になったことの書き出し。

役割と目的

このコマは登場キャラの顔見せや状況を視覚的に説明するのが目的。

下描き

このコマでは男の子の顔が一番目立つように描いた。なので、表情が分かるように正面顔になるようにアングル調整したり、他の女生徒と比べて大きくなるように工夫した(つもり)。ちょっと構図的な難しさがあって、何度か描き直したがそれっぽくなった。

ペン入れ

背景の桜並木は結構適当な感じで描いたがそれっぽくなった。やっぱりシルエット(木の幹)が大事なんすかね。けど、人物が問題だわ。特に、キャラが重なって境界線が分かりづらいのが気になった。これは、線が多いいことが問題なんだと思う。なので、女生徒の方は線を減らすべきだと思った。

線を多くする理由

そもそもなんで線が増えるんだろう?描き込む時を考えると、それを明確にしたい時に描き込むことはあると思う。例えば、2コマ目の「桜の木モドキ」を描き込むことで「桜の木」であることを明確にする。これは「桜の木」であることが重要であれば描き込むべきなんだけど、このストーリーにおいて「桜の木」であることを明確にする必要はない。だから、描き込まなかった結果「これは、桜の木っぽいなぁ」という認識にとどめている。

人物の描き込みが増えるのは、「これは人物です」と明確にしたいからなんだと思う。そういう意味だと男の子に関しては、主役なので描き込むのは正しい。けど、女生徒に関してはストーリー上重要ではないのだから描き込む必要性はない。

という具合に、何を強調(明らかに)したいのか?が明確になっていないから女生徒の方も線が多くなっちゃったのかなぁって思う。これも、気づきかな(メモ)。

3コマ目

3コマ目で気になったことの書き出し。

役割と目的

このコマでは、主人公を大ゴマでぶち抜くことで「これが主人公です」と明示するのと、その主人公が何か焦っている状況を視覚的に伝えることが目的。

下描き

このコマはマジで描き辛かった。なんで描きづらかったのかをまとめると以下。
・アクションシーンあまり描いたことない
・大ゴマで他のコマに被る表現の経験あまりない
・若干三点透視気味
・下半身が見切れていることで全体のバランスが取れない
・煽りの顔が難しい
・走っている時の髪の描き方がわからん
って感じ。また、下描きだけだと完成イメージがわからなかったのでとりあえずペン入れしてみた。

ペン入れ

下描きをペン入れしながら修正し、それを再度ペン入れすることでそれっぽくなった。下描きから大きく変わった点としては髪の毛。下描きの状態だとオールバックにしてたんだけど、ペン入れするとマジで可愛くなくて「あ、これは駄目だ」って感じた。なので、他の漫画を参考に一部だけオールバックみたいな感じで表現したらそれっぽくなった。前髪って大事なんすね。

前髪の重要性

現実世界でも前髪が結構重要だったりする気がするんだけど、なんでなんだろう?なんかの番組でアイドルが触覚ヘアーするとフェイスラインが隠れて良い感じになるって言ってたから、前髪も下向きの集中線的な役割があって、目を強調するみたいな意味があるんかもしれない。

今回のオールバック可愛く無い問題は、毛を刈った後の動物に似た違和感がある気がする。動物って毛を刈られると凄い細くなるんだよね。それって、普段見ている動物じゃないから凄い違和感あって、可愛いじゃなくて可哀想(寒そう)って感覚になる。それと同じで、オールバックにするとあるはずのモノ(前髪)が無くなるから似たような違和感を感じて可愛いって思えないのかもしれない。

また、漫画やアニメのような2次元の世界で前髪が無いヒロインって見たことがないわけで、そういう前髪はあるものって価値観が先行しているのも影響しているんじゃないかって思う。実際、2次元の世界の髪の毛ってハリガネでできているんかってぐらい崩れないから、オールバックにすること自体が間違いなのかもしれない。だから違和感を感じたとすると納得かな。

アクションシーンのペン入れ

ペン入れを2回したんだけど、1回目の方が良かった感じた。というのも、1回目の線って下描きを修正しながらやってたから線に荒々しさがあったんだよね。で、このコマの主人公は走っているというアクションをしていて、その躍動感と荒々しい線がマッチしてたんだと思う。なので、2回目に丁寧にペン入れしたことでその荒々しさが消え、1回目の方が良かったって思ったんだと思う。

光沢無し

描いてて思ったんだけど、髪の毛とかに光沢を入れようと思わないのが気になった。なんでかを考えると、髪の毛に光沢を入れるのは上に書いた「線を多くする」行為で、そのキャラを強調する意図があるんだと思う。けど、主人公単体のコマだし、アクションシーンだし、コマ枠に被ったりという感じで強調しなくても目立つ。だから、入れようと思わないかのかなぁって思う。

これは、別のページでも同じ現象が起きたら再度言語化すればいいかな。

4コマ目

4コマ目で気になったことの書き出し。

役割と目的

このコマは、立ち位置などの状況説明をするのが目的。ページ内ではクッション的な役割を担うコマなのかなぁって思う。

下描き

このコマは遠近感がちょっとしっくりこなかった。下描きの段階で、人物の大きさや建物の大きさがきちんと考えられていないから、ペン入れでそれが露呈したと感じる。遠近感に関しては、1コマ目でも同様に苦しんだ。なので課題かなぁ。あと、もう少し正面向きのアングルにしたかったかも(パースも課題)。

三角比

遠近感の取り方が苦手なんだけどさ、三角比を使ってきちんと計算をした方がいいんじゃないかって感じた。例えば、1階が3~4mで4階建てだと12~16mなので、距離が50mだとすると大体30㎝前後で見えるって感じでサイズ感を導き出せる。なので、次からは三角比を使って計算して導き出すなど試してみようと思う。

役割不足

次のコマ(5コマ目)を描いてて思ったんだけど、ここのコマで男の子が立ち上がる描写をしておくべきだと思った。というのも、次のコマで「バッ」って立ち上がる描写をしているんだけど、アクションシーンではなく男の子の存在を明示するためのコマなので、効果線や効果音が絵とミスマッチしているんだよね。なので、立ち上がる描写をするのであれば、このコマでやっておけば良かったという反省。

ペン入れ

ペン入れは悩んだ。というのも、人物をどの程度の濃さで描けばいいのかがわからなかった。というのも、このコマの人物は背景とガッツリ被るので、線の太さを分ける必要性があったんだけど、手前の人物を先に描く時「どの程度の太さで描けば良い感じになるのか?」がわからなかった。結局、人物のペン入れ→背景のペン入れをした後に、人物を加筆したり描き直したりと二度手間の作業を行った。背景から描いた方が良いこともあるのかなぁという話。

描き直し

背景の校舎は一度定規を使って描いたんだけど、1コマ目と同じ感じで陰影を強く校舎を描いたら、手前の人物以上に校舎が目立ってしまい、コマの役割である「状況説明」ではなく「舞台(校舎)説明」になってしまった。なので、校舎をフリーハンドで薄く描き直すことで、手前の人物に視線が流れるように調整した。

フリーハンド

校舎をフリーハンドで描き直したわけなんだけど、定規を使って薄く描き直すのでもいいんじゃないかって思った。が、一応理由がある。というのも、桜並木と校舎を一括りの「背景」として扱いたかったから。このコマにおいて背景はそこまで重要じゃないから、ひとまとめにして処理しちゃいたかったんだよね。定規を使って描いてしまうと、桜並木と校舎は独立した背景になる感じがあって背景の情報が2つになる。だから、一括りの背景として処理したかったからフリーハンドで描いたんだけど、別に定規を使ってもよかったんじゃないか?って葛藤がある。ちょっと答え出せないから後で試してみようと思う。

視線の流れ

視線の流れはより濃い(黒い)方に流れるのかなぁって思った。というのも、校舎を1コマ目と同じで描いたら手前の人物に視線が流れ辛かったからそう感じた。ただ、主人公の髪の色は黒色なんだよね。だから、一方的に校舎に視線が流れのは違和感があった。また、桜の木の幹も気泡が混じっているけど黒色で、校舎に視線が流れて桜の木の幹に視線が流れないのは不思議だった。

なので、考えてみた。視線は「規則性のある黒い塊(校舎の陰影)、不規則な黒い塊(べた塗りの髪の毛)、気泡の混じった黒い塊(木の幹)、それ以外(べた無し)」という優先順位で遷移するのかなぁって思う。そう考えると、手前の男の子に視線が流れ辛いのも納得。だって、背景の木の幹と被っていて、最も視線が流れ辛い優先順位だから。

一応、男の子と背景の間に白い色のぼかしを入れて対策しているんだけど、もう少し大きくしないと駄目だったかもしれない。それくらいべた無しの男の子は目立たない。これは、反省点。

5コマ目

5コマ目で気になったことの書き出し。

役割と目的

このコマの役割は、主人公と対になる登場人物が男の子であるということを明示するのと、焦っている主人公と対比して嬉しそうな表情から何かあるのではないかと含みを持たせるのが目的。

下描き

嬉しそうな顔を描いたら、なんか可愛いらしさが出てしまった。このコマも3コマ目と同じで、下描きだけだとピンと来ないからペン入れで結構修正した。

ペン入れ

最初に、下描き通りにペン入れをしたら凄い違和感があった。というのも、キャラが薄くて認識がし辛かった。これはキャラの線が薄くて、髪・顔・体のパーツが認識しづらく、境界線が曖昧で、ぼやけてみえるような感覚だった。なので、個々のパーツがきちんと独立して見えるように、線に強弱をつけたりして調整した。

目の強弱

線に強弱を付けたんだけど、目の輪郭(アイライン)部分に強弱をつける(入り抜きをしっかりし)たら違和感があった。というのも、僕が目指しているのは「とりあえず伝わればいい」で、抽象的にしたい。けど、強弱を付けると「目」が強調されて具体的になる。言い換えるなら、ゴシック体のフォントで構築したいのであって、明朝体のフォントでかっちりした印象を残したいわけではないという感じ。なので、目の強弱は瞳の部分だけにして、アイラインにはつけないように調整した。

髪の毛

髪の毛に関しても何度か修正した。というのも、男の子はツンツンヘアーで凹凸が激しいんだけどさ、凹凸の変化が激しいと悪目立ちする感覚があったので凹凸の変化量を少し減らした。また、男の子は毛先を強調するような線を入れているんだけど、これをすると髪の毛の輪郭線を強調するようなニュアンスを持ってしまい、髪の毛外の余白と髪の毛内の余白が対立関係になり目立つ感覚があった。なので、髪の毛内が悪目立ちしないように、「流れ」を意識して髪の毛を描いたりして対応をした。

立ち上がる動作

4コマ目でも書いたが、5コマ目では立ち上がる描写をしているんだけど、体全体が映っていなかったりするためイマイチ立ち上がっている描写ができていない。これは、ネームやラフ段階での問題なのだが、4コマ目で立ち上がる描写をしておけばよかった。そして、このコマでは男の子を見せたいのだから、集中線などで表現した方が良かったんじゃないかと思う。

意識

このコマは背景がなく余白が多いい。また、男の子はべたが無いため余白とキャラをどのように分けるかが大変だった。輪郭線に強弱をいれたり、髪の毛部分を1つの塊として認識できるようにしたり、目が一番目立つように、といった具合に意識をした。

下描き全体

下描き全体を通して思ったことまとめ。

遠近法

背景の校舎を描いていて、なぜ人は遠くにそれがあると感じ、なぜ近くにあると感じるのか?って部分が気になった。例えば、遠くに建物があった時、何を基準に「遠く」に感じているのか?それは、窓なのか?それとも、屋上にある鉄柵なのか?扉なのか?という感じで、人は何を基準にして遠くに感じ、何を基準に近くに感じるのかが気になった。個人的にはシルエット(輪郭線)なのかなぁとは思う。

この辺は上にも書いたが、三角比で計算できるのかなぁって思ったので、2ページ目以降で確認してみようと思う。

ゴール

下描きのゴールがどこにあるのかが描いてて気になった。というのも、今回下描きをしていて「ペン入れしてみないとわかんねぇ」って感じることが多かったんだよね。それは3コマ目とか5コマ目のキャラを目立たせるコマ。そういうコマでは実際にペン入れで色々と修正した。けど、他のコマのキャラ(1,2,4コマ目)は下描きで結構しっかり描いた。でも、背景はアタリだけでペン入れで調整した。

なんというか、今まで下描きが全てで、ペン入れでできることは無いと思っていたんだけど、ペン入れで色々と修正するから下描きはアタリで良いみたいな逆転現象が起きている。下描きにゴールはなく、ペン入れにゴールがあるという感じで、ペン入れ(ゴール)に向けてベストなアシストを出すのが下描きの役割なのかなぁって思った。

そう考えると、複雑なポーズをとっている人物はしっかり下描きした理由も腑に落ちるし、それ以外の単調なポーズや背景はアタリだけってのも納得かな。

ペン入れ全体

ペン入れ全体を通して思ったことまとめ。

小さいキャラと大きいキャラ

キャラが小さいとペン入れがしっくりくるが、大きいとしっくり来ないのが気になった。それは、余白の有無が関係しているのかなぁと感じる。と言うのも、小さいキャラを描く時はパーツ(目など)を誇張して描く都合、余白が少ない。しかし、大きくキャラを描く時にはパーツ(目など)が全体的に小さくなり、余白が生まれる。その余白が「何の余白なのか?」が答えられない事による違和感なんじゃないかって思う。

また、視野の範囲も影響しているんじゃないかと思う。キャラが小さいと、体全体が視野に収まるため「これはキャラクター」と瞬時にわかるが、大きくキャラを描こうと思うと視野内にキャラが収まらず「これはキャラなのか?」って具合に悩む。そういう、認識のし辛さが違和感を構築している気がする。

パーツが独立している問題

また、この認識のし辛さは、目などの個々のパーツが独立してしまっている事による問題なんじゃないかと思う。と言うのも、僕の描くキャラの完成度が低く、頭部や顔や体の一貫性が無い感じがある。キャラが小さければ、ぱっと見で、1つのキャラクターとして認識できるが、大きくキャラを描くと個々のパーツが独立して見え、「これは髪…これは顔…ということはキャラクターか!」って感じで、1つのキャラとして認識するのにラグがある。なので、1つ1つのパーツを丁寧に描くのではなく、一貫性のある描き方が必要なんじゃないかって思う。

特に、男の子の髪の毛が気になっている。「これは髪の毛ですよ」って伝えるために線が多くなり、男の子の中でも浮いて見える感覚がある。上にも書いたが、線が増える事はキャラを強調する意味では良い表現なのだが、キャラを1つの塊として認識することを阻害している感覚がある。特に、5コマ目とかは明らかに髪と顔は別々のパーツ感がある。その辺も今後は意識したい。

キャラ内の陰影

キャラなどは陰影を付けると、キャラやパーツを目立たせる感じがある。けど、同時に陰影をつけすぎると悪目立ちする感じがある。なんというか、浮いて見える。なので、あまりつけすぎるのも良くないのかなぁって思う。

背景の道

今回、道(床)に関しては何も処理をかけなかった。一応、レンガ模様の道を想定していて、9話ではきちんと模様を描いていた。けど、今回は「描かない方が良いんじゃないか?」と感じ描かなかった。その理由としては「線が多くなる」から。ただでさえ、情報量が多いいのに、レンガ調の模様を描くとごちゃごちゃする。また、今回のページでは重要ではないというのもある。だから描かなかった。

けど、根本的な問題はコマ全体がごちゃごちゃしている点。その原因の1つとして、木の幹がうるさいことが影響している気がする。ぱっと見で「これは木です」というのはよくわかるんだけど、木の幹の間に余白(気泡)が多くてちらつく。なので、完全にべた塗りでシルエット化して、もうちょい主張を抑えた方が良いのかもしれない。そうしたら、情報量(線)が減るからレンガ模様を描いても違和感無かったかもしれない。反省。

余白の重要性

余白の重要性が気になった。

ぼかし

キャラと背景が重なる時にキャラの後ろに白色の「ぼかし」をいれているんだけど違和感を感じた。というのも、ぼかすとキャラと背景の間に白い余白ができるんだけど、その余白の範囲が小さいとにじんで見えるというか汚れているように見える。なので、白い部分の余白を大きく取り、キャラと背景の間に明確に余白があるように見せるようにする必要性があった。

なんというか、キャラと背景の間に余白を置くのであれば、きちんと「ここに余白があります」という感じで認識できるような余白を用意する必要があって、中途半端な余白は良くないんだなぁって思った。

吹き出し

もう1つ余白で気になったことがある。それは吹き出しの余白。2コマ目の吹き出しとテキストの間の余白が狭くて、吹き出しが認識し辛かったので余白を多めに取るように描き直した。これに関しては、文字間のカーニングとかが結構近いのかなぁって思う。文字によっては余白が少ない文字があって、文字同士の距離が近くなるからカーニングして余白を空ける。それと同じで可読性を上げるために吹き出し内に余白が必要だったのかなぁって思う。

ただ、漫画って吹き出し内に余白が無くても問題なく読んだりする気がするんだよね。作品によってはテキストが吹き出しから溢れたりギッシリ詰まってたりするわけで、余白がそこまで重要なのか?って感じる。けど、2コマ目の吹き出しは枠外に飛び出しているわけで、読まれない可能性もあった。だから、余白をきちんと持つことで可読性を上げて、読まれない可能性を潰したとすると正しいんだと思う。

背景で定規を使う時

今回の背景は、定規を使う時と使わない時を敢えて分けてみた。上にも書いたが、1コマ目では校舎を目立たせたかったから定規を使い境界線をハッキリさせて目立つようにした。逆に、4コマ目の校舎は目立たせたくなかったので、桜並木と同じでフリーハンドで描くことで「一括りの背景」として認識できるように工夫をした。

そして、道に関しては全て定規を使って描いたが、それは境界線を明確にしたかったから。キャラクターはフリーハンドで、道の上に必ず立っているので、キャラクターと道の境界線を明確にするために定規を使ったが、これは正しいのかな?正しい気はするんだけど、他の問題点がその前に突っかかってて明言できない感じがある。

線の数と質

全体通して、線の数が多いいのが気になった。線が増えれば増えるほど、画面全体に重さが出るような感覚がある。また、線の太さも若干気になっている。というのも、背景の線は少し太いかなぁって感じる。その辺も画面全体の重さに影響している気がするので意識したい。

また、丁寧に描くと線の数が増えるなぁって感じる。「丁寧に描く(時間をかける)=線の数が多いい」って感じなんだと思う。

効果線

3コマ目と5コマ目で効果線入れているんだけど、なんかやたらと気になった。線の太さだったり、隙間の感覚だったりという具合にちょくちょく修正を入れた。これも、画面全体の重さに若干影響があるからなのかなぁ?

恐らく、描き続けていれば落ち着く問題だとは思うのだが気になった。

書き終わり

描き終わった後に気づいたことや感想。

問題提起

今回作業してて、とりあえず描けば問題提起できるなって気づいた。というのも、絵(漫画)を描きたくないって時は大体「上手く描けないかもしれない」って感じるからなんだけど、上手く行かなくても描けば「なんで上手く行かないんだろう?」って問題提起できるんだよね。逆に、描かないと問題提起もできないから完全に停滞してしまう。どちらが良いかって考えると、上手く行かないと思ってもとりあえず描くことで、それに気づいてからは「今日は調子が悪い」と思ってもとりあえず手を動かすことができるようになった感じがある。なんというか、描くハードルが下がった感がある。

背景

作業をしていて、特に校舎が悩んだ。というのも、都会設定なんだけどさ都会の学校に通っていたわけじゃないからイメージできないんだよね。そのせいか、校舎を描く時にブレーキが凄いかかった。とは言え、現状は「学校」であることが伝われば問題ないんだよね。なぜなら、「都会の学校」であることを表現する必要性がないから。今のストーリー的にその設定があまり関係ないので、今はスルーでいい。けど、後に必要になる設定だから事前に準備をしておこうという視点で悩んでいるんだと思う。

認識

今回は何を持ってそれと認識するのかについて考えさせられた。例えば、5コマ目で髪の毛については流れを意識した。また、体が半身しか映っていないことで「これは体なのか?」と悩む感覚があり、体であるかどうかを認識するのは四肢の確認ができた時なんじゃないか?って感じたり、今回は出来なかったが服に関してもシワをしっかり意識して「これは服である」ということを視覚的に訴えかけないと駄目なんだなぁと思った。そういう、何を持ってそれと認識するのかと考えさせられた。

境界線

今回のページで一番印象的なのは境界線かもしれない。それは、キャラクターと余白を隔てる輪郭線や、髪や顔や体を隔てる線や、背景、定規を使った線などを指す。それら境界線を意識して明確に隔てることでコマやページが見やすくなるような気がした。

方向性

僕個人的には、作品を描く上で「とりあえず伝わればいい」って考えている。なぜなら、漫画はストーリーを読ませるもので、伝わるのであれば絵はそこまで問題ではないから。にもかかわらず、今回のページでは絵に注力した。それは、まずは絵の問題を解決しようと思ったからなんだと思う。絵に集中することで、色々と試し違和感を言語化したりして理解をしようとしている。また、「とりあえず伝わればいい」もどこまで描けばそう感じるのかがわからない。それを探すために絵に注力しているのかもしれない。実際、言語化出来てないし、掘り下げれば掘り下げるほど新しい発見がある。だから、ある程度開拓しきるまでは今の調子で絵に注力するのかなぁって思う。

あとは、作品としての方向性がわからんわ。今回みたいに丁寧で線が多いいのは違和感があった。だから、今回のような描き方は方向性としては違うんだとは思う。なんというか先が長いなぁって感じる。

固さ

全体的にまだ固いと感じるわ。少しづつ固さは無くなっているんだけど、まだ固い。どうすればいいかって考えると、パーツが独立しているのが一番気になる。キャラクターや背景が馴染んでいないし、キャラクターの各パーツ(髪の毛や顔など)も個々に独立して馴染んでいない。それらが、コマ内やページ全体で馴染んで1つの絵として認識できるようになったら固さが無くなるんじゃないかって感じる。

キャラ

また、この作品ではキャラクターをどのように描きたいのか?ってのは気になった。男の子に関しては可愛いさが出ている気がするんだけど、僕の考えている作品はキャラクター間のやり取りで笑わせるような作品を想定していた。だから、可愛いらしさが出てきているのが想定外。でも、可愛らしさを出すのは正しい気がする。だから、悩んでいる。

なんというか、涙あり笑いあり可愛さありカッコ良さありって感じで全部を取りに行くような感じになっている気がしていて、どれがこの作品の芯なのかがわからない感じになるのが気になっている。

反転

今回のページを描いてて、絵を反転してバランスを確認する機会がほとんどない事が気になった。というのも、左右反転すると絵のバランスが崩れていることがあるから、絵を描いたら反転して確認するんだけど、今回はその反転確認が過去一少なかった。なんでかを考えると、単純に絵が上手くなっているのがあるのかなぁって思う。けど、男の子とかは反転してみるとおかしいっちゃおかしいんだけど、なんか許容できるおかしさなんだよね。プロの作品とかを見ていても、明らかにおかしいんだけど絵の上手さで強引に押し切っているって感じる絵がある。それに近い何かな気がする。この辺は引き続き考えたいかなぁ。

楽しむ

個人的には楽しんで描けるようになるとよいなぁって感じているんだけど、どうしたら楽しんで描けるようになるんだろう?わからないところが無くなれば楽しめるのかなぁ?描いてて思った点としては、作品としての正解を見つけたら楽しめるんじゃないかって感じる。というのも、作品ごとにベストな絵柄があって、それが見つかって何をしてもその絵柄からはみ出なければ後は絵を描くだけなので楽しめるんじゃないかな?今は色々と試行錯誤してて考える事が多いいもんなぁ。そう考えると、シンプルに成れば楽しめるということなのかなぁ?確かに、半年前と比べると色々と問題を潰してシンプルになっているので比較的楽しめるようになった。だから、問題を潰しきれば楽しめるようになるのかもね。

気になる

今回、やたらと気になる点を潰そうとする僕がいるのが気になった。なんだろう?今回の目的としては、「絵」の改善だから視覚的に気になる点を潰そうとしているのかなぁ?とは言え、なんとなく「絵」について改善しようって考えてて、そこまでガッツリ改善するつもりなかった。にもかかわらず視覚的に気になる点を潰そうとするってことは「絵」が重要だと無意識に感じているからなのかなぁ?確かに、過去一で漫画っぽくなった気はする。

もう少し深ぼると、デザインとして見ているんじゃないかな?webデザイナーとしてバナーやサイトデザインしている時の感覚が近い気がする。あの時も文字間とか全体的なバランスを細かく確認した。それに近い感覚だから、ページを1つのデザインとして見ていたことによる気になるだったのかもしれない。(視野が広くなっている?)

親和性

少しずれるが、LINEスタンプで灰色の輪郭線に温かみを感じた。パソコンでlineしていて気づいたんだけど、パソコン版のLINEって背景白い色なんだよね。で、灰色の輪郭線は周りの白い色に馴染むから暖かみが出るんじゃないかって思った。逆に黒い線は背景色(白色)と対比関係にあって、クッキリハッキリして対比が目立つから固い印象を受けた。漫画の原稿用紙も白色で、そういう対比関係が目立つコンテンツ。太く線を引いたりべた塗りをしたら対比関係が目立つわけで、目立たせたいモノは対比関係をはっきりさせて、目立たせたくないモノは灰色の輪郭線のように薄めに描いた方が良いのかなぁって思った。

終わりに

なげぇ!!!
マジでまとめるだけで、凄い時間がかかった。
今回の10話から本格的に絵について言語化し出したんだけど、まぁ湧くわ湧くわでキリがないね。とは言え、1ページ目って結構失敗したって感じることがあって、2ページ以降で徐々に改善する感じがあるんだけど、今回は1ページ目をかなり丁寧に描いたから失敗感ないわ。逆に、2ページ目以降で失敗するフラグなんかなぁ?とりあえず、2ページ目をさっさと仕上げたいね。

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