10話17ページ
10話17ページが描き終わったので書き出し。
最初に
このページの役割は場面転換。学校から自宅のマンションへの場面転換し、話が変わっていることを伝えることが目的。個人の目的としては、結果的だけど定規を使って背景を描くこと。
原稿

ネーム
ネームはちょっと悩んだ。というのも、このページが1.5ページ~2ページに分けてやるべきことを1ページにまとめているから。
コマが全体的にぎゅうぎゅうで若干高さが足りないって感じ。特に、3コマ目のフラフラ感をどう表現するか悩んだ。
コマ
コマごとの書き出し。
1コマ目
役割としては場面転換を表現したいので、マンションと夕焼け空。
マンションは玄関側。5コマ目で自宅の玄関の描写があるので、繋がりを意識。マンションの端っこを描いているので、非常階段の描写も考えたけど流石に蛇足感があったので辞めた。
ペン入れはフリーハンド。こういう建物単体の時はフリーハンドが良いって感じる。なんでなのか?って考えると、視線の流れを止めたいからかもしれない。定規を使って描いてしまうと「(なんかの)建物」って認識し視線が流れてしまうけど、フリーハンドで描くと一時的に「これはなんだ?」みたいな感じで視線を留めておけるみたいな効果がある気がする。それに、場面転換の役割があるので、サラッと流されるのではなく、「ん?」って少しでも視線を止めたいって考えがあってのフリーハンドなのかなぁって思う。
ただ、数ページ前に描いた学校の時と比べると若干違和感。学校は平面感が強かったけど、マンションは立体。凹凸がある分もう少し何か意識する必要があったのかなぁって思う。これは追々かな。
マンションも学校と同じで南向き。けど、この構図のマンションは北側。影になる向きなので、マンション全体に薄いトーンを被せようと思ったけど違和感だったので辞めた。理由としては、夕空が既にあり、マンション(白)とのコントラストでマンションが若干暗く(影が落ちているように)見え、これで十分じゃね?ってことで辞めた。
2コマ目
役割としては、マンションの入口に登場人物が着いたことを表現。
マンションの玄関はとりあえずそれっぽくなればいいかなぁってことで適当に描いた。マンション前の道は狭く、車が侵入しないようにポールを設置、玄関近くに車を一時的に駐車できるスペースを用意。また、玄関屋根には排水管や水がエントランスに入らないように排水溝を用意して、マンション管理人の部屋に日差しが入るように適当に窓つけたりした。
構図はこれから進む玄関(エントランス)が大事なので、玄関周りが見切れないように調整。
ペン入れでは、フリーハンドではなく定規で描いた。理由は前のページでの反省点を活かすのと、定規を使った背景のテストをするため。細かいパーツが多くて、何度も線を引き直すことを避けたり、キャラクターの線(フリーハンド)と背景の線(定規)の差を明確にするため。
実際に描いてみて、キャラは特に何もないが背景の方は薄さが気になった。フリーハンドで描く時は人物を描く時みたいに目立たせたい部分の線を強く描いたりするが、定規を使うと「線を引く」という印象で、線の強弱に意識が行かないかもしれない。例えば、1コマ目はフリーハンドなわけだけど、外側は強く、内側は弱く(細く)と意識して描いている。けど、定規を使うとそういう部分が意識しづらいって感じる。
でも、定規を使って加筆や影を足したらそれっぽくなった。似たことは別に定規を使ってもできるのかなぁって思った。
良い点を挙げると、側溝のふたの描き方は面白いって思った。塗りつぶしてホワイトで網を表現。あと、結果論なんだけど、外壁とか床に模様を足したらエントランスが一番白くなって目立つような感じはいいなぁって思った。一番余白が多いいのがエントランスだから、「なんの余白だろう?あ、エントランスか」って感じで視線が流れる感じがあった。
気になった点としては、読者的には僕のこういうこだわりってどうでもいいよなって点。読めればいいわけで、一々言語化しなくてもいいんじゃね?って部分が気になった。これは他の作品と比べて思ったこと。ただ、やってて無駄という感覚もないし試行錯誤は大事なのでスルー。なまじっかそれっぽく描けるようになってきたことで欲を出し始めたって事なのかなぁって思う。
3コマ目
役割としては、主人公がフラフラしてマンションに入って行く描写。ここは一番の悩みポイント。なぜなら、フラフラ感を出すのが難しいから。最終的には今の残像を使ってフラフラ感を出す事が出来たけど、最初は「フラフラ」というオノマトペと「~」という効果線で表現しようと思ってた。でも、それだとフラフラ感が絵から伝わってこない。だから、構図を変えたりコマを増やしたり、テキストでのやり取りで「普通じゃない状態」を伝えようと試行錯誤したが、上手く行かなかった。
で、今の残像の表現で解決に至った。この表現にたどり着いた時はガッツポーズしたわ。ただ、表現として初めてやったから微妙だわ。もうちょい上手いやり方があったのかなって感じる出来って感じ。特に上側の背景が五月蠅くて視線がキャラクターに流れ辛いのとキャラクターがそもそも目立たないって部分は改善点。
4コマ目
役割としては、幼馴染単独のコマ。主人公が明らかにおかしかったことを幼馴染の視点で追加で念押し。次の話への伏線。
ここは丁寧にペン入れすることを心掛けた。理由としては、キャラ単体のコマでキャラ単体でもコマが持つようにする必要があったから。
一応、キャラ単体で成り立つ感じにはできたんじゃないかな?って思う。特に意識した点はキャラとしてのまとまり。小さいパーツごとのまとまりを意識してから頭や体などの大きなまとまりを意識するって感じ。
ただ、まだキャラとしては微妙な感じが残っている。特に、髪の毛のギザギザ感がくどい気がする。キャラに凹凸が多くてやかましい感じがある。この辺の凹凸は減らして自然になるよう意識したいって感じ。けど、ウニみたいな髪の毛のキャラクターも世の中には存在する。なので、「それ」がきちんと髪の毛って分かるようにまとまりを意識すれば行けるのかもしれない。
5コマ目
役割としては、自宅の玄関前に到着しドアを開ける動作の表現。このコマはちょっと悩みポイント。というのも、ドローン飛ばしてマンション外から中に入る描写をするのもありって思ったから。けど、流れ的に「誰が入室したのか?」って情報が重要だからドローン飛ばして後ろ姿を撮るよりは、主人公真正面の入る描写の方がいいって感じ。
ここは全部フリーハンド。1コマ目でも書いた通り視線を少しでも止めたいからなのかなぁって思う。けど、見せたい主人公が弱い、目立たない感じがある。
なんでかって考えると、キャラの比率の関係かもしれない。というのも、僕の漫画って全体的にキャラが小さくページにおける比率が少ない気がするんだよね。プロと比べるとそう感じるし、スマホなんかで読むとより感じる。
この辺は、キャラクターを描き慣れてない、キャラデザが決まっていないから無意識にキャラクターを目立たないように描いてたりするのかもしれない。もしくは、ストーリーをぎゅうぎゅうに詰め込み過ぎてページが狭くなっているから相対的にキャラも小さくなっている可能性。後者の方がしっくりくるかなぁ。
6コマ目
役割としては、自宅に帰ったら知らない誰かがいる描写。
主人公とノッポのポーズは悩んだ。流石に棒立ちだと違和感だったので、主人公は自宅に帰ってきて戸締りをするポーズ。ノッポはトイレに行こうとドアを開けるポーズにした。ただ、主人公の方は若干分かりづらいかも。誰かがいることに気付くってポーズと鍵を閉めようとするポーズ、2つのポーズを同時に行っているからそう感じるのかもしれない。
ノッポの服装はちょっと悩んだ。というのも、他人の家で学ランを着てトイレ行くか?って悩み。けど、不審者感出そうとすると学ラン、いい感じなんだよね。また、学校では学ランでトイレには行くわけで、別に不思議はないかって事で着させた。あと、他人の家で学ラン脱いでワイシャツでウロウロってのがちょっと配慮が欠けている感じが気になった(くつろいでる感)。
構図も悩んだ。コマが小さいのもあり、全体を見せようと引きにするとキャラが小さくなって手前に不審者がいる感が伝わらないし、キャラも認識しづらくなる。逆に、アップにすると状況が伝わり辛いって感じで悩んだ。
あと、薄暗い感じをトーングラデーションで表現しているんだけど、初めての表現でしっくりこんわ。最初は、円形のトーングラデーションを使って薄暗さを出そうと思ったんだけど全体的に薄暗くなってコマが認識しづらくなった。なので、右上に不審者感出すためのトーングラデーション。左下に部屋の薄暗さを出すためのトーングラデーションって感じで、線形のグラデーション配置した。こういう表現をすることも意識して構図は決めないとだなぁって思った。
主人公に関しては面白いこと気付いた。というのも、黒髪とふと眉の相性がクッソ悪い。黒髪でチャームポイントの眉毛がガッツリ潰れるわ(笑)。特に、こういう小さく主人公が映るコマなんかだとマジで相性が悪くて笑う。なので、前髪を梳いて眉毛が前髪と重なって潰れないように調整した。キャラデザが決まらない一番の原因がこの黒髪とふと眉の相性の悪さなんじゃないかって思った。
背景はフリーハンドで描こうと思ったけど定規使った。トーングラデーションで背景が潰れるからフリーハンドで描く必要性が弱まったんだよね。あと、キャラの対比が重要だからキャラと背景にコントラストをつけるために定規を使ったのかなぁって思う。
コマ全体
全体的に、不要なコマはぱっと見なさそうかなぁ。若干1~2コマ目のマンションの表現が気になったりはする。(マンションって)伝わるか?って感じ。他に関しては個々に役割がきちんとあっていいんじゃないかって感じる。3~4コマ目に関してはあんまり高さ出す必要はなさそうかなぁ。なので、上段(中)中段(低)下段(高)って感じの割り振りがベストって感じ。
流れ的には1コマ目に「着いたぞ」ってテキストを入れれば、1コマ目をフリーハンドで描く必要は無かったかもなぁって思った(テキストで視線止められるし)。ただ、それをするなら2コマ目で玄関前を描写する必要が無くなるんだよね。だってマンションに到着したことは1コマ目で説明しているし、エントランスにいなくても近くにいる(帰ってきた)ニュアンスは伝わるから。
それに、それをするなら2コマ目は状況説明じゃなくて、キャラ紹介(キャラ正面)のコマにした方がいいと思う(誰が到着したのか?って情報を伝えるため)。けど、そうすると2コマ目~6コマ目までキャラがメインになってうるさいし、2コマ目で玄関の描写をしないなら3コマ目で明確にエントランスに入るって描写が必要になるので構図変更が必要。テキストの位置を右にずらしただけなのに影響が大きいから無し。
全体を通して、フリーハンドと定規を使い分けて描いたけど、特に違和感はないかも。ただ、やっぱり定規の硬さは気になる。けど、線が多くなると定規を使った方が見せたいモノ(キャラ)を見せられるって面はあるかもしれない。慣れていないってのもあるんだろうから今判断するのは難しいって感じるが、併用はアリかなぁって感じ。
そういえば、キャラ+背景のコマで、キャラが目立たないから背景から描いた方がいいんじゃないかって思った。背景を先に描いておけば、それに合わせてキャラクターのペン入れするから目立つように描けるんじゃないか?が発端。あと、キャラクターをそれっぽくなるように意識をして描くことはあるんだけど、背景をそれっぽくなるように描くって視点で背景を描いたことはないからそういう意味でも背景から描いてみるってのはアリなんじゃないかって思った。
まぁ、思っただけで結局やらなかったけど…。結局のところキャラを先に描いた方が背景が描きやすいし、背景は定規を使って描くなら加筆修正が容易なので後でも先でも正直変わらんって感じ。
その他
その他気付いた事の書き出し。
コントラスト
なんとなく、鼻が無いキャラって可愛いく見えることがあるんだけど、なんでかって考えたら目が強調されるからなのかなぁって思った。というのも、鼻が無いと顔の中心に余白が生まれる。そして、その余白と目にコントラストが生まれて、目が強く強調されるから魅力的に感じるのかなぁって思った。マスク美人なんかも同じ理由で、顔の下半分が隠れて上半分が強調されるから魅力的に見えるのかもしれない。
そして、僕の場合はそのコントラストに応えられるだけの顔の上半分や目を描けていない。だから、主人公が魅力的に見えないって考えると腑に落ちるかな。実際、目が目立たないし、髪が単体で成り立っていないって感じる。なので、下半分を隠しても魅力的に見える上半分を描くのが大事なんだと思った。
違い
プロと比べて明らかに違うって感じる。上にも書いたけど、キャラが小さい(ページ上の比率が低い)ことが違いの1つ。今は、18ページ目を描いているんだけど、18ページ目はキャラの比率が大きいから漫画っぽいって感じる。まだ下描きだけど…。なので、比率の違いはあると思う。
あとは、僕の漫画では全体的に無駄な線が多いい気がする。何というか、素人臭さを線を足してごまかしている感じがある。足せば足すほど管理しきれない余白が潰れてそれっぽくなるって感じ。昔、webデザイナーやらされてた時にも余白を潰してそれっぽい感じにしてた。ただ、それをするとぎちぎちで余裕のない感じになるんだよね。先輩から足すのは簡単だけど引くのは大変て言われたし、足さなくて済むようにしたい。
他には、目の描き方とか個々のパーツのクオリティの低さってのも影響としてはあるんだろうけど、この辺は慣れの問題かなぁ。時間が経てば自然と改善されると思う。
主人公
主人公を描く上で無理に可愛く描こうとしているせいでバランスを崩している面がある気がする。これはどっかでか書いた気がするけど、改めて書き出し。
今回わかった点で言うと、目が重要。目の方を魅力的に描いてないから、鼻を消してコントラストを作ったとしても、目が目立たず何を目立たせたいのかわからない。目に関しては宝石のようにキラキラさせるつもりで描くくらいの気概でやるのがいいのかもしれない。
また、チャームポイントである眉毛が黒髪と被って潰れてしまう。目立たせたいモノが目立たないような形になってしまってて、何をしたいのかがわからない。
この辺が主人公のキャラデザに影響を与えているから、意識したい。
視点
1ページごとに言語化しながら作っているのもあって、10話全体を通して読んだ時のガチャガチャ感が気になるわ。前から気になってはいるし、1ページづつ試行錯誤をしているから仕方がない部分ではあるんだけど、何とかしたいなぁ(不満)。
10話というストーリーではなく1ページごとに考えているって視点が気になるんだよね。実際の漫画って10話通して下描き → 10話通してペン入れという感じで全体を見る視点で描くから、今の僕のページごとに見る視点との違いが気になるって感じ。
ちょっとした愚痴。認識しているから11話、12話と描くにつれて改善してくれればいいかなぁって思う。
終わりに
今回のペン入れは全体的によくわからない感じがあったわ。なんか手直しをする気が起きないというか、どういう風に手直しをしたらいいんだろうか?って感じ。
たぶん、お試しの側面が強かったからなんだと思う。背景に定規を使ったり、キャラが全体的に小さかったり、主人公の目をべた塗りで表現したり、って具合に普段しないことを「とりあえずやってみっか」って感じでやっている。そういうお試しの側面が強く、これが正解なのか?ってわからないからそう感じるのかなぁって思う。
要するに、次に活かすための17ページ目って感じ。なので、次以降で活かすかな。