日記

10話18ページ

10話18ページが描き終わったので気付いたことの書き出し。

原稿

最初

役割としては話の展開。今までのしんみりとした流れをぶった切って次の話へ繋げるのが目的。

ここは、17ページ目と比べるとネームの方での修正はほぼなかった。なんでかって考えると、キャラがメインのページだからなんだと思う。前のページは状況説明の役割が強く、引きの構図が多いいから「どういう構図が良いか?」って悩んだ。けど、このページはキャラがメインで、キャラを中心(正面に配置)にする必要がある。構図的には悩む必要がない。だから、すんなり行ったのかなぁって思う。

今19ページを描いているけど、19ページ目もキャラがメインなのであんまり悩んでない(現在進行中)。

コマ

コマごとに気になったことの書き出し。

1コマ目

役割としては、ゴン!と扉に頭を打ち付ける描写をするのが目的。なので、(マンションの)玄関の扉というのがわかるようなコマにしたいから若干引きの構図。

扉に頭を打ち付けている表現は悩んだ。なぜなら表現としてやったことがないから。

最初は、「ゴンッ」と頭を打ち付ける音に反応した他の住人さんが「?」って気付くみたいな形を考えた。そうすることでその住人さんを通して読者に「異変が起きている」ことを伝えられると思ったから。けど、その後の展開的に「どうしました!?」ってその住人が自宅に入ってきちゃいそうなんで辞めた。

住人さんじゃなくて叔父さんを使えば流れ的には自然かなぁって考えたが、既にドタバタしている所に新しいドタバタを持ち込みたくなかったし、「主人公とノッポの対比」を表現したかったので、他のキャラクターを使って頭を打ち付けていることを伝える表現は辞めた。

で、最終的には今の形になった。まず、読み飛ばされるリスクを考えて、「ゴンッ」というオノマトペは吹き出しにし、テキストと同じような扱いにした。そうすることで読者に確実に読んで貰える(読み飛ばされない)。そして、頭を打ち付けている衝撃波部分は、扉にトーンを貼っている都合、集中線のような線だと潰れて目立たないから、弁当のバランを散りばめて中をホワイトで塗った。そしたら、とりあえず伝わるかなぁって感じになった。

ここは最初フリーハンドで描こうって思ってた。なぜなら、読み飛ばされるリスクがあったから。前回書いたが、フリーハンドであれば定規を使うより「これはなんだ?」と視線を止めることができ、読み飛ばされるリスクが減る可能性がある。だからフリーハンドで描こうと思ってた。けど、吹き出しとして用意することで、明確に読者に伝えることできるようになったので、フリーハンドである必要がないと判断し定規を使って描いた。

2コマ目

役割としては驚く主人公の描写。ここでは頭をぶつけた弾みで縛っていた後ろ髪がほどけるようにした。理由はなんとなく。位置的にポニーテールをぶつける感じになるし、次の話では髪の毛を降ろしている形で始めたいってのもあって、ちょうどいいからほどいた。あとは、髪留めを買って返すみたいな伏線仕込めそうだし。

構図は若干気になる。主人公正面じゃなくて若干斜めからの画角なんだよね。また、扉に対して変なぶつかり方をしているのも気になる。そして、アップの構図で変なぶつかり方を誤魔化しているって感じも気になる。たぶん全体描くと変な感じになる。

けど、正面の構図にすると止め絵になって視線の流れが止まる感じが嫌だって感じ。なので、そのまま。まぁ、1コマ目でしっかりと視線を止めて状況が伝わるようにできたから「このままでもいっか」って感じ。1コマ目様様。

キャラに関しては、驚いている感じが出てそれっぽいと感じる。ペン入れでは若干薄い感じたけど、良かった点もあり及第点。その良かった点とは、チャームポイントである眉毛が髪の毛と重なり潰れる問題への対処方法を見つけたこと。具体的には眉毛と前髪がぶつかる部分はトーン処理する。そうすることで潰れる問題を回避できる。

完璧な対応ではないんだけど、キャラデザ問題での結構大きな問題点だったので、光明が差したって感じ。

それ以外だと、少し気になった点で、スマホとPCでの見え方の違いは気になった。PCで描いているのもあってPCサイズで見ると問題ないんだけど、スマホみたいな小さい画面で見ると違和感が出てくる。プロの作品では感じない違和感なので気になった。素人あるあるなのかなぁ?って思ったけど、僕の描き方の問題っぽい。たぶん、線のサイズが合っていないんじゃないか?って思う。というのも、PCで見ても「線が薄い(細い)」って感じるんだけど、スマホで見ても薄いって感じるから。なので、線のサイズの問題なんだと思う。ただ、直さないで後々のために残しておく(見え方変わるかもしれないし)。

3コマ目

役割的には、薄暗い部屋(廊下)にいるノッポと、驚く主人公という対比。ノッポの方は顔が見えないようにトーングラデーションかける。

構図的には主人公の背後は扉だから映したくない。なので、後頭部が見切れるように配置。ノッポは慌ててることがわかるようなポーズ。背景は奥行が出るようにリビングの扉が映るように調整した。

パースは迷ったわ。上に書いた役割通りに配置をしたんだけど、パースがその配置だとおかしくなるから調整が大変だった。扉付近に消失点を用意する必要があるんだけど、そこからパースを引くとキャラクターの座標がバグるって感じ。なので、ペン入れで頑張って調整した。パース周りも考えてペン入れしないと駄目なんだなぁって思った。

主人公に関してはどういう表現をするか悩んだ。というのも、主人公は相手を泥棒だと思っているわけであんまりギャグテイストにすると違和感って感じ。けど、リアル寄りにすると画角的に口とかが映らない。個人的に表情(口)を映したかったからデフォルメ寄りにした。

最初は背景もフリーハンドで描こうと思ったんだけど、グラデーションで主人公が目立つし、テキストも配置しているので視線は十分に止められる。また、キャラの線(フリーハンド)と分けたかったので定規使った。グラデーションで潰れてちょっとよくわからん感じになっちゃったけど…。

4コマ目~5コマ目

2コマで1つの表現みたいなものなのでまとめて書き出し。ドロボーと叫ぶ主人公と違うと否定するノッポの対比が目的。

キャラとしては、主人公は泥棒だと思っているから緊迫感を出すためにリアル寄り。ノッポの方は勘違いされて焦っているからデフォルメ強め。

ここはペン入れでちょこちょこ修正した。特に、目。というのも、最初は目尻を閉じないような目の描き方をしていたら、主人公もノッポも目を「目」だと認識し辛かった。なので、可能な限り目尻を閉じて「これは、目(のエリア)」とわかるように調整をしたら良さげな感じになってきた。

また、主人公の方は可能な限り目の方を大きく調整した。角度のついた煽りの構図とリアル寄りだから目の高さを低く調整してたんだけど、女の子?って感じる主人公になってしまった。なので、目の方は大きく修正した。女性キャラの目は大きくないと駄目なのかもしれない。

あと、目の方は全体のペン入れが終わった後に、何度も修正しているんだけど、適当に描いてもそんなに気にならないのが気になった。本当に試しで適当に描いても「ココにあるのは目だよね」って感じで認識ができるって感じ。

これは、目以外の要素がきちんと固まっているからなのかなぁって思う。個々のパーツがきちんと「それ」と分かったり、背景は集中線や描き文字で埋まっているから消去法で「そこにあるのは目」って感じでわかるって感じ?だから適当でも気にならないのかなぁって思った。

ただ、これは主人公の方。ノッポの方はデフォルメ効いてて、しっかりと描かないと「目?」ってなるから注意が必要だった。

その他気になったことで言うと、背景とか手みたいな部分はあんまり気にならないって感じた。一応、それっぽくなるように下描きしてペン入れしたんだけど、顔が目立つように描けているからか視覚的に気にならないって感じ。視線誘導が上手く行っている証拠なのかもしれない。

あとは、「ぎゃあああ」「うわぁあああ」って描き文字を描くかどうかは悩んだ。これのあるなしが漫画っぽさの有無に直結している感じがして、言語化しきれてはないんだけど、入れた方がいいと思い入れた。入れるとなんか漫画っぽさがでるって感じる。逆に無いと漫画っぽくないって感じ。謎。

その他

その他気になったことの書き出し。

高さ

コマの高さは気になった。

というのも、このページで目立たせたいのは最後の2コマで、明確に目立たせたいコマがあるページなんだよね。けど、その2コマのために他のコマが小さくなり過ぎると違和感って感じでコマの高さは気になった。

で、最終的に今の形になったわけだけど、コマの高さが足りないとしても、(顔)ドアップの構図や線を太くするなどで、その足りない高さを補い目立たせることができるのかなぁって思った。なんというか、コマがぎちぎちで高さを出せなくても構図や線を工夫すればなんとかなるって話。

ペン入れ

ペン入れについてそこそこ意識しそれっぽくなるように描くことを心掛けてみた。けど、アクションが多かったり、役割がそれぞれ異なるコマなのもあってか、コマごとにペン入れが異なる感じになってしまった。そのせいか、一体感というか統一感がないって感じが気になる。これは試行錯誤中だから仕方ないかなぁ。

あとは、最初にとりあえずペン入れした時、ペン入れより下描きの方が良いって感じた。理由としては、チャームポイントの眉毛とかが髪の毛が被って潰れたりしたから。下描きの時は見えてたのに、ペン入れしたら潰れて見えなくなる。そういう部分がそう感じさせたのかなぁって思う。

けど、最終的には下描きよりペン入れの方が良いって感じている。なぜなら、チャームポイントが隠れないように調整したり、最後の2コマでも書いたように「目」の調整(ペン入れにアジャストするように調整)したから。

なんかずっと下描きとペン入れでズレがあるんだよなぁ。次辺りで少し深ぼって見ようと思う。

キャラデザ

キャラデザは、不合理に感じるようなことがあっては駄目なのかなぁって思った。

上でも書いた通り、眉毛が髪の毛と被って潰れる問題は最たる例なのかなぁって思う。眉毛が見せたいのに前髪で隠れる不合理なキャラデザだし。また、「目」の描き方で「塗り」がない目立たない描き方をしているのも不合理。人は無意識のうちに目などの表情を見るわけで、最も重要な「目」が目立たないとおかしいって感じてしまうのかもしれない。

この辺はキャラデザもそうだけど、描き方とかも問題なんだろうなぁ。塗りのない目でも目立つように描く手段はあるわけだし。その辺をきちんと考えてどうにかしないと駄目なんだと思う。キャラデザは難しいなぁ。

大差ない

なんとなく、ペン入れで描き直しても大して変わらないって感じる。なんでかって考えると、何度描き直しても下描きをベースに描くからなのかなぁって思う。なんというか、下描きがイマイチだと、ペン入れで描き直してもイマイチな感じになるって感じ。だから、大差ないんじゃね?って感じるのかなぁって思った。

とは言え、2コマ目みたいにペン入れが「薄い」って感じ、濃く修正をしたら「薄い」って問題は解決したと思う。けど、それをしなくても頭を打ち付けている主人公は伝わるんだよね。「主人公」と「頭を打ち付けている」状況を伝えたいのであって、描き直しても直さなくても「それ」は伝わる。だから、大差ないんじゃないか?こっちの方がしっくりくる。

もちろん、最後の2コマみたいに「主人公?」って伝わり辛いって感じたりしたら、「目」の修正などを行う。「主人公」という最低限の情報が伝わるのであれば、それ以降は個人の「こだわり」って感じで読者にとってはどうでもいいから大差がないって感じるのかもしれない。

こだわり

ただ、このこだわりが全く役に立たないのか?ってのも気になるなぁ。というのも、最低限の「伝える」仕事をした人とこだわりを持って「伝える」以上の仕事をしている人だと成果物に差があるんだよね。こだわる分、見た瞬間に意図が伝わったり、わかりやすいみたいな伝わり方に差がでるって感じ。だから、役には立つと思う。

けど、今の僕は最低限の仕事ですら危うい。だって、キャラデザが決まっていないわけで、最低限の「キャラ」を伝えることにすら四苦八苦しているわけだし…。

たぶん、プラスαである「こだわり」以前に、最低限のキャラや何をしているみたいな情報を伝えることに四苦八苦しているから「今こだわっても意味がなくね?」って感じで、大差ないって感じている気がする。

終わり

今回は割とサクサク進んだ感がある。普段は2週間かかるのに、下描きとペン入れが合わせて1週間と半週で終わった。ただ、最後の2コマの部分とかを何度も修正したので、結果的に2週間かかった。

でも、次のページ(19ページ)を並行して進められたからかだいぶ早い方だと思う。やっぱりキャラメインのコマって部分が大きいのかもしれない。あと、キャラデザは決まっていないけど、キャラが全体的にデフォルメ寄りなので、キャラデザ問題に触れなくて済むってのも大きかったかもしれない。

実際、次の19ページ目はキャラデザ問題と向き合わないとだったり、描いたことがない背景のみのコマもあってすんなり行かないって感じている。

とりあえず、あと1ページだわ。マジで1年かかるとは思わんかったなぁ。ゴールデンウィーク辺りには終わると思ってた。でも、時間をかけたおかげで色々と試行錯誤ができたのは大きかった。このページではキャラデザ問題を少しクリアにできたので、最後のページでもうちょいキャラデザ問題クリアして、11話はササっと描けるようにしたい。

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