オスガキ1話
オスガキって作品を描いたので書き出し。
オスガキについて
元々考えてあった話で、SNS向けによさそうだから「せっかくだし…」ってことで描こうと思った。
SNS向けには別の作品を考えてたんだけど、ちょっと助走が必要な作品だから、その助走として描こうかなって感じの作品。
あとは、肩の力を抜きたいって目的がある。というのも、自主連載している花花の方が気合い入れ過ぎて堅くなっている感覚があるから肩の力を抜きたいんよね。あと、1話作るのに1年かかってたりするので作画スピードを上げたいって感じ。なので、その辺の対策を模索する目的もあるからペン入れまではしないって作品。
ページ
ページごとに気になったことの書き出し。
1ページ
最初のページなので、キャラクターを紹介するために顔を大きく描く。あと、状況が分かるように状況説明を入れるのが目的。
1コマ目
このコマは状況説明をする目的があるコマで、アパートを映しているつもりなんだけど、扉の内側の線が横ってのが気になった。
たぶん、雨が縦に流れているのと読者の視線が縦(下)に落ちるのを食い止めている感覚があるから気になるって感じだと思う。視線誘導の邪魔になっているって感じ。
ただ、屋根裏の影の線も同じく横線なんだけど気にならない点を見るに、濃さの問題や余白との対比で目立っているって感じなんだと思う。もう少し薄めに描けば気にならないのかなぁって思う。
あとは、パースが適当だから違和感かな。これはアングルがちょっとアップ気味でバレんやろって適当に描いたのが問題なんだと思う。たぶん、少しアングルを引くとガッツリパースがおかしいって気付くやつな気がする。そこまで気にするつもりで描いてないけど、気になるし、ちゃんと漫画を描く上でも役に立つ部分だから少し気を付けたいかな。
気になった点としては、雨が降っている描写だけじゃなくて屋根から水が垂れているとか水が跳ねているって描写があるとより雨が降っているって伝わるなーって気になった。
3コマ目
このコマの弟は適当に描いたんだけど、なんか可愛らしく見えるんよね。だから、この作品描いてみるかってなった(けど、何度も見ているとそうでもないのかなぁって思い始めた)。やっぱり、抽象的だから脳内補完が上手く働いているんかなぁ?体はマジで適当になったんだけど、顔だけしか見ておらず、適当な体は脳内補完で補っている感じがあってなんか気にならない…。
これをペン入れしたら脳内補完消えるから、可愛らしさ消えるんだと思う。また、線を重ねて輪郭が薄くなったり濃くなったりって感じが、自然?予想外?な強調効果を生んでいる気がする。これは無意識に「これは大事」って部分が濃くなっているのかもしれない。その無意識が意図してない良さを引き出すって感じ?この辺言語化したいかな。
あと、下描き状態って現実で言うところの美白フィルターがかかっている状態なんかなぁ?シワとか鼻みたいな余計な情報飛ばして重要な所だけを見せるから良いって感じるのかなぁって思った。
下描きって不思議。
2ページ
状況説明をするのと、キャラ同士の関係性を表現して、作品の方向性を示すのが目的。
弟
このページの弟は可愛いくかけたんじゃないかって思う。引きの構図だったり雰囲気で見るからかな?(正面顔みたいな止め絵じゃなくて、何かの動作の絵だから脳内補完が働きやすそう)。あとは、見てくれが女の子ってのも大きいんかもしれない。服装なんかも家出少女感あるし。見た目って大事なんだなぁー。
3ページ
このページはオチ(4ページ)までの導線を作るのが目的。情報量を圧縮・整理整頓するために4コマ形式。
気になる
気になった点としては、同じような画角のコマが多いいのが気になった。
通常の漫画だったら画角被らないようにできるんだけど、4コマだとコマ数が多いいのもあって被るわ。それが個人的には気になった。とはいえ、変わったアングルにするってのも違和感なんだよね。だからどうすっかって感じ。
あと、顔だけのコマと体が映るコマでクオリティの差が出るのが気になった。顔だけは描きやすいけど、体も入ってくると描きづらいってやつ。単純にバランスが取れないって話だと思う(描き慣れてないし)。けど、そもそもそんなに気合い入れて描くつもりがなかったんだよね。それなのに徐々に気合いが入ってしまって差が生まれたって感じ。
弟
弟に関してはもう少し色っぽく描いても良かったのかなぁって思った。このページまでは弟じゃなくて妹認識だし、せっかくの全裸だし。まぁ、色っぽく描けないんですけどね…。ちょっと勿体ないなぁーって思った。
最後のコマの弟はちょい微妙って感じた。構図的に小さいからかパーツ間の距離が近くて顔周りがごちゃごちゃして認識しづらいって感じ。デフォルメ表現とかの方が良かったかもって思った。
兄
兄の方は特に無いかなぁ。丸っこくなりそうな輪郭をシュってさせることを意識した。
4ページ
ここはオチを付けるためのページ。ゾウさんを目立たせることが目的。
構図
1~2コマ目に関しては登場キャラにフォーカスするコマで、3コマ目で男ってわかるようにして、4コマ目で妹ではなく弟でしたってオチを付ける構成なんだけど、構図は悩んだ。特に最後のコマをどうするか?って部分。
最終的に今の形になったんだけど、決め手としてはクソガキムーブをかましている弟。タイトルがオスガキなんで、クソガキムーブかましてるとしっくりくるし、股ガッツリ開いて駄々こねるってのが男っぽいってことで視覚的な行動でも♂感伝えられるかなぁって部分が影響してるんだと思う。
下描き
適当に描いたネームをベースに描いたんだけど、思っている以上に形になるなぁーって思った。下描き状態で脳内補完が働きやすいとはいえ、それっぽくなるなぁって感じた。
加筆
3コマ目は集中線を足したのと、マガジンマーク「!?」足したのは良かったわ。特にマガジンマークは兄と同じく小さくしたことで、手前と奥で遠近感が出てるって感じるから良いって感じる。
4コマ目も背景と集中線と描き文字足したらいい感じになった。手を抜いて描くつもりだったからやるつもりなかったんだけど、あるのと無いのではかなり印象が変わった。たぶん「弟ができた」ってモノローグを目立たせる上で必要だったんだと思う。
気になったこと
その他気になったことの書き出し。
硬い
なんかページを重ねるごとに気合いが入ってしまっているせいで硬さが出てきたのが気になる。
元々1ページ目の弟がいい感じだったから描き始めたんだけど、気合いが入るごとにその1ページ目の弟と比べて硬さが出始めている。それは、線が洗練されていくと感じた。最初の方は線がごちゃごちゃしてたけど、徐々に線が少なくなっていて、それと同時に硬さを感じ出した。
この辺掘り下げれば言語化できるかなぁーっ思う。
べた塗り
この作品はペン入れまではしないのが前提の作品なんだけど、べた塗りするかは悩んだ。
なんか線で髪の毛の内側を塗りつぶすってのに違和感を感じるんだよね。この辺は絵を描く習慣がないし、漫画の方が描いているからかな?だから、べた塗りが基本で、べた塗りをしないと中途半端って感じるから生じた違和感かもしれない。
けど、べた塗りをしない下描き状態の方を言語化するのが目的で、べた塗りは花花の方でするから役割分担という意味でも正しいから納得してべた塗りせずに済んだ。
スピード感
1週間で4ページ仕上げたって考えるとかなりのスピード感なのかなぁって思う。ただ、ネームの方で2週間以上かかってるけどね。まぁ、仕事の方を優先してたり、10.5話の方も並行してたからしょうがないかな。あくまでも作画のスピード感としてはよいって感じ。
ネーム
ネームの方は結構悩んだ。最初の展開は同じなんだけど、初期案では兄が電話で爺さんに相談するって展開だった。けど、SNS向けに描こうとすると4ページくらいがちょうどいいんだよね。それに、重要なのは兄と弟だから、シンプルにしようってことで今の形になった。
途中で4コマパートが入ってくるけど、そこまで違和感ではないのかなーって印象(個人的には)。
問題
問題点としては、気合いが入ってしまい硬さが出る点と、パースや体の描き方かなぁ。
元々、適当に描く予定だったから問題ではなかったんだけど、気合いが入ってしまい問題になったって感じ。それに普通に漫画を描く上でも問題ではあるので意識とかはしておきたいかなぁ。
適当に描いてもそれっぽくなるようにしたい。
良かった
良かった点としては、適当に描いた方が良い物が作れるんじゃね?って感覚があった点かな。この辺の感覚の解像度上げれば引っかかることなくスラスラ描けるようになりそうって感じた。
終わりに
下描き状態でリリースするのは初めてだわ。けど、描き切ってみて正しいって感じた。というのも、僕は漫画以外で絵を描くって習慣がなくて、絵についてよくわからない部分が引っかかってる。このオスガキという作品はペン入れまではしないから漫画と絵の間にある感じで、そのよくわからない部分を切り崩す足掛かりになる。それは僕にとっては足りないピースを埋める行為だから正しいって感じ。
あと、デフォルメ表現の練習という点で「はなはな」って作品もあるんだけど、そっちも描きたいんよね。それをやることも正しいって感じる。けど、それをすると流石に時間が足りないって感じで悩んでいる。
これらの正しいって感覚は、僕が足りないって部分を埋めるからなのかなぁって思う。特に気になっている点として、一枚絵や扉絵みたいなのを描こうと思った時に、それに耐えられる絵を描ける気がしないんだよね。その辺がこれら作品を描くことで埋められるって感覚があるって感じ。
なんで気になっているんだろう?お金を稼ごうと思うと、漫画だけじゃなく一枚絵みたいなのが必要になるからかなぁ?こういうのも言語化したいかなぁ。