日記

10話9ページ目

10話9ページ目が書き終わったので書き出し。

原稿

最初に

ネーム読み直していて、1~2コマ目の展開が早いかなぁーって感じた。というのも、男の子の名前を呼んでいきなり告白するはどうなんだろうか?また、「好きだよ」というセリフの位置も気になった。コマを跨いでいれるか、1コマ目2コマ目のどちらに入れるか?って具合に悩んだ。

結果的には、そこまで溜めるようなシチュエーションでもないし、その溜めは前のページの最後のコマが役割を担っているので展開はそのままにした。(ただ、描き終わって改めて見ると1コマ目に溜めの0.5コマ目があっても良いって感じた)

吹き出しは2コマ目の方に入れるようにした。1コマ目に入れると名前呼んでから告白の流れが急すぎると感じるし、コマ枠(コマ間)を跨らせると「好きだよ」というセリフの重要性が薄まる印象を受けた。なので2コマ目に入れた。

3コマ~5コマ目(中段)は若干詰まって見えるのが気になった。けど、これらのコマはそこまで重要なコマでもないから多少コマ枠の広さの比率は変えたがそれ以外は特に変更せずに今の状態に落ち着いた。

最後のコマはコマの高さを少し広くした程度で特に弄ってない。次のページへの展開を考えるとこれ以上の構図はないのかなって感じる。

という感じ、個々のコマがそれぞれ役割を全うしていると感じるけど、なんかバランスは気になるね。なんというか、コマ割りが普通というか硬いって感じで気になる。一応、少女漫画の体で描いているのでコマ割りでもその辺を意識して柔らかさや自由さを出せた方がいいんじゃないかって感じた。

コマ

コマごとに気になったことの書き出し。

1コマ目

構図的には正しいって感じるかな。また、ここは背景があまり入るようなスペースがないんだけど、背景を入れた。理由としては、状況を説明するために背景が欲しいのと、ここ以外に背景が入れられるコマが最後のコマくらいしかないことが理由。あとは「どこにいるのか?」という状況説明(前のページとの繋がりを表現)したかったので、背景を入れるスペースが少ないが背景を入れることにした。

キャラに関しては、男の子の描き方を気を付けた。というのも、1コマ目と5コマ目が似たような構図で、何も考えずに描くと被る感覚が気になったから。なので、被らないように下を向かせるのと上を向かせるという具合に差をつけてみた。調整をしている時に気づいたが、1コマ目より5コマ目がなんか気になった。それは、5コマ目が男の子単体のコマだからっぽい。1コマ目は男の子以外に主人公や背景があるから視線が分散されるが、5コマ目はキャラ単体のコマなのでキャラのクオリティがそのコマのクオリティに直結するから気になったっぽい(そういう視点があるんだね)。

主人公の方は、横顔が駄目っすわ。目と言う基準が無いのもあってか鼻の位置がやたらと高くなりがち。そのせいで鼻の下が伸びたような横顔になっている。なので、横顔を描く時は目の存在を意識しつつ鼻の位置も注意した方がいいかも。

ペン入れは珍しく1コマ目から始めた。いつもであれば慣らし運転がてらにキャラ単体のコマ(今回で言えば5コマ目)から始めるんだけどさ、ちょっと遠いいんだよね。また、5コマ目も上に書いた通りキャラのクオリティがコマのクオリティに直結するため慣らしで描ける感じではなかった。また、2~3コマ目でデフォルメ表現からの5コマ目でシリアスモードに入る流れもあり、その流れを意識せずに軽い気持ちで描けないって感じたから大人しく1コマ目から描くようにした。

それに、ペン入れをする時は可能であれば左のコマから描きたいんだよね。右利きなのもあって左から描けばそれをベースにペン入れできるし。僕はページごとに試行錯誤をしている都合、ペン入れの仕方がバラバラだから尚更左から描きたいってのがあるみたい。まぁ、今回はデフォルメ→シリアスの流れを表現しないといけないから1コマ目から描くしか無かったって感じ。

とは言え、5コマ目から描き始め、描き進める内に違和感を感じたら描き直すってのも考えた。がしかし、ファーストコンタクト(初見)というのが結構重要だと捉えていて、先に5コマ目を描いてしまうことで先入観が生まれ余計な軋轢が発生することを懸念している面があるわ。なので、こういう流れが重要な時はきちんと順々に描いた方いいのかなぁって感じた。プロみたいに描き慣れていれば問題ないんだろうけど、試行錯誤中なのでちょっとファーストコンタクトは大事にしたいって感じ。

このコマはペン入れしていて楽しいって感じた。初めての経験だったね、楽しいって感じたの。具体的には男の子を描いている時。なんでそう感じたのかを考えると、思い通りに描けたからっぽい。と言うのも、男の子って主人公と違ってべた塗りが無いからなんか頭と顔がハッキリしない感じがあってずっと悩みの種だった。けど、ペン入れで細く描くようにし始め、ここの男の子は頭と顔がハッキリと別れているように感じ自然。それは僕にとって初めて思い通りにいった出来事だから楽しいって感じたみたい。

あとは、前回のペン入れで「細く描く」と決めて、今回から下描きの段階から「細く描く」と意識して描いたことも影響しているのかも。ただ、それ以降楽しいって感じなくなった。たぶん理想が高くなってズレが発生したんだと思う。この辺は試行錯誤し続けるしかないのかなぁって感じる。

もう少し詳しく描くと、何が楽しいと感じたのか?それは髪の毛部分。男の子の髪の毛の内側の毛の流れの表現が結構苦手でさ、よくうるさいなぁって感じてた。けど、前のページで細く描くようにし始めたらいい感じで描けるようになって、ここの男の子を描く時って適当に毛の流れを描いたのにそれっぽくなったんだよね。僕としては、適当に描いてもそれっぽくなるってところを目指している部分があって、ある意味で理想を体現できた。例えるなら、スキルツリーの1つの枝の最後(末端)のスキルを手にしたような感覚を感じで「(1つ)コンプリートした」と感じたから楽しかったのかなぁって思う。近い例で言えば桜の木も割とそれっぽく描けるから、割と末端に近いがもう少し改善出来そうな気がする状態。

それっぽく見える技術が揃ったらスピードの方のスキルツリーを伸ばす予定だから、可能な限り早めにそれっぽく見えるスキルツリーは伸ばしたい感じ。

2コマ目

2コマ目は、主人公から「好きだよ」と言われて爆発をする男の子なのだが表現方法マジで悩んだ。というのも、よくある顔を真っ赤にさせるような表現はしっくりこないし、既存の表現でしっくり来る表現が見つからなかった。以前、主人公が唐突な告白を受けて顔を赤らめるような表現を描いたが、そういう表現は表情豊かなキャラクターの表現で男の子には合わないということで尚更悩んだ。だから1から考えてみた。

表現としては、(予想外)の嬉しさを表現をするために爆発感が出ることを意識した。爆発について考えると放射(状の)線がぱっと思いついた。これは、爆発における発光の表現なんだろうね。なので、爆発が起きた地点(顔の中心)から離れるごとに放射線は長くなるように意識して描いた。

また、輪郭には放射線が重ならないようにした(輪郭と被せるとキャラの存在が薄くなる感じがあったため)。なので、輪郭を起点に放射線を伸ばしてキャラの存在が目立つようにした。また、爆発をして頭から空気が抜けているって感じがあった方が良いと感じたので追加(無いとがちで爆発霧散しちゃうし)。

表情はデフォルメ。あくまでも予想外の反応や画面上における変化(新しい風)を表現する(取り入れる)ことが目的なので、デフォルメが良かったっぽい。あと、目の部分の表現は悩んだ。上にも描いた通り表情が豊かなキャラクターではないので、目が点になっているという表現がしっくりこなかった。で、ネームの時の太めのフラスコのような目がやたらとしっくり来ていたので、試行錯誤の末今の状態になった。ペン入れの際は太く描くと違和感だった。細く描くようにしたらいい感じで収まった。

キャラの周りの集中線は細く描いたら弱いと感じた。なので太く描いたらうるさいって感じた。間をとってまばらに太く描いてからすき間を細い線で埋めるようにしたらしっくりきた。強弱があることでランダム性がでるから良いって感じるのかな?等間隔で強弱がないと1つの要素(模様?)として処理される感じがあるが、集中線は模様のような静的なモノではなく動的に動く要素なわけで、強弱があった方が動いている感が出るって話なのかもしれない。実際、漫画で動的な要素(キャラ)には強弱あるけど、静的な要素(背景)にはあまりないしね。無意識にそう感じているのかも。

あー、そう考えると、最初(ネーム・下描き)の集中線が良いって感じていたのも納得かも。というのも下描きの時の集中線ってフリーハンドで適当だったんだよね。中心に向かって引いてはいたんだけど、しっかりと中心に向っていないという感じで不揃いの集中線だった。けど、なんかやたらとしっくり来てた。それは、バラバラで不揃いの太さの集中線が動的要素として認識していたからって考えると納得だわ。

ペン入れでは細く描くのがしっくりきた。それは、僕のイメージする漫画が「汚いけど丁寧だよね」って感じるようなモノで、ブレがある線が理想だからなんだと思う。細く描くと太く描く時よりブレを表現しやすいからそう感じたのかなぁ。けど、余計な線が多いいのは課題かも。細く描くようにしたことで余白が増え、描き込むスペースができたことでそれを埋めようとして線が増えているんだと思う。これは後々の課題だね。

3コマ目

このコマは「好きだよ」と言われ、嬉しさで何とも言えない表情の男の子(デフォルメ表現)が重要。なので頑張って崩した。また、2コマ目からの流れがあるのでその流れ(余韻)を意識して描いた。

構図に関しては横並びで、男の子が後ろ、主人公が前にいる構図が若干違和感。というのも、この後主人公は立ち止まるんだよね。だから「主人公が若干後ろに下がっている方が良いんじゃないか?」って感じた。そうすれば「このコマで主人公が立ち止まる動作を始めているんだなぁ」って伝わり流れとしてはスムーズ。けど、それをすると構図的に顔と顔の間に男の子の後頭部(余白)が挟まり、視線誘導的に微妙って感じたし、このコマで一番伝えたいのは男の子の表情の描写だから無理して立ち止まる描写を表現する必要はないからスルーした。

背景も入れるか入れないか悩んだ。理由としては余白が気になるんだよね。1コマ目でも悩んだわけだけど、それと比べると余白が明らかに少ないし、1コマ目のように状況説明をする必要はない。なので、フリーハンドのグラデーションで余白埋めた(男の子から出る煙(白色)と余白が同色で視認しづらかったからその対応)。可能であれば背景を抽象的(伝わる程度)に描ければよかったかなぁって思う。

けど、やたらと背景が欲しいって感じるんだよなぁ。それが何故かって考えると、視線を分散させたい面があるのかなぁって思った。というのも、2→5コマが全部キャラにフォーカスするコマになっていて、キャラに集中し過ぎだから「キャラ+背景」の状況説明のコマを入れることで緩和できるって考えた…だとすると納得かなぁ。また、このページは男の子の感情をジェットコースターのように上げて落とすコマということもあって、状況説明のようなクッション的なコマがあると話の展開がしやすい。だから欲しかったのかなぁって思う。説明が難しいわ。要するに「ここから展開が変わるよー」って表現をするうえで視線を分散する背景があった方が良いって話。

ペン入れは、2コマ目からの流れがあるから2コマ目が描き終らないとペン入れしづらいって感じた。2コマ目で太く描くなら3コマ目も太く描くべきだし、細く描くなら細く描くべきだしって感じで流れがある都合2コマ目が確定しないと描きづらいのも当然なのかなぁって思う。

細かい部分ではキャラの重なりが気になった。手前の男の子と奥の主人公が若干被っていて、男の子の輪郭線をデフォルメ表現でふにゅふにゃに描いたこともあってか、男の子の輪郭線が分かり辛く主人公のべた塗りの髪の毛に持っていかれる印象がある。とは言え、表情は認識できるしそこまで重要ではないから後学のために残しておく。

あとは、煙のエフェクトは白色だと分かりづらいね。男の子の髪の毛も白色だし、背景もないので凄い分かりづらい。なので、フリーハンドのグラデーションで余白を潰して目立つように調整したんだけど、黒煙表現とかもあるから煙自体に色をつけるのでも良いのかなぁって試したがしっくりこなかった。これは単純に煙の描き方がわからない問題と黒い煙が出ることを想定していないことが原因かなぁって思う。もし、黒煙出すならロボットのようなデフォルメ表現の方が良いしね。その辺も考えて描けるようになるとより良いモノができるのかなぁって思った。

見え方で少し気になったことがある。パソコンで漫画を描いていて、都度書き出して実際の見え方とかを確認するんだけど、輝度によって見え方が変わるのが気になった。というのも、細く描き始めたからか輝度が上がると余白が強調されて線がより細く見えてなんか違和感感じた。逆に輝度を下げると余白が強調されなくなるので違和感が無くなるって感じ。そういう輝度によって印象が左右されるのが気になった。たぶん、プロの作品では起きない問題だし、今までなかった問題なので、細く描き過ぎている面があるのかなぁって思った。

4コマ目

役割としては「立ち止まる」行為の始まりを描写をするコマ。気になった点としては「グッ」というオノマトペで立ち止まっていることを描写しているつもりなんだけど、なんかもっと良い表現ありそうだなぁって点。やりたいこととしてはわかるんだけど、「グッ」ってするなら力を入れているって感じの集中線や放射線が伸びている方が良いって感じる。また、立ち止まる描写をするならもう少しカメラを引いて体が映るようにして、重心や体の傾きで「止まっていまーす」って伝える方がいいんじゃね?って、もっと良い表現があるんじゃね?って感じた。まぁ、手を繋いでいるって部分にフォーカスしておきたい面があったし、次からその辺も注意出来ればいいのかなぁって思う。

あと、ここはなんか描くのが億劫だったわ。たぶん、手を描き慣れていないのが原因。特にこういう絡み合っているタイプの手って苦手。しかも、手のアップで適当に描けないから億劫だったんだと思う。服のシワもそうだけど、手についてもどっかでか勉強をしないとダメなのかなぁって感じたわ。けど、手に関しては服のシワ以下の優先順位って感じなんだよなぁ。なんでだろう?たぶん、手は「手」って伝わっちゃうからかもしれない。シルエットがもう手以外にないもんよ。また、「誰の手?」って部分も主人公と男の子以外で手を繋ぐ描写なんて当分ないわけで、必要最低限の情報が伝わってしまい、それ以上に伝えたい情報を描写することがない。要はどうでもいい要素だから優先順位が低いんだと思う。反面、服に関しては描き方1つで記事の硬さや柔らかさという情報を伝えられるし、キャラを目立たせたい時にそういう生地の情報から、リアリティ(重要性)を伝えることができる。こっちの方がよく使うから優先順位が高いんだろうね。この辺はジャンルも影響していて、バトル漫画とかだったら手の優先順位高くなっていたと思う。とはいえ、描けた方が良いに越したことはないから後で勉強する予定。

ペン入れでは手の輪郭線が細いって感じたから描き直した。けど、あんま変わらないかも。上下に余白が多いいのと、手の方にも余白が多くコマ全体が白いから手を認識しづらい。ここはプロの絵と比べ大きく差を感じるなぁ。プロの手は余白が多くてもきちんと手って伝わるもんね。爪とか関節とかあまり意識できてないから、その辺意識して描くようにしようかなぁって思う。

5コマ目

このコマは男の子が立ち止まり、振り返っていることを伝えることが目的のコマ。ゆるふわな空気感(デフォルメ表現)からシリアスモード(リアル調)に切り替えるためのクッション的なコマ。

ポーズとしては、腕を引っ張られて立ち止まるってポーズにしたかったんだけど、コマが小さくて上半身しか映らないから表現しきるのが難しいわ。つか、ここまで上半身しか映ってないんだね。やたらと四苦八苦しているんだけど上半身しか描いてないってのが面白い。だって、絵を描く人で上半身で苦しむって聞いたことがないもん。多くの人が描き慣れているであろう上半身で苦しんでいるという普通と違うギャップが面白かった。

ペン入れでは男の子の顔を細く描くのが気になった。いや、細く描くことを意識して描いているんだけどさ、キャラ単体のコマだからか思っている以上に細く描いているのが気になった。けど、少し時間が経つと気にならなくなった。でも、改めて見返すと違和感を感じた。これも輝度によって見え方が変わるって問題かもしらん。

じゃあ、少し太く描けばいいのか?って考えるとそれもなんか違うって感じるんだよなぁ。前の手だけのコマでもそうなんだけど、余白が多いい時のコマって輪郭が気になる現象が起きがちな気がする。それは「キャラ」や「手」のクオリティが低くて「それ」と認識がしづらいせいで起きているんだと思う。

もうちょい言うと、認識はできるんだけど静的なのか動的なのか?って部分が伝わっていない気がする。細く描くと強弱が弱く「これ動かないんじゃね?背景なんじゃね?」って静的な要素として見られる。余白も静的な要素なわけでそこに差がないことで認識がし辛くなっている面がある気がするわ。なので、きちんと強弱を付けたりして「こいつ…動くぞ!」って動的要素として認識できるように描かないと駄目なんだと思う。

あと、キャラ単体で残りは余白で成り立つコマって存在するのかなぁって思った。プロの作品でもそういうコマって手抜き感が気になるし、基本成り立たない気がする。成り立つとしたら、バスケの試合でブザービーターが鳴る直前の最後のプレイで一か八かの逆転3Pシュートを極限の集中力の中に放つって感じの表現をする時とかな気がする。そういう意図的に描く時以外でキャラ単体で成り立つシーンは存在しない気がするなぁ。とは言え、このコマはそもそも背景を入れるスペースがないわけで、キャラ単体で成り立たせるしかないコマ。けど、成り立っていないように感じるのは単純にキャラのクオリティが低いからで、きちんと動的要素として認識できるように描かないと駄目なんだろうね。

6コマ目

見返すと、このコマまで主人公の表情が描かれていないわ。そこまで気にする必要が無い部分ではあるんだけどなんか気になった。なんでかって考えると、色々な表情を見せる男の子の存在が強調されていて、表情の見えない主人公の存在が希薄だからそう感じるのかなぁって思う。ただ、これは読者目線ではなく作者目線だし、読者的には数秒で通り過ぎるコマやページなわけでそう感じる暇が無いと思う。なので気にする必要は無いかなぁーって思う。

アイレベルに関しては少し悩んだ。最初は腰辺りにアイレベルを引いてたんだけど、そうすると構図に違和感を感じたから足元にアイレベルを置いた。なんかローアングルが良いって感じたんだよね。なんでかって考えると空を映したいからだと思う。腰辺りだと空が映らないけど、ローアングルにすることで空が映る可能性や面積が増える。そして、空は何か状況(空気感)を強調する時に使われる。なので、キャラや背景を含めた空気感を伝えるためにローアングルが良かったって感じたんだと思う。

また、背景にリアリティが必要って感じたんだけど、それも状況(空気感)をより鮮明に伝えるためだと思う。もし、アイレベルを上に上げるとしたら、状況や空気感ではなく、キャラがそこに存在するという存在感を伝えたいってことなのかなぁって思う。今回は状況や空気感を伝えたかったからローアングル。であれば、もう少しローアングルにして空が映るようにすれば良かったかなぁ。反省。

背景に関してはかなり悩んだわ。というのも、校門が映るコマなんだけど校門付近をまともに描いたことがないし考えたことが無い。だから、どう描けばいいんだろうって悩んだ。色々と考えた末に自分が通っていた学校を参考に描いた。校舎なんかも描いていて思ったんだけど、空想の学校だとディテールが甘くなるから僕が通っていた高校をベースにしてもいいんじゃね?って思い始めた。ぶっちゃけ学校の構造とかどうでもいいしね。

あと、手前に縁石があるかないかで大きく印象が変わるって思った。縁石があると「そこには2人だけしかいない」って閉ざされた空間というニュアンスが出るけど、縁石が無いとキャラの存在感が手前いっぱいに広がって強調され過ぎるって印象があった。このコマではキャラ背景を含めた雰囲気が大事で、キャラが強調され過ぎるのは困るから手前に縁石を置いて芝生の上からカメラ回すようにした。

このコマは背景に要素が多くて、どこまで(どういう風に)描くかどうか悩んだ。例えば床のレンガ模様。中心の方は問題ないんだけど、中心から離れると1つ1つのレンガの形が凄い歪になった(何というか「レンガなっが」って感じになった)。それは、単純に僕のパースの取り方が悪いって話なんだけど、中心から離れれば離れるほどレンガ模様は潰れ線になり、その線が重なり床が汚くなるからどこまで描けばいいんだろうって思った(個人的にはもっとローアングルにしてそもそも映さないようにした方が良いのかなって感じる)。また、こういう連続性のある線はフリーハンドじゃなくて定規を使った方がいいんじゃないかって感じたわ。単純にフリーハンドだと時間がかかるし。

芝生も同じで手前の方は普通に描けばいいだけど奥の芝生は描き込んでしまうと何がなんだかわからんくなった。なので、地図記号の田んぼを散りばめた。あと、芝生描いてて思ったが強弱があるとしっくりくる感じがあった。手前の芝生を描く時にはまず太めの芝生を散りばめて、隙間を細い芝生で埋めたらなんかそれっぽくなった。2コマ目の集中線と同じで、強弱があることで動的要素として認識されるからなのかなぁ?(手前の芝生関しては多少動的要素があると確かに良いと感じる)そう考えると、桜の木も陰影のコントラストがあるわけで静的な要素なのに動的要素として認識されているのか?この辺は後で考えた方が良いかも。

あと、このコマは校外の建物(学校外)が映っているんだけど建物の輪郭しか描かなかった。けど、それでも問題がないって感じた。建物単体で見るなら窓などを描いてコントラストを付けた方が建物感が出て良いって感じるんだけど、建物が中心から離れているのと、次のページへの視線の通り道にあって流れを邪魔しそうだから輪郭線だけにして目立たなくしたっぽい。それに手前に電柱があるわけで、この高さに存在するのは建物しかないよねって消去法で分かる。そういう視線の流れを邪魔したくないのと消去法で伝わるという点から描き込む必要がないって判断したのかなぁって思う。ただ、もしこの建物が中心に近い所(キャラ付近)にあったら「これは建物です」って明示するために描き込んでたかもしれない。なので位置も関係しているんだろうね。

キャラに関しては、立ち止まっているって感じの動作が伝わることを意識して描いた。最初は足を閉じて棒立ち状態だったんだけど、「立ち止まる」という動作感が上手く伝わらない気がしたので重心とかを意識して描いてみた。ただ、見返すともう少し重心とか意識して描けたら良かったかもしらん。

その他

その他で気になったこと。

主人公の顔の比率

主人公の顔の比率が気になった。というのも、表情を映さない(隠す)表現を多用したんだけど、「目が無い+横顔」のせいで鼻の位置が上になってしまい顔の比率が正面の時と違うって現象が起きた。前にも描いた気がするが横顔の時は比率を意識して描いた方がいいね。

視線の分散

背景があると視線が分散されるって3コマ目で描いたけど、改めて考えると正しいって感じるなぁ。キャラ単体とキャラ+背景のセットを比べると背景がある分視線が分散される。まぁ、当たり前なんだけどさ、もう少し言うとより現実的な見え方をしている気がする。と言うのも、現実にはキャラ(人物)単体で背景が真っ白のシーンは存在しない。常に、キャラ(人物)+背景という見え方をしている。そういう視線が分散されるような見え方が現実的で正しいからそう感じたのかなって思う。

だとすると、キャラ単体の表現は非現実的ということなんだと思う。実際、漫画や絵画や映像作品でしか見ないような表現で、そういった非現実的なキャラ単体の表現をする時というのは基本的にはキャラを強調し、何かを伝えるニュアンスが出てしまうのかなぁって思う。だから、5コマ目に違和感があったと考えると納得。だって、キャラ単体なのにキャラを強調するどころか線を細く薄く抽象的に描いているんだもんよ。非現実的で強調表現のニュアンスがあるキャラ単体の表現なのにキャラを薄く描いて強調しないようにしているわけで「何がしたいんだ?」って違和感を感じてしまう。だとすると、背景の無いキャラ単体の表現をする時は注意しないと駄目だわ。

動的要素と静的な要素(重要)

線の強弱があると動的だし、強弱が無ければ静的というのも正しいって感じるなぁ。集中線や手前の芝生のような「動いている感」を出すためには強弱つけた方が良いし、奥の芝生や背景の建物のように止まっている感(動いていない感)出したいから強弱つけないように描く。思い返すと無意識に意識している。だから、線の強弱が動的・静的をコントロールしているのは正しいと思う。

じゃあ、コントラストはどうなのか?桜の木に関しては木の幹を濃くして桜の木の樹冠部分を薄くすることでコントラストの強弱をつけて「桜の木」感を出している。これも強弱なわけだけど、動いている感はなく静的な要素って感じる。他に、写真をモノクロ加工して原稿に取り込んだモノも陰影(コントラスト)が強いが動いている感はない。だから、「線の強弱」が動的か静的かの判断基準になっているということなんだと思う。

なぜ、線の強弱で動いている感出せるのか?建物に線の強弱をつけたとしても「動いている感」はでない。それは「建物は動かない」というイメージからきている気がする。だとすると「動くイメージ」があるものに線の強弱を付けることで「動いている感」を出すことができるが、建物のような物理的に動くイメージがないものに線の強弱を付けても目立たせることはできても「動いている感」は出せないのかもしれない。例えば、芝生や木の枝葉は動くイメージがある。それは、風が吹くことで動くわけで線の強弱をつけることで「動いている感(風が吹いている感)」を出すことができる。

あーなるほど。6コマ目の手前の芝生に線の強弱を付けて「動いている感」を出したかったんだけど、手前の芝生を強調することで「風が吹いている感」を出し「空気感(状況を説明)」を強調する意図があったのか。なんというか、ただ線の強弱を付けるだけじゃなくて、その先を見据えてペン入れする必要があるんだなって思った。

こいつ結構重要な気がするなぁ。キャラのペン入れする時とか強弱は多少意識するがその先のことまでは考え切れてない。ペン入れが腑に落ちない理由の1つがこいつなんじゃね?って思った。

下描きとペン入れ

今回、ペン入れはサクサク進んだが下描きは中々進まないって感じた。なんでかって考えると下描きの段階でペン入れを考えながら描いていたからなのかなぁって思う。というのも、前のページからペン入れで細く描くようにし始めて、このページから下描きの段階で細くペン入れすることを意識し出した。それによって下描きの段階でペン入れをイメージしやすくなり、ペン入れを想定しながら下描きを描くことが出来た。下描きしている時に半分ペン入れを頭の中でしている状態だったから下描きは時間がかかり、ペン入れはサクサク進んだのかなぁって思う。文章がなんかわかりづらい。

ただ、下描きの段階でページ全体の硬さを感じるようになった。普段はペン入れをした後に感じるページ全体的な硬さなんだけど、下描きの段階でペン入れを想像しやすくなったことで下描きで感じたのかなぁーって思う。大きくは単調なコマ割りのせいなので、下描きの段階ではなくネームの段階で硬さを感じるようになれればいいなぁって思う。

細く描く

前回に引き続きペン入れで細く描くことを意識して描いたわけなんだけど、全体的にごちゃごちゃしている印象があるわ。特に人物の線がごちゃごちゃしているって感じる。なんでそう感じるかを考えると、主線が薄いことが原因っぽいわ。線を細くすることを意識し過ぎたことで主線が細くなるのと同時に描き込むスペースも増えたから描き込んだことでデッサン(ラフスケッチ)のような主線がない状態になっている気がする。

ただ、ある意味現実に近い見え方になっているとも言える。だって、現実世界には主線なんて存在しないもん。だから、そういう点では現実っぽい描き方にはなっている。がしかし、現実は「見たいものを見る」が漫画では作家が「見せたいモノを見せる」ために視線を誘導する必要がある。主線が細いと「動いている感」がでないわけで視線を誘導しにくくなる。そういう点だとよろしくない。なので、主線はある程度ハッキリと描かないと駄目なんだろうね。

アピール

ふと思ったが、漫画には主線や線の強弱で「見せたいモノ」を見せることができるが、現実世界にもそういった「強調表現」があって、無意識に視線を誘導されているのかなぁって思った。例えば、イケメンや美女なんかは(視線を誘導する)強調表現だと思う。最近だとインスタ映えするような見た目も強調表現。漫画に関してもそもそも読んでもらわないといけないわけで、他の漫画にはない強調表現(例えば、魅力的なカワイイ・カッコイイキャラを出したり)する必要がある。線の強弱もそうだが、そういった強調表現というのは「他との比較」で成り立つわけで、漫画のような仮想世界や現実も同じ「他との比較」で見せたいモノを見せているんのかなぁって思った。

伝わるかな?適した日本語が見つからんから上手く言えん。ただ、見せたいモノを見せるためには「他との比較」で強調するというのは正しいと思う。もしくは、存在しない何かを一から作るとか?例えば、スマートフォン。ボタン式の携帯電話が主流だった中にスマートフォンというボタンがない携帯電話を作ったらそりゃ目立つよね。けど、これも「他(ボタン式携帯電話)との比較」か…まぁ、何か目立たせようとすると、「他との比較」によって目立たせることができるわけで、線の強弱を付けることで目立たせたいモノを見せる漫画の表現は他の物事にも通ずるんだなぁって思った。

フリーハンド

今回のページもフリーハンドで描いたわけなんだけど、フリーハンドの限界を感じたわ。というのも、最後のコマの床のレンガ模様みたいな連続性のある表現は線が多くてフリーハンドだと時間がかかるのでそういう時は定規を使って描き、それ以外ではフリーハンドでも良いのかなぁって感じ。そういう限界。

ただ、フリーハンドを使う理由にパースの崩れや粗いディテールを隠すって後ろめたさからくる理由が隠れている気がするんだよね。定規を使ってしまうとその辺がガッツリ露呈するわけだし。そういうマイナスの理由を隠す面がある気がしたから「フリーハンドで描くべきか否か」って問答は別でしないと駄目かもしれない。ちょうど10ページ目でパースの試行錯誤しているからそっちで描こうかなぁって思う。

ペン入れでの違和感

ペン入れしていてペン入れに違和感を感じないのが気になった。というのも「下描きは良かったけどペン入れは良くないって感じる」という絵描きあるあるがあるんだけど、ここ最近感じないんだよね。

なんでなのかを考えると、「よく分からない」という問題を1つずつ潰していったからなのかなぁって思う。前までは下描きでよくわからない部分は線を重ねて誤魔化してた(気がする)。そして、ペン入れをする時に誤魔化してた部分が露呈して「コレジャナイ感」を感じてた。けど、問題点を1つずつ潰していったことで誤魔化しが無くなり、下描きとペン入れの間のズレが無くなった。だから感じなくなったのかなぁーと。

もう1つは、クオリティの低さ。下描きが低クオリティでペン入れも低クオリティだからクオリティにズレがない。もし、下描きが高クオリティでペン入れが低クオリティだったら「下描きは良かったのにー」って感じてたと思う。多くの絵描きの人はこっちが原因なんじゃないかって思う。だって、絵は上手いけどペン入れは慣れていない人多いいだろうし、なまじ絵が上手いからペン入れ後にプロのそれと比べて違和感(ズレ)を感じやすい気がする。僕の場合は、どちらも低クオリティで統一感があるからそう感じないのかなぁって思う。

そして、下描きとペン入れでズレが無くなったことで楽しいとすら感じた。それは1コマ目の男の子で感じた。生まれて初めてペン入れで楽しいって感じたんだよね。それは思い通りに描けたからなんだと思う。ただ、そう感じたのはそこだけで、その後は楽しさなくなった。だから、また何かズレが発生したんだろうね。先は長いなぁー。

終わりに

長かった!このページにかかった時間が3週間という長さもあるけど、この文章をまとめるのも2週間近くかかった!コマごとの気づきはそんなに時間がかかっていないんだけど、その他での気づきがマジで重かった。普通に1本日記がかけるくらい深い部分の気づきだったから分ければ良かった…。ただ、漫画以外の日々の気づきでも始めてから数年経った後から気づきの深さがどんどん深くなって言語化がしんどくなったんだけど、漫画でも同じような感覚を感じ始めた。これは水深が深くなりある程度底が見え始める前触れだから、漫画も結構深いところまで潜れるようになったのかなぁーって考えると、この先が楽しみだよね。

で、今10ページ目描いているんだけど、9ページ目辺りから1ページに時間がかかるようになってきているのが気になった。まぁ、やったことがない表現多いいもんなぁ。9ページ目で言えばデフォルメ表現とペン入れ細くしたりしたし、10ページ目ではパースや大ゴマ表現というやったことがない表現をやっている。僕の中に前例(経験)がないから「どう描けばいいのか?」って悩んでしまうのは仕方ないと思う。ただ、流石に時間がかかりすぎなので、もう少しスピードを上げて描けるような何か施策は考えたいわ。

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