10話12ページペン入れ
10話12ページのペン入れが終わったので書き出し。
原稿

最初に
今回は下描きとペン入れを分けて書き出し。
理由としては、ペン入れについてきちんと考えようとしたら思った以上にボリュームが出そうだったから。思い返すとペン入れときちんと向き合ったことないんだよね。下描きは色々と考えて描いているんだけど、ペン入れってゴール(脱稿)が目の前にある状態だからか「早くゴールしたい!」って感じで、そこまで考えることなくゴールしちゃうから向き合いづらかった。
今回はきちんと向き合おうと思ったから下描きと別で書き出し。
コマ
コマごとに気になったことの書き出し。
1コマ目(ワイプ)
1コマ目右上のワイプで気になった事の書き出し(13ページのペン入れはこのコマから始めた)。
白い
ここは男の子がアタフタするコマなんだけどさ、デフォルトの男の子が白い(べたなしだ)から適当に描いたら視認が凄いし辛くなった。
なんでだろうって考えたんだけど、ワイプの枠線が太いってのが原因なのかなぁって思った。と言うのも、ペン入れした男の子の線と枠線の太さの対比がえぐかったから。枠線にキャラが負けている感じがあった。
なので、キャラをしっかりと目立たせるために輪郭線を太く描いたら視認がしやすくなった。ただ、輪郭線を太くしたら「キャラっぽい何か」の存在は認識できるようになったんだけど、「キャラ」としては認識し辛かったから、「髪」「表情(目)」「顔(輪郭)」をしっかりと認識できるように「表情(目)> 顔(頬のライン)> 髪(前髪)」という順番で線の太さを調整したらいい感じになった。
トーングラデーション
背景としてトーングラデーション入れた。理由としては不穏な空気感を表現するため。また、キャラの視線が上を向いてしまっているので、視線を下に落とすためのトーングラデーションを入れたって感じ。あと、キャラがデフォルメ効いてるから視認しやすくするため。
最初はトーングラデーションじゃなくて連続する縦線で表現をしようと思った。けど、縦線だと集中線のような視線誘導感が強いのと、視線誘導しなくても視線は自然と1コマ目の主人公と男の子に流れるだろうし、縦線だと狙っているニュアンスを出せないということでトーングラデーションにした。
デフォルメ
キャラがデフォルメだからか目が目立たないってのが気になった。最終的には上にも書いたように目を一番太くしたり目と重なる前髪を薄くするって感じで線の太さを変えて対応した。
デフォルメにした理由としては、1コマ目(ワイプ)と1コマ目(メイン)で対比(コントラスト)を作るため。ワイプの方で現実を直視できていない感じ(デフォルメ感)を出して、メインの方でデフォルメを外すことで現実を直視するってニュアンスを出すためにそうした。
これは下描きの方で書くべき内容だわ。書いてなかったっけか?(覚えてない)
男の子
とりあえず男の子の方はこれ以上何すればいいのかわからないって感じる。つか、下描きのデフォルメの描き方が問題って気がするなぁ。ペン入れでこれ以上何かするってなると、下描きを描き直してみるって選択肢が欲しいし。なんというかペン入れしていると「下描きでもっとこうしておくべきだった」って反省が多いい。
とはいえ、髪の毛に関してもう少しやりようがあったのかなぁって感じる。というのも、内側の線(髪の毛の流れ)をどの程度描き込むかって悩んだ。デフォルメ効いてるので線の数を増やすとリアル感がでるし、少なすぎると余白が気になるって感じでどの程度描き込むのが正解なんだろうか?って悩んだ。
あとはデフォルメの目。下描きの問題なんだろうけど、こういう「目なのか?」って感じさせる(デフォル)目は「それ」と伝えるのが難しいわ。というか僕の描くキャラで良く起きる問題な気がする。一応、試行錯誤の過程で目を目立たせるために顔の輪郭から目を左右にはみ出させて目を強調するみたいな表現も考えたんだけど、ただただ認識がし辛くなるって感じでダメだった。
この辺はキャラデザの問題な気がする。
線
このワイプのコマを描いてて髪・表情(目)・顔(輪郭)のような各パーツを1本の線(同じ太さ)で描くとそれを「それ」と認識しやすくなるのかなぁって感じた。なんというか、パーツをパーツとして認識しやすいって感じ?「同じ線の太さだからこれは1つのパーツだよね」ってわかるって感じがある。また、同じ太さで描くと余白なんかも「それの余白」って伝わりやすいって感じた。
なんなんだろうか、パーツをパーツとして認識させるためには「線の繋がり(繋がっている感)」が大事なのかなぁって思った。
言い換えるなら丁寧に線を引けばそれを「それ」と伝えやすいって話。逆に言うと、汚ければ「それ」と伝えるためには余白を設けるみたいな工夫が必要なのかなぁって思った。
1コマ目(メイン)
1コマ目のメインで気になったことの書き出し。
最初
このコマは時間がかかりそうだったから他のコマが終わった後(最後)に作業した。で、とりあえずペン入れをしたら「下描きの方がよくね?」って感じるペン入れになってビビったから何度か描き直した。
男の子
まず、このコマで一番目立つ(目立たせたい)男の子から描き始めた。けど、何も考えずに描いたら見せたい表情が視認し辛くなった。表情(目)と髪(前髪)の線が同じ太さで描いたことで起きた。
なので、ワイプの時同様に目が目立つように意識し、パーツをパーツとして認識できるように線の太さを均一で描き、髪の毛の内側の線は邪魔にならないように細くしたら視認しやすくなった。
描いてて思ったんだけど、ここの男の子の顔が他と比べるとやたらと認識しやすいって感じるんだよね。なんでなのか?って考えると、余白なのかなぁって思う。と言うのも、目の下と顎のラインの間に余白があるんだわ。しかも目や髪の毛を丁寧に描いたから余白とのコントラストが生まれ、表情が強調されたから認識しやすくなったんかなぁって思う。
そして人間で一番重要なパーツが顔で、目がどこにあるかがわかればそれが頭であると認識できる。だからなのか、体の方をだいぶ適当に描いたけど気にならない気がする。人間は頭の下に体があるわけだし。
強弱
男の子を描いてて、パーツをパーツとして認識させるために線の太さが均一になるように気を付けたんだけどさ、前髪に影をつけても視認性が下がるみたいなことがないって感じたのが気になった。だって、線の太さが影のせいで均一にならない(強弱がつく)んだから「それ」と認識し辛くなるんじゃないか?って思うんだよね。
けどそんなに気にならない。だとすると、前髪の影は(前髪の)境界線を強調し、前髪と何かのコントラストを強調している。この場合は前髪の線を強調して前髪と顔(表情)とのコントラストを作っているってことなんかなぁ。表情が視認しやい理由に前髪の影も貢献しているのかもしれん。
線の強弱ってあんま気にしたことなかったけど、こうやって意図を持ってやっているのであれば効果あるのね。逆になんとなく強弱を入れて「何のための強弱なんだろう?」って気になり説明ができないと無意味な強弱になって作品が読みづらくなる。そういう時は線に強弱をつけず均一の太さで描くことを意識したほうがいいのかもしれない。
ちょうど、男の子の体を描く時にキャラクターの存在が目立つように肩のラインを強調したりしたんだけど、「何のための強弱なんだろう?」って疑問に思ったから辞めた。それに、このコマではキャラというよりかは状況説明や雰囲気を見せる目的だったのも理由としてあったし、上にも書いた通り顔が分かれば「その下にあるのは体だよね」って分かるってのもあり「体ですよー」って強調する必要がない。だから強調する必要がないって話なんだと思った。
主人公
主人公に関しては適当だね。なんでかって言うと、トーンやべた塗りがあるから。男の子と比べると「色」があるのでパーツをパーツとして認識させやすいからあんまり気を遣わなくて良くて楽だった。
ただ、顔の方は気を付けた。というのも映っているのが「顔」であると認識させないといけないから。目を閉じているのもあって「それ」と認識させるために丁寧に描いた。
主人公に関しては「ポニーテール」が明確な失敗かな。というのも、ポニーテール(べた塗り)を描いてしまうとキャラの輪郭と重なり輪郭線が潰れ主人公のシルエットが認識し辛くなる。それが想像以上に酷かったから敢えて描かなかった。ポニーテールのクオリティが高ければ何とかなったのかもしれないけど、これは後々の課題っすね。
あと、どうでも良いことだけど汗をかかせるかどうか悩んだ。と言うのも、主人公の表情に汗の描写を入れると主人公に視線が流れる感じがあったんだよね。なんというか主人公がアクティブ状態になっている感じがでるのが気になるって感じ。このコマ的には状況説明や雰囲気の描写が大事だし、キャラに関しても男の子が重要なので主人公に視線が流れるのは避けたい。また、汗があると何か後ろめたいニュアンスが主人公に乗る感じがしてそれも嫌だった。だから汗を描くのを辞めた。
表現や描写
このコマはキャラと背景を含めた状況説明や雰囲気を説明する目的かつ「風が吹いている」ってのを伝えたかったんだけどさ、風が吹いているって描写を伝えるのがマジで難しかった。
下描きの方では、桜の花びらが舞っていたり男の子の髪の毛を風で靡かせることで伝えるつもりだったんだけど、ペン入れすると全然伝わらなくて笑った。
最終的には服を風で靡かせてみたら「お、風が吹いている」って感じた。状況説明や雰囲気を見せたいコマでもキャラクターがいたらキャラクターに自然と視線が流れるんだなぁって思った。背景でいくら風が吹いている感出しても「風が吹いている感」出せなかったけど、服を風で靡かせたらすぐに出たからそういう事なのかなぁって思う。
服を靡かせる前に色々と試行錯誤をしていて、風の流れを描写するために左下に花びら描いたんだけど、この表現は結構いいなぁって思った。というのも、左下にでかでかと花びらがあると「これなんだ?」と気になり、花びらで風の流れ(インビジブル波線)を表現することで「あ、風が吹いているのか」って伝えられる感じがあったから。上手く機能はしなかったかけど、意図としては良かったと思う。
後は、キャラと背景を認識しやすくするためにそれらの間に余白を設けている。それ自体はいいんだけど、キャラの輪郭を強調してキャラが目立つようにするか悩んだ。けど、このコマの役割的にキャラを目立たせたいわけではなく状況説明や雰囲気を見せたかったから辞めた。
背景
背景は最初に適当に描いたら駄目だったわ。何が駄目だったかというと電柱やネットのポールの線が駄目だった。というのも、このコマは5点透視図法を使っているのに背景の線がブレブレだと「パース効いてる?」って感じでパースが迷子になっている感じがした。だから、線を丁寧に描くことで「パース効いているよ」って伝えることを意識したら多少改善したが、手前のキャラクターのパースが甘いからあんまり伝わらないね。
あと、描いてて思ったんだけど空のトーンの有無で印象がだいぶ変わるって感じた。これは下描きを描いている時からそう感じていた。なんでだろう?って考えるに、下描き時には空にトーンが無いと「この余白ってなに?」って気になったからかなぁって思う。だから「この余白は空です」って伝えるために必要だった。ペン入れの時も同様の現象が起きてたけど、清書した背景のクオリティが低いせいで空を空だと認識できず気になってしまう。だから空にトーンを入れて「空です」と明確に伝え、納得してもらい視線を下に落とす必要があったのかなぁって思う。
これに関しては背景のクオリティ以前に構図も悪い気がする。キャラクターがガッツリ背景に重なって5点透視図法のパースが効いている感じが出しづらい。キャラクターにもパースを上手く効かせられなかったわけで、上に映っているモノが「空である」ということが周りから上手く伝わってこない。まぁ、単純な実力不足っすね。
その他
キャラクターに関しては丁寧に描いたつもりなんだけど、ちょっと丁寧すぎるって感じるかな。プロと比べると丁寧ではないんだけど、そういう丁寧さじゃなくてキャラクターを1本の線でしっかりと認識させようとする丁寧さってのが違うって感じ。なんというか、1本の線でキャラを描くんじゃなくて「とりあえず伝わればいい」って感じで複数の線で描いたとしても伝わるってのが理想。なんか硬さ感じて違和感なんすよね。
2コマ目
2コマ目で気になったことの書き出し。
男の子
このコマは落ち込む男の子を描写するのが役割かつ風が吹いている描写が目的。最初に線の太さを気にせずに描いたら髪の毛と表情がすっごい認識し辛かったので、上のコマ同様に丁寧に描き分けた。
表情に関しては下描きの時より目を伏せて描くようにした。また、1コマ目と比べてリアル感出したかったから目のアイラインとかを曲線にするみたいな工夫を入れてリアル感出してみた。上下のアイラインが平行より曲線で目尻に向かって閉じる感じがあるとリアル感ある。現実の目がそうなっているからなんかなぁ?
ただ、髪の毛に関しては悩んだ。というのも、リアル調の髪の毛の描き方がわかんないから。けど、適当に線を足したらっぽくなったから、デフォルメとリアルの違いって線の数なのかね?デッサンなんかでも線の数が多ければ多いいほど質感出て立体感出るもんなぁ。立体感を出せばリアルなのかな?気になった。
背景
背景は縦線とトーングラデーション併用した。縦線が視線を下に落とす視線誘導の役割で、トーングラデーションが不穏な空気感を出す役割をしている。
焦点があっていない感じの桜の花びらを描いているわけだけど、これは次のコマでそういう表現をするための伏線。桜の花びらが(動的に)舞っているって描写をしたかったから輪郭線はぼかすように描いた。ただ、それだけだと動いている感じが無かったから輪郭の内側に影?を足したらいい感じになった。不思議。
3コマ目
3コマ目で気になったことの書き出し。
手
ここは手だけのコマ。最初から丁寧に描いたんだけど若干線が太く感じたから修正した。というのも、手しか映っていないから太く描かなくても「手」って伝わるし、最初の線は「手っす!」って主張が激しいって感じたから修正した。
一番悩んだのは余白。手以外の要素が無いし「手を離す」という描写を伝えたいから大ゴマなんだけど、それによって発生した余白が気になるって感じ。オノマトペやトーンで軌跡を描写してみたり試行錯誤したけど、もうちょいやりようがあったんじゃないかって感じる。これは反省点かな。
あとは、手だけというのもあってか素人感が伝わるのが気になる。これは手のクオリティなのかなぁ?爪とか手の関節の描写がないもんなぁ。手の輪郭だけを描いて内側が真っ白なわけで、内にも外にも余白がある。だから余計に気になるのかもしれない。
とはいえ、手のクオリティを上げたとしても手の周りの余白は気になる気がする。前のページ最後のコマと同じでどうするのが正解なんだろうって感じだわ。課題っすね。
オノマトペ
ちょっとしたことなんだけど、オノマトペは明朝体よりゴシックの方がいいって感じた。
手描きで描くと入り抜きが入って明朝体っぽくなるんだけど、ゴシック体の方がいいんじゃね?って感じたから描き直した。なんだろう?明朝体だと文字から視線が抜けてニュアンスを引きずる感覚がある。けど、ゴシック体であれば文字でニュアンスが完結して引きずらないって感じ。ちょっと気になったからメモ。
4コマ目
4コマ目で気になったことの書き出し。
主人公
ここの主人公は下描きから違和感があったんだけど、ペン入れで違和感が露骨に現れたからペン入れで修正した。主に顔のパーツの位置や比率の違和感。
髪の毛に関しては、毛先を気にせずにブロックでとりあえず描いてからホワイトで毛先作る描き方してみたんだけど、なんかそれっぽくなった。ただ、キャラクターの選択範囲作って縁取りしようと思うとホワイトも選択範囲に入って上手く縁取りできなかった。消しゴムツールで毛先作った方が良かったかもしれん。
しかし主人公カワイクねぇなぁ。悲壮感出さないとだから可愛いさを出しても仕方ないんだけど、子供っぽさが出てないのが気になる。子供らしさを出すために目を大きく描いたりしているんだけど、なんか違う感。この辺は次のページで考えるかな。
表現
このコマの主人公の位置を下描きから右にズラした。というのも、コマの中心に顔があると「頭を上げる」という動作が伝わらない感じがあったから。なんか顔が中心にあると「頭を上げる」という動作じゃなくて「主人公がいる」って感じのニュアンスが強いって感じ。
だから、右にずらして左に余白を用意してみたら「なんで左が空いているんだろう?あ、顔を上げる動作をしているのか」って伝えられる感じがでた。意図的に余白などの違和感を作ることは大事なのかもしれない。
後は、背景にトーングラデーション入れるか悩んだ。というのも次のコマがべた塗り背景のコマでさ、繋がり的には真っ白な背景より、次のコマへの伏線として不穏な空気出しておいた方がいいんじゃないか?って思ったから。けど、次のページのことを考える必要があるのか?って葛藤しながらも最終的にはやっぱり入れた。
その他
その他気になったことの書き出し。
違和感
1コマ目の手前の桜の花びらとか4コマ目の左余白って感じで、敢えて違和感を作ると「なんだ?」って興味を引き、風が吹いている描写や頭を上げる動作のような伝えたいことを伝えられるのかなぁって気になった。
あくまでも主観でしかないから何とも言えないけど、もしそうだとするなら違和感を意図的に用意すれば伝えたいことが伝えられるし、違和感を用意しなければ視線を次へ次へと流せて読むスピードとかもコントロールできるのかなぁって思った。
線の強弱
このページ通して線の強弱がいらないんじゃないかって感じた。普段であればキャラクターの輪郭線とかに強弱をつけて周りの余白とコントラスト(対比)を作りキャラクターが目立つようにするんだけど、このページはキャラクターをそこまで目立たせたくないからなのか線の強弱はいらないんじゃないかって感じた。
なんでそう感じたかって言うと、状況説明や雰囲気を伝えたいからなんだと思う。全体的な雰囲気を伝えるのが重要だからキャラクターをそこまで目立たせる必要がない。だから線の強弱がいらないって考えると腑に落ちるかなぁ。
描きたくねぇ
今回初めてペン入れと向き合ってこうやって言語化しながら描いているんだけど、すっげぇ描くのが嫌だって感じた。下書きが終わっていてなぞるだけの作業なのにやたらと嫌だって感じるのが気になった。
理由としては何度も描き直すのが嫌だったからっぽい。というのも、ペン入れって描いたらゴールでさ、持久走やマラソンで言う所のゴール前の最後の直線なのよ。それなのにゴール前で何度も走り直されたり、ラストスパートで全力で走らされるって感じが嫌だった(僕はラストスパートかけられないタイプ)。さっさとゴールしたい(終わらせたい)から描き直したくなかったっぽい。
それに、ペン入れって適当に描こうが丁寧に描こうが正直そこまで差が現れにくい気がしていて、「どうせ伝わらねぇよ」って感じる無意味さも相まって嫌だって感じさせてたみたいだわ。
下描きも嫌だって感じるけど、下描きはゴールから遠いいので「やるしかない」って諦めつくけど、ペン入れはゴール前だから「さっさとゴールしたいのにゴールできない」ってタイプの嫌だ、って感じ。
とりあえずやる
メッチャ描きたくないって感じてたんだけど、とりあえず描いてみるのは重要だなぁって感じた。
というのも、とりあえず描いて見ると問題点なんかが表に出てきて言語化できるんだよね。けど、描かないと問題が可視化されないから言語化できない。描きたくないって思ってもとりあえず描いて見ると未来の僕が言語化してくれるからとりあえずやるって重要だなぁって思った。
また、試行回数も重要。「こうしたけど上手く行かない、じゃあこうしよう」「イイ感じだけどなんか気になる、なんでだろう?」って感じで試行回数を稼げると問題を掘り進めて改善していけるって感じ。なので、試行回数を稼ぐためにとりあえず描いてくれると助かる。
後は、ペン入れがゴール前の作業ってこともあってか一度でなんとかしようとする感覚がかなり邪魔だわ(何度も描き直したくないって感覚)。こいつのせいで「とりあえず描く」って行動が取りづらい。内なるZ世代が「それ、やる意味あるんすか?」って尋ねてきてしんどい。
けど、今回の経験や良いモノを作ろうとすると試行回数が重要ってわかったから、とりあえず描いた方が良いって自分自身を説得できた。だからなのかメンタル的に描くことに抵抗が少なくなったかもしれん。
ペン入れ
今回からペン入れについてきちんと考えているわけなんだけどさ、きちんと向き合って見るとペン入れってコマ単体じゃなくページ全体を見ないといけないのかなぁって感じた。というのも、滅茶苦茶太い線で描いたコマがあると最初のコマをすっ飛ばしてそちらに視線が流されたりする気がするんだよね(程度にもよるが)。そういう経験があったからかペン入れで「どこから描くのが正解なんだろう?」って感じた。
いつもであれば、キャラクター単体のコマからペン入れを始めたりするんだけど、それだと果たして全体を見てペン入れ出来ているのだろうか?って感じる。とはいえ、僕の場合はそういうことを考えられるレベルにはないのかなぁって思う。
色々と固まって無いもんなぁ。とりあえずキャラデザとか諸々固まってから考える所なんだと思う。下描きと同じでまず色々と試行錯誤を繰り返して、その後に考えるのが正解。
なんとなく、ペン入れ前のペン入れみたいな全体を通して確認するようなフローがあってもいいのかなぁって思った(メモ)。
個々のパーツのクオリティ
今回ペン入れしていて、個々のパーツが認識できるように描くことが重要なのかなぁって感じた。例えば1コマ目の電柱。適当に描いたら空のトーンに潰された。けど、丁寧にパーツを認識できるように描いたら「電柱モドキ」だけどしっかりと「それ」を認識できる感じがあった。
その他に、1コマ目の茂みなんかもキャラの奥にあるから目立たないように薄く描いたら違和感を感じた。なので、しっかりと認識できるように描いた。そしたら若干濃い(主張が強いかなぁ)って感じるが、全体で見るとそんなに気にならないって感じになった。なんというか「茂みね、ハイハイ」って感じで気にならないって感じ。むしろ、薄く描いてしまうと「茂みか?あ、茂みだ」って感じで気になる。上に書いた違和感を作るとうんぬんってやつかな。
なので、個々のパーツをしっかりと認識できるように描いた方が結果的に引っかかり(違和感)を減らせて読みやすくなるのかなぁって思う。
考え方の変化
ここ最近考え方が変わってきた気がする。というのも、今って1ページ仕上げるのに時間をかけてるんだけどさ、さっさと進めた方がいいんじゃないか?って感じで考え方が変わってきている。なんでかって言うと、丁寧にペン入れするとそれっぽくなるから。そしてペン入れでできることって「丁寧に描く」ことくらいしかできないんじゃね?って感じたから。
もちろん、時間をかけて言語化していると色々と気付くことが多いいんだけど、その多くの気付きが下描きに関する気付きだったりするんよ。ペン入れで考えるべきことじゃなくて下描きで考えておくべきこと。だから、ペン入れに関してはさっさと進めて気付きを溜めた方がいいんじゃないかって思った。
ただ、こうやって言語化することで下描きですべきことや下描きで漏れているモノがなんなのかって言語化できるからまだ必要だけど、下描きでそれらを組み込めるようになったらそれ以降はさっさと進めてもいいのかなぁって思った。
なんか視点がごっちゃになってる気がする。
キャラデザ
キャラクター周りを描いてて思うんだけど、顔のパーツのクオリティで必要な余白が変わって来るのかなぁって思った。
というのも、綺麗な作画のキャラクターで顔が密集していても線が綺麗で個々のパーツのクオリティが高いなら余白が少なくても「それ」と伝えることができる。けど、個々のパーツが汚く密集してしまうと「それ」と認識がしづらいから余白を空けて「それ」と認識させる必要があるって感じ。
そう考えると僕のキャラクターって個々のパーツのクオリティが低いんだよね。例えば、目と前髪が被ると目が認識しづらくなる。だから、目と前髪が重ならないように余白を設けたりして調整をしたりする。
この辺は文章や文字でも同じで、手書きで余白がなく詰まっている文章は読みづらい。文字も余白が無く潰れていると読みづらいわけで、文章や文字や絵に関しても余白が大事って話なんだと思う。(綺麗な文字描く人は絵も上手いイメージだけど、余白の認識能力が関係しているんかもしれん)
僕は綺麗な作画を目指していないから、パーツを「それ」と認識させるために余白管理が大事なんだなぁって思った。キャラデザに活かしたいね。
下描きとペン入れの違い
ペン入れの方を言語化していて思ったが、下描きとペン入れの違いってなんなんだろうか?って気になった。
まず、線の数が違うよなぁ。下描きは余計な線が多いいけど、ペン入れは1本の線で「それ」を伝える。それは、頭の中で抽象的に考えていたことを具体的に言葉や文字にして他人に伝えるような感じ。下描きは抽象的でペン入れは具体的という違いがあるのかもしれない。
けど、下描きでも十分伝わる(具体的な)んだよなぁ。だからペン入れする必要ってなんだ?ペン入れでは雰囲気とかより細かいニュアンスを伝えられそうだけど、下描きでもクオリティ次第だが十分伝えられる気がする。なんというか、下描きで完結している気がするんだよなぁ。
だとすると、人に「何かを伝えるため」のペン入れかなぁ?下描きを見せて「よくわからない」って言われても「まぁ、下描きだし」ってなるけど、ペン入れした完成原稿を見せて「よくわからない」って言われるとショックを受ける気がする。それはペン入れが他人に「面白さ」など何かをきちんと伝えるために行っているから、って考えると一理ある気がする。
言語でも同じで、きちんと準備して話した内容が伝わらなければショック。頑張ったんだからその頑張りは伝わって欲しいってやつで、ペン入れはそういう「伝わってくれー」って何かを伝えるためにする。
そして「面白い」って思って貰えたり、頑張って描いたってのが伝われば単行本買って貰えたりする。相手に何かを伝えて行動を促すためのペン入れなのかもしれない。
これは、掘り下げたら普通に1本日記作れる気がするわ。
丁寧
今回描いてて気づいたが、今までペン入れで丁寧に描いてるつもりだったんだけど丁寧に描いてなかったわ。上っ面の丁寧さって言うんかなぁ?丁寧に描いているポーズを取ることで丁寧に描いているって錯覚していたって感じ。
なんでそう感じたかって言うと、ペン入れをきちんと言語化してみたら思った以上にボリュームがあったから。なんというか未発掘の鉱山見つけたって感じ。丁寧に描いている(向き合い言語化している)つもりだったのに全く手つかずの鉱山あったわけで、今まで僕が掘ってたのは何?って感じ。
同時に僕は「汚いけど丁寧だよね」って作風を目指していてさ、「汚い=雑に描く」って感じで誤解して本当の意味で丁寧に描くってことができてなかった。
説明が難しいんだけど、たぶん丁寧に描くというのは下描きと同じで意図を持ち意図を込めて描く事なんだと思う。仕事でも「どういう意図でこうなっている?」ってクライアントに聞かれて答えられないと駄目。答えられないと雑な(なんとなくの)仕事をしているという話で、漫画においてもきちんと説明できないと駄目(丁寧じゃない)って話なんだと思う。
とはいえ、「見ればわかるっしょ」ってレベルに持っていければ問題ないし、漫画は一枚絵じゃないからぶっちゃけ1コマ1コマがそこまで重要じゃない。そこまで丁寧に描く必要は無いんだろうけどさ、心構えの問題なのかなぁって思う。
2種類の違和感
線の強弱が気になった。
というのも、線の強弱を付ける時って「それ」を目立たせるために付ける。キャラを目立たせたかったらキャラの輪郭に強弱を付けるし、目を目立たせたかったら目に強弱を付けるしって感じで、目立たせたいモノを「それ」と伝えるために強弱をつける。
で、これも違和感なんじゃないかって思った。1コマ目左下の桜の花びらや4コマ目の左の余白と同じ違和感。けど、こういう強弱って自然な違和感なんだよね。文中の太字文字のような自然な違和感。だから、特に気にせず自然と気になり印象に残るって感じ。
で、違和感ってのは気になる違和感と自然な違和感って感じで2パターンあるのかなぁって思った。
これを意識すれば視線の流れやスピードコントロールできそうだなぁって思ったのでメモ。
手描きの良さ
僕は定規で引いたような真っ直ぐな線が嫌いでフリーハンドにこだわっているんだけどさ、ふとフリーハンド(手描き)の良さってなんだ?って思った。
1ページ目で言うなら5点透視図法を使っているんだけど、パースが効いている感じを出そうとすると定規で引いたような線の方が良いと思うんだよね。けど、フリーハンドなんよ。どのツールを使えば曲線引けるかわからないってのもあるんだけど、フリーハンドにこだわる僕がいるのも事実で気になった。
一番の理由としては、表現の幅を狭くしたくないってのがある気がする。定規を使うと「(表現)できる」ことが減る感じがあるんだよね。けど、フリーハンドであれば「できない」ことも(やれば)できるって感じの表現の幅の違いがある気がする。
例えば、描いたことがないからやらないってこともフリーハンドなら「それっぽければいいから、とりあえずやってみっか」って感じでできないことも選択できるって感じがある。
特に僕は描いたことがないモノが圧倒的に多いいしなぁ。無意識にリミッターをかけないためにフリーハンドって側面はある気がするし、ある程度描けるようになってから「フリーハンドでいいのか?」って考えれば良い気がする。
終わりに
今回、下描きとペン入れで分けてみたんだけど言語化がマジで大変だったわ。思った以上にペン入れの方で書き出すことが多くてまとめるだけでもかなり時間がかかった。
確かにおかしかったんだよなぁ。いつも日記として清書し出すタイミングがペン入れが終わった後なのに、今回は下描きが描き終わったら下描きの方だけで清書し始めたから「あれ?」って思った。けど、無意識にペン入れと向き合った方がいいって考えてたからそのタイミングで書き出したみたい。流石簡易センサ先輩。
このページ描き終わってから10話ざっくり読み直したんだけどさ、全体通すとちぐはぐ感半端ねぇわ。個々のページで言語化しながらやっているのもあって、別人が描いているみたいな読みづらさがある。まぁ、これに関してはしょうがないんだけど10話のようなシリアスな雰囲気を出すような話でやるべきではないのかなぁって思った。もっと普通の話の時にやるべきだったと思う。
そう言えば、このページ描いてて寝る前にトイレに行ったのに謎の尿意があったり、体がやたらと痒くなるって現象が起きた。たぶん漫画のせい。すっげぇストレスだし、本気でやりたくねぇんだなぁって思った。でも、昔に比べるとだいぶマシにはなってきたと思う。だって、前まではまず描きたくないし作業をするって考えるだけでストレスだったから。けど、今は上手く行かない部分でストレス感じて、作業をするのは当たり前になっている。まぁ、このなんで上手く行かないのか?ってストレスがマジでやばいんだけどさ…。とはいえ、とりあえず描くことに抵抗はだいぶ無くなったし、言語化すればなんやかんやで納得のいく形には持っていけるのでそういう点でだいぶ楽。
最後に、ペン入れで丁寧に描いているようで描いていないことに気づかされたんだけど、下描きも丁寧に描いて無くね?って思った。今次のページである13ページ目の下描きやってて、キャラデザについて考えているんだけど丁寧に描いてないというか、絵を描くことと向き合えていないって感じる。
今回のペン入れの言語化は色々と考えさせられたし、やっとスタートラインに立てたような感じがあった。